削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
162行目:
手紙の表面で目立つ存在であるため、単なる料金支払済の証明の意味を超え、古くから様々な図案が施されてきた。デザインも国家元首の肖像や国章といったデザインから風景や動植物が登場し、さらに印刷技術の進歩に伴い、絵柄の美しいもの、バラエティに富んだものが発行されるようになり、世界各国で多くの人々が、[[趣味]]として切手を収集(蒐集)している[[切手収集]]([[郵趣]])が盛んになった。
 
そのため国によっては、切手の発行が収入源となっていたり、実際に郵便に使われることのないような切手を発行することが行われるようになった。そのため、国家規模が矮小な[[サンマリノ]]、[[リヒテンシュタイン]]、[[ツバル]]、[[グレナダ]]といった国々では国家収入にしめる切手の販売収入の割合が無視できないほど高いほか、郵便事業の赤字補填のために切手収集家に便宜をはかる国も少なくない。また国際的行事([[近代オリンピック]])に便乗して発行する場合のほか、人々の関心を集めるような美しいデザインの切手を発行する場合もある。そのため、なかには1980年代に[[共産主義]]国である[[朝鮮民主主義人民共和国]](北朝鮮)がイギリスのチャールズ皇太子成婚を記念する切手が発行されたこともあった。ただし、収入源として切手に目を付ける行為は、今に始まったことではなく、例えば明治時代初期の日本では、海外からの注文に応じて当時の普通切手を増刷、未使用のシートのまま輸出していた。
 
また、切手を商売とするエージェント(企業)に切手の製造・販売を行う権利自体を与えてしまうような場合もある。1960年代から70年代にかけ、現在は[[アラブ首長国連邦]]の構成国となっている首長国が、切手発行権を企業にゆだねていた。そして、これらイスラム教国では発行されるはずもないヌード切手などを乱造濫発したため、世界中の切手収集家から顰蹙を買った。そのため現在でも、「[[土侯国切手]]」として正規の切手とは見なされない場合もある。