「児童の発達」の版間の差分

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 3-4年生は、徒党を組んで大きなグループで遊ぶようになる。発言は教師にではなく、クラス全体に対してできるようになる。体力があるので骨折など比較的大きなケガをするようになる。ブランコの立ちこぎから飛んだり、馬跳び、階段跳びでケガをしたりする。知的関心が広がり、社会・宇宙まで考えられるようになる。[[心の理論]]<ref>子安増生,1997, "子どもが心を理解するとき",金子書房</ref><ref>子安増生,2000, "心の理論,心を読む心の科学",岩波科学ライブラリー vol.73</ref>でいえば[[二次的信念]]を獲得するため、心情を読み取れるようになり、読書の幅が広がる。
[[具体的操作期]]の完成期になり論理や規則に厳しくなる。さぼりやルール違反への指摘が厳しくなり、告げ口が多くなるが受け止めてあげれば満足する。ただし、子ども集団の中でチクリとして非難される場合には、原因は何か、何が正しいのか考えさせる必要がある。
 友だちは気が合う、趣味が同じという性格面が強くなる。仲間意識が強くなり、仲間との約束が親や先生との約束より大切になり、大人に対して秘密を持つようになる。集団で大人から自立する時期といえる。反抗は組織的ではなく、一人の悪乗りが他の子どもの悪乗りを生むという形をとる。仲間意識が強くなるため集団で反抗や逸脱を行う。かつては[[ギャングエイジ]]([[Gang Age]])<ref> 波多野誼余夫・高橋恵子,1971, 対人行動の発達, "講座心理学 Ⅱ精神発達", 第6章,藤永保編,東京大学出版会</ref>と呼ば言わ。大人の目に見える世界で子どもが遊ばなくなったのでため、ギャングエイジは無くなったとも言われるが、学校では存在している。後の反抗期は個人で行うが、その前に集団で反抗する経験を積むことが自立のために必要と言える。しかし、席替えやクラス替えをすれば友人関係が切れ、遊ばなくなる場合が多く、いじめ対策として有効である。<ref>村野井均,2009, "小学生の生活とこころの発達", 心理科学研究会編,福村出版, 第2章,"3年生‐4年生", pp.89-98</ref>
 
 絵は精密になるが、鼻の穴や耳の穴が正面化した絵を描く。知的リアリズムの絵である。
 
 5-6年生は、児童期の完成期であり、高学年としての責任感、実行力を持ち、クラスや学校全体を見渡す力を持てるようになる。リーダーとして下の学年の子どもたちを率いることができる。良い子として背伸びできる時期である。勉強の内容が抽象的になり、[[形式的操作]]を必要とするため、学力差が顕在する。[[9歳10歳の壁|10歳の壁]]<ref>渡辺弥生,2011,"子どもの「10歳の壁」とは何か? 乗りこえるための発達心理学" ,(光文社新書),光文社</ref>といわれることがある。また、[[自己中心性]]を脱却して、他者の視点を持てるため教師の評価基準に自分を合わせることができるようになる。そのため絵や作文の創造性が一時的に低くなったように見える。[[バーンズの高原]]と呼ばれている。客観視できるため、教科の好き嫌いも顕在化する。
[[成熟前傾]]により多くの[[児童]]が[[第二次性徴]]を迎えるため、[[青年期]]の特徴を持つようになる。男女の意識が強くなる。身体の変化とともに良い子という概念への疑問が生じ、教師や社会への反発が生じるようになる。[[青年]]としての対応が必要となる。