「クオリア」の版間の差分

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== 自然科学との関係 ==
たとえばリンゴの色について考えた場合、自然科学の世界では「リンゴの色はリンゴ表面の分子パターンによって決定される」とだけ説明する。つまり、リンゴ表面の分子パターンが、リンゴに入射する光のうち700ナノメートル前後の[[波長]]だけをよく反射し、それが眼球内の[[網膜]]によって受け取られると、それが赤さの刺激となるのだ、と説明する。そしてこの一連の現象のうち、
 
* どのような分子がどのような波長の光をどれぐらい反射するのか([[光化学]]
* 反射した光は、眼球に入った後、どのようにして網膜の神経細胞を[[活動電位|興奮]]させるのか(⇒[[(→網膜]]⇒[[錐体細胞]]⇒[[ロドプシン]]⇒[[レチナール]]
* その興奮は、どのような経路を経て[[]]の後部に位置する[[後頭葉]][[視覚野]])まで伝達されるのか(⇒[[(→視神経]][[視交差]][[視索]][[外側膝状体]][[視放線]][[視覚皮質]]
* 後頭葉における興奮は、その後どのような経路を経て、脳内の他の部位に伝達していくのか(⇒[[(→腹側皮質視覚路]][[背側皮質視覚路]]
 
という点に関しては神経科学でも物理学でも哲学でも、専門分野の違いに関わりなく、ほぼすべての研究者の間で意見が一致する。
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この現在の自然科学からは抜け落ちている残されたポイント、すなわち「物理的状態がなぜ、どのようにしてクオリアを生み出すのか」という問題について、[[オーストラリア]]の哲学者[[ディビッド・チャーマーズ]]は[[1994年]][[ツーソン会議]]という意識をテーマとした学際的なカンファレンスで「それは本当に難しい問題である」として、その問題に「[[ハード・プロブレム]]」という名前を与えた<ref>「{{lang|en|Toward a Scientific basis for consciousness}}」米国 アリゾナ大学主催、1994年4月12~17日開催、米国アリゾナ州ツーソン市。 [http://www.conferencerecording.com/conflists/tsb94.htm サイト]</ref>。
 
[[向精神薬]][[大脳皮質]]への電気刺激の実験などからも分かるように、「脳の物理的な状態」と「体験されるクオリア」の間には因果関係があると推測される。しかしながらそれが具体的にどのような関係にあるのかはまだ明らかではない。この「脳の物理的な状態」と「体験されるクオリア」がどのような因果関係にあるのか、という問題に対しては、抽象的ではあるが様々な[[仮説]]が提唱されている<ref>{{lang|en|Anil K Seth}} (2007年) [http://www.scholarpedia.org/article/Models_of_consciousness 「{{lang|en|Models of consciousness}}」] <code>[[Scholarpedia|scholarpedia.com]]</code>, 2(1):1328</ref>。こうした「クオリアを整然とした[[自然科学]](とりわけ[[物理学]])の体系の中に位置づけていこう」という試みは、'''クオリアの自然化''' (<ref>{{lang-en|naturalization of qualia}}) </ref>と呼ばれ、[[心の哲学]]における重要な議題のひとつとなっている<ref>[[フレッド・ドレツキ]]著、[[鈴木貴之]]訳 『ジャン・ニコ講義セレクション 2 心を自然化する』 勁草書房 2007年 ISBN 978-4-326-19958-7</ref>。
 
== クオリアに関する様々な立場 ==