「クオリア」の版間の差分

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[[画像:Ernst_Mach_Inner_perspective.jpg|thumb|left|230px|[[エルンスト・マッハ]]が座椅子に腰かけ、左目だけを開けていたときの視覚体験。中央付近には右手に持った[[鉛筆]]、上にはマッハの眉毛、右側にはマッハ自身の鼻が、下にはマッハ自身の口ひげが描かれている。]]
;視覚体験
:[[視覚]]体験には様々なクオリアがともなう。その単純さから最も頻繁に議論の対象にされるのが[[]]であり、これには例えば、リンゴの赤い感じ、空の青々とした感じ、などがある。他にも形、大きさ、明るさ、暗さ、さらには奥行きがある。片目で世界を眺めるよりも、両目で世界を眺めた方が、世界をより三次元的に感じるのは、奥行きのクオリアが伴うからである。
;聴覚体験
:[[聴覚]]からもたらされるクオリアも非常に豊かである。笛から発せられた空気振動がもたらすピーッというあの感じ、また特定の高さの音を同時に聞いたとき、つまり[[マイナーコード]][[メジャーコード]]といった[[和音]]を聞いたときに受けるあの感じ、そしてそれらの音が時間的につらなったときに受けるあの感じ、つまり[[音楽]]を聞いたときにうける独特の感覚などである。日本人が[l]と[r]を区別できないということは日本人にはこの二つの音のクオリアが同じであるということだと言えるだろう。ネコの声をあらわす擬音は英語ドイツ語フランス語中国語では[m]をふくむが,日本語では[n]をふくむ。これは同じネコの声でも違うクオリアとしてとらえているということである。
;触覚体験
:[[触覚]]からもたらされるクオリアとしては、シルクの布を撫でた時に感じられるツルツルした感触、無精ひげの生えたあごを撫でた時に感じられるザラザラした感触、水を触ったときの感じ、他人の唇に触れたときの柔らかい感じなどがある。
:[[画像:(-)-menthol-3D-qutemol.png|thumb|100px|この形の分子を吸い込むと、[[メントール]]の香り、いわゆる[[ミント]]の香りがする。]]
;嗅覚体験
:[[嗅覚]]から得られるクオリアは、もっとも言葉で表現しにくい感覚のひとつである。朝、台所から流れてくる[[味噌汁]]の香り、病院に漂う[[消毒液]]の匂い、[[公衆便所]]の芳香剤の臭いなど。<!--- それぞれがどのような香りなのか説明してみろ、と言われても説明に困るのではないだろうか。---> 分子レベルのメカニズムとしては、臭いは鼻腔の奥の嗅細胞において検知される。ここで鍵と鍵穴の仕組みで、レセプターに特定の分子が結合した際に、特定の香りが体験される。しかしながら、ある特定の形状の分子が、なぜある特定の香りをともなっているのか、まだ分かっていない。また、マツタケのにおいを芳香と感じる民族と悪臭と感じる民族があるように、民族により臭いのクオリアも違う可能性がある。
;味覚体験
:[[味覚]][[甘味]][[酸味]][[塩味]][[苦味]][[うま味]]の五つの基本味から構成されていると考えられており、これらの組み合わせによって数々の食料・飲料品の味が構成されている。分子レベルのメカニズムは、嗅覚と同様に、舌にある味覚受容体細胞において、鍵と鍵穴の仕組みでレセプターに特定の分子が結合すると、特定の味が体験されることになる。しかしながら、嗅覚の場合と同様、ある特定の形状の分子が、なぜある特定の味をともなっているのか、まだ分かっていない。
;痛覚
:[[痛み]]の感覚は哲学者たちにとって、主観的な感覚について議論するための代表的な素材の一つとなっている。痛みに関する情報を伝達するC線維([[疼痛]]の記事参照)のような[[神経線維]][[活動電位]]と、火傷した皮膚のチリチリした痛みや、[[虫歯]]がもたらすズキズキとした感覚との間には、どういう関係があるのか。それは[[同一性]]の関係か、または別の種類のたとえば[[付随性]]といった関係か、といったことが議論される。ちなみに神経科学者の[[クリストフ・コッホ]]は虫歯になってその痛みに苦しんでいるときに、「歯痛がなぜ「痛い」のか、自分の持つ生理学の知識では理解できない」と思い、そこから意識の研究者となることを志したという。
 
他にも冷熱体験や、さらには[[感情]]もクオリアをともなうと考えられている。
 
心的表象、意識的な思考、そして自分という感覚は、それが質感を持つかどうかについて議論が分かれる。