「トランスミッション」の版間の差分

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歯数の異なる歯車の組合せにより、動力を希望する回転数やトルクに変換して伝達する。多くの場合、歯数の異なる段(ギア)に変速する際に動力の伝達を一旦途切れさせるため、[[クラッチ]]機構が備わっている。また、内蔵された数本のシャフトの回転差を同調させ、変速をスムーズに行う為の[[シンクロメッシュ]]が各段の歯車に備えられている。
 
自動車用の変速機としては最も基本的な機構で、自動車の普及と供に広く採用されてきた。しかし、操作の煩わしさなどから年々採用例が減り、一部の用途を除いて需要っているり、採用車種も減少した{{要出典範囲|date=2015年2月|例えば日本では、2007年度の乗用車の新車販売台数におけるシェアは3%未満であった}}。日本では「'''マニュアル'''」や「'''MT'''」と略されることが多い。
 
MTの一種であるが、自動車用として広く普及しているシンクロメッシュ式MTと異なり、ギアセレクターと歯車の間の同調を取るためのシンクロナイザーを持たない形式を [[ノンシンクロトランスミッション]]と呼ぶ。日本では「'''ドグミッション'''」と称される場合もある。[[オートバイ]]のMTで一般的に採用されているほか、競技用車両の一部で採用されている。かつては一般の自動車用としても広く採用された。ローギアなどの一部をノンシンクロとして、ほかの段をシンクロメッシュ式とした車種もあり、これに対してすべての段でシンクロメッシュを採用したトランスミッションは'''フルシンクロ'''と呼ばれていた。
; [[ノンシンクロトランスミッション]]
 
: MTを基にした変速機の一種。構造のほとんどがMTと同一だが、通常MTに装備されている変速段間の同調を取る「シンクロメッシュ機構」を持たず、代わりに「ドグクラッチ」と呼ばれる噛み合わせ機構を持っている、常時噛み合い式の変速機である。日本では「'''ドグミッション'''」と称される場合もある。
歯車をスライドさせて噛み合わせる形式は'''選択摺動式'''(スライディングメッシュ)と呼ばれる。歯車が高速回転する用途ではシフトチェンジが難しい一方で、高い負荷に耐えられる許容量を持ち、構造が簡潔であることから、歯車の回転速度が比較的低速な農業用[[トラクター]]や[[建設機械]]の一部で用いられるほか、[[戦車]]や、[[ロードトレイン]]や18ホイーラーと呼ばれる日本国外の大型貨物自動車のように高い軸トルクのかかる用途で採用されている。大型貨物自動車では、発進時にニュートラルからギアを入れる操作を低廉にする目的で、クラッチ操作と同時にエンジン回転が入力されるシャフト(インプットシャフト)の回転を[[バンドブレーキ]]で強制的に停止させるクラッチブレーキ機構が搭載されている。
: 通常MTでは噛み合わせに要していた僅かな時間が不要となり、変速時間をより短縮できることから、現在でも競技用を中心に極一部で採用されている。現在でも[[オートバイ]]の変速機の多くがこの形式であり、オートバイ作りのノウハウを転用する形で[[軽自動車]]に参入した[[本田技研工業]]製の軽自動車にも一時期この形式が採用されていた。
: また、[[車両総重量]]が極めて重い等の理由により、シンクロメッシュでは構造上耐えきれないほどの高負荷が掛かる[[戦車]]や、海外で広く用いられる[[ロードトレイン]]や18ホイーラー等の超大型[[セミトレーラ]]ヘッド等では、ギア自体をスライドさせて噛み合わせる'''選択摺動式'''(スライディングメッシュ)のノンシンクロMTが用いられ、日本では農業用[[トラクター]]や[[建設機械]]の一部にこの形式が残り続けている。このような大型車両向けのノンシンクロMTには、発進時にニュートラルからギアを入れる操作を低廉にする目的で、特殊な操作によりエンジン回転が入力されるシャフト(インプットシャフト)の回転を[[バンドブレーキ]]で強制的に停止させる「クラッチブレーキ機構」が搭載されている。
 
=== オートマチックトランスミッション (AT) ===