「慣性航法装置」の版間の差分

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悪天候や[[ジャミング|電波妨害]]の影響を受けないという長所を持つが、長い距離を移動すると誤差が累積されて大きくなるという特徴があるので[[グローバル・ポジショニング・システム|GPS]]や[[距離測定装置]]、[[超短波全方向式無線標識]]などによる補正を加えて使用することが多い。[[ドップラー・レーダー]]航法装置、[[無指向性無線標識]]、[[天測航法]]などを補助的に使用することもある。
 
構造としては、機械式ジャイロを使用した安定台(プラットホーム)の上に加速度計が設置されており、それにより方角と加速度検出し、それを内蔵されたコンピュータで計算を自動で連続的に行い計算して、速度、現在位置、進行方向などの航法上必要な情報を出力する。また、安定台に使用されている機械式ジャイロをレーザジャイロ<ref>機械式ジャイロに比べて、作動範囲が非常に広く、角速度入力とその出力との関係の直進性が非常に良い。</ref>に置換えて、ジャイロの機械的な回転部分と安定台を無くして、機械式ジャイロで使用されてる[[ジンバル]]による加速度への影響を受けることなく、重量、体積、消費電力を改善したストラップ・ダウン方式<ref>レーザジャイロと加速度計を直接機体にくくり付けて、局地的な水平(安定台)をコンピュータ内において計算上で作り、レーザジャイロと加速度計からの出力を、計算上で作られた局地的水平により、局地的水平に関する成分に換算して航法計算及び姿勢指示を行う方式。</ref>の慣性航法装置である'''長距離航法装置'''(IRS)が航空機において開発されている。
 
なお、ドップラー・レーダー航法装置だけでも独力で航法を行うことは可能であるが、確実な地面のレーダー感知が前提であり、電磁波の散乱・クラッタによる誤差が存在する(特に海面では顕著)ため、旅客機等では補助的な使用以外ではあまり用いられず、慣性航法装置が主要な装置となる。