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{{出典の明記|date=2011年7月}}
[[File:Demonstration experiment of the permeable paving (2012.10.07).jpg|thumb|透水性舗装の実証実験の様子。上から掛けた水が、アスファルトの隙間を通って滴り落ちている]]
'''透水性舗装'''(とうすいせいほそう、{{En|permeable paving}})は、[[道路]]路面に降った雨水を舗装内の隙間から地中へ還元する機能を持った[[舗装]]構造である。
 
本項目では、類似する性格を持つ機能性舗装である'''排水性舗装'''(はいすいせいほそう)についても記す。
== 構造 ==
[[アスファルト]]舗装の場合、粘度の高い改質アスファルトを使用し、粗[[骨材]]の割合を高め空隙率を高めに設定する。
 
== 構造概要 ==
アスファルト舗装以外では、[[インターロッキングブロック]]舗装も透水性を持つ。
通常、舗装材料に用いられる[[アスファルト]]や[[コンクリート]]はその耐久性の観点から空隙率が小さく密実な材料ほど良質とされていることもあり、基本的にはほとんど水を通さない。しかし、敢えて空隙を与え、水を通しやすい構造とすることで[[雨水]]を舗装面にためず、地下に浸透させることで[[水たまり]]をなくすことを目的としたものが'''透水性舗装'''である。
 
アスファルト舗装の場合、粘度の高い改質アスファルトを使用し、粗[[骨材]]の割合を高め空隙率を高めに設定する。これによりアスファルト合材が[[粟おこし]]状の多孔質構造となり、透水性を持たせることができる。合材アスファルト舗装以外では、[[インターロッキングブロック]]舗装も透水性を持つ。
== 排水性舗装 ==
応用的な技術として、透水性舗装の下に不透水性舗装を敷き、透水性舗装部分を[[暗渠]]代わりにして雨水を側溝へ導く'''排水性舗装'''もある。一般的に透水性舗装は歩道部、排水性舗装は車道部に用いられている。
 
排水性舗装は雨水を地下に浸透させることを目的とするが、この場合は路床や路盤も透水性を持つことが前提となるため、路盤に透水性の高い材料を用い、場合によっては路床と路盤の間に透水性を高めるためのフィルター層(砂など)を挟む必要がある。しかし透水性の高さと支持力が相反することから、一般的には車道には不向きである。このため、透水性舗装を表層のみに使い、基層を通常の(透水性のない)舗装材料として舗装内で雨水を舗装内に仕込んだ排水溝(または[[暗渠]])へ処理する構造としている。これが'''排水性舗装'''である。
== 別名 ==
透水性舗装や排水性舗装のように空隙の多い舗装を総称して'''ポーラス舗装'''と称する。
 
舗装表面が多孔質 (porus) であることが前提となるため、排水性舗装と透水性舗装を統合して「'''ポーラス舗装'''」(ポーラスアスファルト舗装、[[ポーラスコンクリート]]舗装)と表現することもある。
[[ネクスコ|NEXCO]]は、高速道路に用いた排水性舗装を'''高機能舗装I型'''と称している。
 
[[ネクスコ|NEXCO]]は、高速道路に用いた排水性舗装を'''高機能舗装I型'''と称している。
菓子の「[[粟おこし]]」の様に表面が凸凹していることから「'''粟おこし舗装'''(実際に関係機関の説明文には「粟[[おこし]]のような…」の文言がある)」の[[通称]]もある。
 
== 利点 ==
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* [[大型車]]が走行をする道路では空隙がつぶれ、機能低下が生じる。このような現象は、走行車両の速度が遅いほど生じやすい。
* 通常の舗装補修で用いられるパッチング(破損部分だけを補修する手法)では、空隙をつぶしてしまうため、補修時には全面的な舗装の打ち換えが必須となる。
 
== 参考文献 ==
*{{Cite report|url=http://www.trpt.cst.nihon-u.ac.jp/ENVIRONMENT/2006_10_06.pdf|format=PDF|title=透水性舗装について―背景、構造、効果、施工場所―|author=[[日本大学]]理工学部社会交通工学科 環境工学研究室|accessdate=2015-03-28}}
 
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