削除された内容 追加された内容
m編集の要約なし
1行目:
{{出典の明記|date=2014年2月}}
'''釉薬'''(ゆうやく、うわぐすり、'''釉'''、'''上薬'''、{{Lang-en|glaze}})とは、[[陶磁器]]や[[琺瑯]]の表面をおおっている[[ガラス|ガラス質]]の部分である。陶磁器などを製作する際、[[粘土]]等を成形した器の表面にかける[[薬品]]のこと。粘土や[[灰]]などを[[水]]に[[懸濁液|懸濁させた液体]]が用いられる。
 
== 陶磁器 ==
9行目:
昔の釉薬は、[[粘土]]を水で溶いたものに[[木灰]]・[[藁灰]]を加えたもので、灰や粘土の中に含まれる[[金属]]成分によって色が付いていた。しかし、この方法では、望む色が付かなかったり、色むらができたりしてしまっていたため、現在では、あらかじめ金属成分を溶かしいれ、[[絵具]]のように用い素焼きの陶磁器に模様を付ける(絵付けと呼ばれる)。
 
木灰については、[[薪ストーブ]]・薪を使った焼成窯などから比較的簡単に量を得られる。[[藁]]については、20世紀末期から稲の収穫時に[[コンバイン]]を用いる水田農家が増え、藁をすぐに田に還元してしまうため、入手にひと手間かかる状況になっている。このため、陶芸家の中には、農家と契約し安定的に藁を供給してもらっている者もいる。このような手間をかけて自己で灰から釉薬を作るのは陶芸家のこだわりそのものといえるが、分業化の進行とともに一般的でなくなってきている。
 
== 主な種類 ==
18行目:
陶磁器と同じように釉薬を塗って焼成するものに、'''琺瑯'''(ほうろう)がある。ただ琺瑯は陶磁器と違い、下地に金属を使用している。また、陶器が保水性の確保のために施釉(”せゆう”と読む、釉薬を塗る、または釉薬に漬けること)するのに対し、これらの場合は主に金属の[[酸化]]を防ぐために行われている。琺瑯の多くは、実用的な[[鍋]]や[[漬け物]][[樽]]等に使用されており、軽いことなどから多くの家庭で使用されているが、琺瑯は衝撃などで釉が剥がれ落ちることがあり、扱いには十分注意を払わないといけない。
 
琺瑯特性の光沢や色合いを生かして、金属に繊細な絵付けを施し焼成したものも存在している。これは、[[七宝焼き]](しっぽうやき)と呼ばれるもので、実用的な使われ方よりも、女性の[[アクセサリー]]や、男性の[[ネクタイピン]]などの[[装飾品]]として使用されることが多い。
 
== 外部リンク ==