「本」の版間の差分
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=== メソポタミアの粘土板文書 ===
[[メソポタミア]]を流れる[[チグリス川]]と[[ユーフラテス川]]の下流は粘土質であった為、メソポタミア文明ではその土を厚く板状にし、とがった棒や[[ヨシ|葦]]の先端で[[楔形文字]]を刻み、日に乾かしたり火で焼いたりして[[粘土板]][[文書]](clay tablet)を作った。有名な[[ニネヴェ (メソポタミア)|ニネベ遺跡]]からは2万を越す粘土板文書が出土し、その内容も天文暦数、神話伝説など多岐にわたり、当時の文明の高さを窺い知ることができる。
=== 古代エジプトのパピルス書物 ===
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===冊子本===
最初に冊子本を伝えたのは、[[6世紀]]初めに[[ヌルシアのベネディクトゥス|ベネディクトゥス]]が[[イタリア]]に設けた[[修道院]]の[[修道士]]たちであった。修道士は斜面の写台の前に座り25cm×45cmの羊皮紙を半分に折り、[[羽根ペン|鵞ペン]]で各種インクを用いて聖書の句を写した。羊皮紙4枚ごとに咽に皮ひもを通し、それらを重ねて一冊にすると紐で山になった背ぐるみに皮を被せて
=== 紙本の登場 ===
羊皮紙よりも軽くて扱いやすい紙の発明は本の歴史にとって画期的であったが、実際に西洋で紙が羊皮紙に替わるようになるのは
[[15世紀]]半ばにドイツの[[ヨハネス・グーテンベルク]]が金属による可動性の[[活字]]を使い、[[ワイン圧搾機|ブドウ絞り機]]を利用した印刷機を操作して印刷術を興してから本は全く面目を改めることになる。
[[1455年]]以降グーテンベルクによって印刷された『[[グーテンベルク聖書]]』などによって印刷技術の意義が示されたことで印刷術は全欧州に広がり飛躍的な発展を遂げることとなった。
=== 和書の歴史 ===
{{see also|和装本}}
日本で作られた本、いわゆる和書の歴史は、[[洋書]]の歴史とは異なり、いきなり紙の本から始まる<!--木簡竹簡を綴ったものは本ではない?-->。日本にいつ紙が入り、製紙術が伝えられたのか定かではない。[[日本書紀]]には、[[610年]]に[[曇徴]]が来朝し、絵具・紙・墨を巧みに作ったと記されている。おそらくは日本における碾磑(みずうす)の創製者であるとは書かれているものの絵具・紙墨については言及がない。したがって、彼が来朝する以前には製紙術は伝わっていただろうと考えられる。現在残っている最古の本は[[7世紀]]初めの[[聖徳太子]]の自筆といわれる[[三経義疏#法華義疏|法華義疏]]であるとされている。また、[[奈良時代]]の本の遺品は数千点にのぼり、1000年以上昔の紙の本がこれほど多数残されているのは世界に例が無い。また、日本では製紙法の改良により、[[楮]]、[[三椏]]などですいた優れた紙の本が生まれている事も特筆すべき点である。
印刷術に関しては、[[8世紀]]に現存するものでは世界最古の印刷物である[[百万塔陀羅尼]]が発行されたが、[[平安時代]]には経文や文学作品を上質の[[和紙]]の上に美しい筆遣いで書き写す手法がとられ、印刷に関しては長く後を絶つようになる。[[平安時代]]末から[[鎌倉時代]]には中国の影響で木版印刷が広く行われるようになり、主に[[仏教]]関連の書籍が寺院から刊行された。また[[慶長]]年間には[[勅命]]により日本最初の木製活字本が現れ、「古文考経」「日本書紀神代巻」などのいわゆる[[慶長勅版本]]が刊行された。一方[[1590年]]には[[アレッサンドロ・ヴァリニャーノ]]によってグーテンベルクの活版印刷術がもたらされ、キリシタン版数種が誕生したが、キリスト教禁止などの影響により技術が途絶えた。また活字という印刷形態自体が繋げ書きが一般的だった当時の書物には馴染まなかったようで徐々に廃れた。
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== 本の種類 ==
: 日本では、[[1929年]]から紙の寸法はA判B判などの標準規格が定められている。
{{see also|紙の寸法#紙加工仕上がり寸法 ; 刊行形態
: 非定期刊行物と[[定期刊行物]]に大きく分かれる。定期刊行物はさらに週刊誌、月刊誌等に分かれる。
; 流通
: [[書籍]]と[[雑誌]]に分かれる。[[漫画]][[単行本]]や[[ムック (出版)|ムック本]]などの大半も雑誌として流通する。このほか
;
:
; レーティング
: 日本では、全年齢向けと[[18禁]](18歳未満および高校生は購入禁止)に分かれる。各出版社の判断による自己規制のため、明文化された基準はなく慣習的なものである。
; 内容
: 見出しをまとめて整理し書き並べた[[目次]]や、[[書誌]]事項を記述した[[奥付]]を設ける。
== 冊子本の構造 ==
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# 小口
# 地(tail)
# [[扉 (本)|扉]]([[標題紙]])
# 遊び
# のど(gutter)
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== 識別子 ==
1981年1月以降に日本で発行された書籍には、[[国際標準図書番号]](ISBN)に読者対象・発行形態・内容分類を表す「Cコード」と本体価格を加えた[[日本図書コード]]が振られている<ref>{{Harvnb|日本雑誌協会 & 日本書籍出版協会|2007|p=92}}</ref>。それ以前で1970年1月以降の書籍には、[[書籍コード]]<ref>書籍コードの構成、構造については、次の論文の別表に詳しい記述がある。{{Citation | ref = none | author = 田中実 | year = 1969 | publication-date = 1969-01-15<!-- +09:00 --> | title = 出版業界における統一書籍コードの設定 | periodical = ドクメンテーション研究 | volume = 19 | issue = 1 | pages = 2-7 | publisher = 情報科学技術協会 | id = NAID:[http://ci.nii.ac.jp/naid/110002729102 110002729102] NCID:AN00172819 | issn = 00125180}}</ref>が振られている<ref>{{Harvnb|日本雑誌協会 & 日本書籍出版協会|2007|p=93}}</ref>。それ以前の書籍には、[[国立情報学研究所]]によるNII書誌ID([[NCID]])や、[[国立国会図書館]]による[[日本全国書誌]]番号(NBN)などが振られている<ref>{{Citation | ref = none | author = 神崎正英 | year = 2004 | publication-date = 2004-03-09 | title = NBNあるいは書籍の識別 | series = The Web KANZAKI ちょっとしたメモ | publisher = 神崎正英 | url = http://www.kanzaki.com/memo/2004/03/09-1 | accessdate = 2009-09-23}}</ref>。なお、逐次刊行物には[[ISSN]]や[[雑誌コード]]が振られる。
== ギャラリー ==
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File:Chambery interieur mediatheque 600px.jpg|現代の図書館([[フランス]]・[[シャンベリ]])
File:SanDiegoCityCollegeLearingRecourceCity-bookshelf.jpg|現代の図書館の本。書架に並び、図書分類番号が背に貼られている。<!--Books on library shelves with bookends, and call numbers visible on the spines-->
File:Buchladen buecher.JPG|現代の[[書店]]に並ぶ本
File:Printing2 Walk of Ideas Berlin.JPG|[[ベルリン]]にある[[オブジェ]]
File:KarakuriZuiHosokawaHanzo1796.jpg|[[細川半蔵]]による[[からくり]]設計書『機巧図彙』。[[1796年]]発行。
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== 関連項目 ==
<!--関連項目は、語彙が類似しているだけの項目や、多少の関連性が有るに留まる項目を紹介する一覧表ではありません。[[Wikipedia:関連項目]]をご参照ください。-->
{{sisterlinks|commons=Book}}
* [[
'''形態'''
▲** [[編集プロダクション]]
▲** [[シリーズ (作品)|シリーズ]]
▲* [[判型]]
== 脚注 ==
<references group="注"/>
{{Reflist}}
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== 外部リンク ==
* [http://www.nippoh-bb.co.jp/topics/index3.html 製本用語解説 日宝綜合製本]
* [http://www.shinchosha.co.jp/tosho/book_basic.html 本作りの基礎知識 新潮社]
* [http://www.library.pref.osaka.jp/site/osaka/book-parts.html 「本」の部分の名称 大阪府立中之島図書館]
* [http://www.iwanami.co.jp/summer2004/ 本がとどくまで 岩波書店]
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