「ティーパーティー運動」の版間の差分

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==== マサチューセッツの奇跡 ====
ティーパーティー運動がアメリカ政治の潮流として脚光を浴びたのは、[[2010年]][[1月19日]]、{{ルビ読み仮名|[[メディケア|医療保険]]|メディケア}}改革に熱心に取り組んでいた[[民主党 (アメリカ)|民主党]]の大物[[エドワード・ケネディ]][[アメリカ合衆国上院|上院議員]]の死去に伴う上院補欠選挙でのことであった。この[[マサチューセッツ州]]の議席は、民主党と[[ケネディ家]]が約半世紀守ってきた、いわゆる”牙城”であったが、これが無名の新人候補によって奪われたのである。
 
ティーパーティー・パトリオッツ<ref name="TPP"></ref>は、新人の[[スコット・ブラウン (政治家)|スコット・ブラウン]]候補を擁立し、共和党予備選で[[マサチューセッツ州]]で従来から指名候補者だったロビンソン候補を下馬評を覆す大差で破り、さらに本選でもブラウンはティーパーティー運動の支持を受けて、「[[カート・シリング]]は[[ニューヨーク・ヤンキース|ヤンキース]]ファン」との失言<ref group="#">{{Cite web|url=http://number.bunshun.jp/articles/-/13345?page=2 | author=李啓充 | publisher= NumberWeb |title=オバマを窮地に追い込んだ、レッドソックス・ファンの「怒り」。 |date=2010-02-03 |accessdate=2012-01-20}}</ref>をした民主党候補マーサ・コークリー<ref>( [[:en:Martha Coakley|Martha Coakley]] )</ref>州司法長官を破って当選した。これは「マサチューセッツの奇跡」とも呼ばれ、これによりマサチューセッツ州の上院議席のうち1つは一足早く[[2013年]]まで共和党のものとなり、上院の議事進行妨害行為を阻止するのに必要な安定多数である60議席を民主党は割ることになった。これで一時的ながら、医療保険改革に待ったをかけることに成功した<ref>結局は医療保険改革は議会を通過し、2010年3月23日に大統領の署名で発行した</ref>。
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==== 米大統領選共和党指名争い ====
[[Image:Michele Bachmann(by G Skidmore) crop.jpg|left|200px|thumb|[[2011年]][[3月23日]], [[アイオワ州]][[デモイン (アイオワ州)|デモイン]], 集会で手を振るバックマン]]2012年の大統領選に向けた選挙運動が始まる時期になっても、保守候補乱立の傾向があったためにティーパーティーの出足は鈍かった。ティーパーティーの支持は分裂し、一つの候補者に絞りきることができなかったからである。しかし第1回共和党候補者討論会でまず注目を集めたのは、後日正式に大統領選に立候補した'''[[ミシェル・バックマン]]'''下院議員<ref name="buck">共和党保守派の[[ミネソタ州]]選出下院議員(出身はアイオワ州ウォータールー)。5児の母で、23人の養子を育てたことをアピールする、元弁護士。彼女は下院議員選挙でそのペイリンの支持を受けて当選し、今も「友人」という。[[2011年]][[6月27日]]に正式に出馬した。([[:en:Michele Bachmann|Michele Bachmann]])</ref>であった。彼女は[[6月25日]]に行われた地元のデモイン・レジスターの世論調査で、支持率でトップを走るロムニー候補にアイオワ州で1%差と肉薄するなど<ref group="#">{{cite news | | url=http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-21915720110628 | title=共和党のバックマン米下院議員、次期大統領選に出馬表明 |publisher= ロイター |date=2011-06-28 |accessdate=2011-07-03}}</ref>、ティーパーティーの支持を集めて急浮上した。バックマンは当初は4番手以下の泡沫候補であったが、相次ぐ辞退表明もあって本命不在とされる中で、初の全国デビュー<ref group="#" name="dev">{{cite news | url=http://jp.wsj.com/US/Politics/node_249557 | title=共和党候補が第1回テレビ討論会―米大統領選の論戦スタート | publisher= WSJ |date=2011-06-14 |accessdate=2011-07-03}}</ref>となったテレビ討論会で視聴者に好印象を与えて頭角を現した。これまではサラ・ペイリンの"クローン"あるいは”コピー”などと評されていたが、スター性を兼ね備え、ペイリンよりもはっきりと分かりやすく話すことからポピュリストに好評<ref group="#">{{cite news | author=KEVIN SMITH | url=http://www.time.com/time/quotes/0,26174,2077856,00.html | title=Quotes of the Day(2011/6/15) | publisher= Time |date=2011-06-15 |accessdate=2011-07-03}}</ref>で、単純明快な主張([[医療保険制度改革 (アメリカ)|オバマケア]]廃止、「オバマは1期限りの大統領」<ref group="#">{{cite news | url=http://www.47news.jp/CN/201106/CN2011062701001215.html| title=米大統領選、バックマン氏が出馬 超保守、正式に表明 | publisher= 47NEWS |date=2011-06-28 |accessdate=2011-07-03}}</ref>など)が一般受けしたことで、支持を伸ばした。バックマン氏は、簡単に税金を使って、貧しい人を救うという考えは、社会主義のイデオロギーそのものであり、オバマ大統領の政治がそれであるとし、赤字を増やし国を壊してしまうと主張した。ただし髪の色やスタイルばかりではなく<ref group="#">{{cite news | url=http://www.afpbb.com/article/politics/2803763/7291563 | title=ペイリンvsバックマン、注目集める2人の共和党女性 米国 | publisher= APFBBNews |date=2011-06-03 |accessdate=2011-07-03}}</ref>、失言癖までペイリンそっくりで、立候補表明の翌日の[[6月28日]]、FOXテレビのインタビューで俳優[[ジョン・ウェイン]]と殺人鬼[[ジョン・ゲイシー|ジョン・ウェイン・ゲイシー]]を取り違えて発言し<ref group="#">{{Cite news|url=http://www.afpbb.com/article/politics/2809125/7440354 | title=米共和党バックマン氏、俳優ジョン・ウェインと殺人鬼を間違える | publisher=AFPBBnews | date=2011-06-28 |accessdate=2011-07-01}}</ref>、「彼と私は同じ精神を共有している」と言って周囲を驚かせた<ref>同姓同名の人物の出身地、[[ウィンターセット (アイオワ州)|ウィンターセット]]と[[:en:Waterloo, Iowa|ウォータールー]]を取り違えた単純なミスであるが、バックマンの言った通りなら「彼=ゲイシー」を意味するため、殺人鬼と同じ精神を共有するということになると、揚げ足を取られた。それでアンカーマンに「あなたは{{safesubst:ルビ|奇人|クレイジー}}ですか?」と聞き返されるはめになった</ref><ref group="#">{{cite web|url=http://jp.wsj.com/US/Politics/node_265977 |title=【津山恵子のアメリカ最新事情】235回目の独立記念日、米国人の「選挙」への思い |publisher=WSJ日本版 | date=2011-07-06 | accessdate=2011-07-07 | author=津山恵子}}</ref>。2番手に躍進すると報道も過熱し、夫が経営するクリニックで同性愛者を異性愛者にする矯正治療が行われたとする疑惑や、彼女の強い[[片頭痛]]という健康面の不安もリークされた。
 
バックマンは、イメージが低下したペイリンに代わる存在<ref group="#">{{Cite news|url=http://www.newsweekjapan.jp/reizei/2011/01/post-249.php | title=「超党派合意」は議会制民主主義でも可能か? | author=冷泉彰彦 | publisher=Newsweek日本版 | date=2011-01-28 |accessdate=2011-06-01}}</ref>と評価され、世論調査でも実際にペイリン票を吸収したとみられることから、前述の[[#ストップ・ロムニー運動|ストップ・ロムニー運動]]の行方と合わせて、ティーパーティー運動が再燃するための核になれるか、期待が集まったが、模擬投票での勝者は本投票では勝てないのジンクス通り、政策面で支持は伸び悩み、その後、テキサス州知事[[リック・ペリー]]([[新保守主義|新保守]]系)が立候補すると右派の票を奪われてバックマンは3位以下に後退し、最終的には翌年のアイオワ州党員集会で宗教保守の[[リック・サントラム]]候補に右派の票が大挙して流れたことから、バックマンは敗北して選挙戦から撤退した。