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「時津風 (陽炎型駆逐艦)」の版間の差分

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参考文献追加、ガ島戦について補足
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'''時津風'''（ときつかぜ）は、[[大日本帝国海軍|日本海軍]]の[[駆逐艦]]<ref name="S14達138号">[[#達昭和14年8月]]p.30『達第百三十八號　艦艇製造費ヲ以テ昭和十三年度及同十四年度ニ於テ建造ニ着手ノ砲艦一隻及驅逐艦二隻ニ左ノ通命名ス　昭和十四年八月二十五日　海軍大臣米内光政｜株式會社藤永田造船所ニ於テ建造　砲艦　 隅田(スミダ)｜舞鶴海軍工廠ニ於テ建造　驅逐艦　 天津風(アマツカゼ)｜浦賀船渠株式會社ニ於テ建造　驅逐艦　 時津風(トキツカゼ)』</ref>。[[陽炎型駆逐艦]]の10番艦である<ref>[[#昭和16年12月31日現在10版内令提要追録第10号原稿巻2.3]]p.8『驅逐艦|一等|陽炎型|陽炎、不知火、黒潮、親潮、早潮、夏潮、初風、雪風、天津風、時津風、浦風、磯風、濱風、谷風、野分、嵐、萩風、舞風、秋雲』</ref>。
この名を持つ日本海軍の艦船としては2隻目（初代は[[磯風型駆逐艦]]の「[[時津風_(磯風型駆逐艦)|時津風]]」）。
 
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太平洋戦争緒戦、第16駆逐隊を含む第二水雷戦隊は南方攻略作戦に投入され、各方面で順調に活動を続けた。フィリピン攻略に目途がつくと、第二水雷戦隊は[[蘭印作戦]]に投入された。日本軍の快進撃が続く中、数隻の駆逐艦が沈没した。1942年（昭和17年）2月9日、二水戦/第15駆逐隊より「[[夏潮 (駆逐艦)|夏潮]]」が米潜水艦の雷撃により沈没し、陽炎型駆逐艦最初の喪失艦となった。
2月27日、「時津風」は[[スラバヤ沖海戦]]に参加。戦闘後、「時津風」は沈没した連合軍艦艇将兵を救助した<ref>[[#陽炎型、2014]]137頁</ref>。
4月、「時津風」は第1哨戒艦隊司令官[[西川速水]]大佐率いる第二掩護部隊の指揮下に入り、ニューギニア方面攻略作戦に従事<ref>[[#昭和16年11月～第1号哨戒艇日誌(5)]]p.3『前月末ヨリ引続キ第1号、第2号、第38号、第39号哨戒艇ヲ率ヰN攻略部隊掩護部隊トシテニューギニア攻略掃討作戦ニ従事ス。1日セラム島ブラ攻略並ニ資源調査ヲ終了シ第二掩護部隊指揮官トシ第二掩護部隊(第1号哨戒艇、第39号哨戒艇並ニ時津風)ヲ率ヰ北陸丸ヲ護衛シテブラ出撃途中大興丸ト合同2日0600ニューギニア島バボ冲ニ進入、佐世保特別陸戦隊ヲ揚陸シテ之ヲ占領掃蕩シ資源調査ヲ行フ』</ref>。第11航空戦隊の[[水上機母艦]]「[[千歳 (空母)|千歳]]」等とも行動を共にした<ref>[[#昭和16年11月～第1号哨戒艇日誌(5)]]p.37『11sf司令官18日1230→哨1.哨39.時津風.千歳/哨1、哨39ハナルベク14節以上ヲ以テ直ニ進撃スベシ、針路視界不良ナラザル限リクルドウ海峡中央ヨリ50度53浬、100度75浬、25度135浬後適宜時津風ハ千歳ト共ニ行動スベシ。千歳ハ特陸搭載以後當地發同様ノ針路ニテ進撃ス』</ref>。6月上旬の[[ミッドウェー海戦|ミッドウェー作戦]]では陸軍[[第7師団 (日本軍)|一木支隊]]及び[[海軍陸戦隊]]輸送船団護衛のため、米軍艦隊と直接交戦する機会はなかった。
 
7月14日、艦隊再編成により「時津風」以下第16駆逐隊は第十戦隊（司令官[[木村進 (海軍軍人)|木村進]]少将：旗艦「[[長良 (軽巡洋艦)|長良]]」）に編入された<ref>[[#戦隊行動調書]]pp.10, 35-36</ref>。16駆加入までの第十戦隊は、第7駆逐隊の[[吹雪型駆逐艦]]3隻（[[曙 (吹雪型駆逐艦)|曙]]、[[潮 (吹雪型駆逐艦)|潮]]、[[漣 (吹雪型駆逐艦)|漣]]）、第10駆逐隊の[[夕雲型駆逐艦]]4隻（[[秋雲 (駆逐艦)|秋雲]]、[[夕雲 (駆逐艦)|夕雲]]、[[巻雲 (夕雲型駆逐艦)|巻雲]]、[[風雲 (駆逐艦)|風雲]]）、第17駆逐隊の陽炎型駆逐艦4隻（[[浦風 (陽炎型駆逐艦)|浦風]]、[[磯風 (陽炎型駆逐艦)|磯風]]、[[谷風 (陽炎型駆逐艦)|谷風]]、[[浜風 (陽炎型駆逐艦)|浜風]]）で編制されていた<ref>[[#ミッドウエー海戦日誌(1)]]p.3『聯合艦隊編制表(六月一日現在)』</ref>。
7月下旬、第16駆逐隊第1小隊（雪風、時津風）は輸送船「南海丸」を護衛して[[ラバウル]]に向かう。途中、ラバウルへ進出中の[[第八艦隊 (日本海軍)|第八艦隊]]（司令長官[[三川軍一]]中将）旗艦「[[鳥海 (重巡洋艦)|鳥海]]」と合同した<ref>[[#戦史叢書中部太平洋方面海軍作戦(2)]]71頁</ref>。7月29日、第9駆逐隊第1小隊（[[朝雲 (駆逐艦)|朝雲]]、[[夏雲 (駆逐艦)|夏雲]]）は「鳥海」護衛任務を「雪風、時津風」に引き継ぐと横須賀へ帰投した<ref>[[#昭和17年9月～第8艦隊日誌(1)]]p.43『7月29日1306　直衛(1D/9dg)ハ1D/16dg(雪風、時津風)ト交代、1D/9dgハ反転横須賀ニ向フ』</ref>。3隻「鳥海、雪風、時津風」は30日15時ラバウル着<ref>[[#昭和17年9月～第8艦隊日誌(1)]]p.44『7月30日1500鳥海雪風時津風ヲ率ヒ「ラバウル」着｜1600将旗ヲ鳥海ヨリ陸上庁舎ニ移揚』</ref>。「鳥海」と分離すると、を残して「雪風、時津風」はトラック泊地に戻った。
その後、2隻は工作艦「[[明石 (工作艦)|明石]]」と、[[ミッドウェー海戦]]で大破した第七戦隊の重巡洋艦「[[最上 (重巡洋艦)|最上]]」を護衛して8月5日トラック出港、8月11日に呉へ戻った<ref>[[#戦史叢書中部太平洋方面海軍作戦(2)]]74頁</ref>。

=== ガダルカナル島の戦い ===
「雪風、時津風」が護衛任務に従事している間に米軍は[[ガダルカナル島]]と[[フロリダ諸島]]に上陸を開始、8月7日以降[[ガダルカナル島の戦い]]がはじまる。第16駆逐隊（初風、天津風、時津風）は[[第三艦隊 (日本海軍)|第三艦隊]]（司令長官[[南雲忠一]]中将）と合流すると、[[第一航空戦隊]]の空母3隻（[[翔鶴 (空母)|翔鶴]]、[[瑞鶴 (空母)|瑞鶴]]、龍驤）を護衛し、ガダルカナル島へ向かった。
 
{{Main|龍驤 (空母)#第二次ソロモン海戦}}
8月24日～25日の[[第二次ソロモン海戦]]で、「時津風」は空母「龍驤」及び第八戦隊（司令官[[原忠一]]少将）の重巡洋艦「[[利根 (重巡洋艦)|利根]]」、16駆僚艦「天津風」と共に支隊を編制し、「龍驤」を護衛する。24日、米軍機動部隊艦載機の攻撃で「龍驤」は沈没。「利根、時津風」は「利根、天津風」とは共同してで龍驤乗組員および不時着機搭乗員の救助を行った<ref>[[#陽炎型、2014]]138-139頁『龍驤を直衛した南太平洋海戦』</ref>。
 
10月上旬、「時津風」は駆逐艦「[[漣 (吹雪型駆逐艦)|漣]]」と共に空母「[[大鷹 (空母)|大鷹]]」(9月28日被雷して損傷中)を護衛して内地へ帰投することになった。「大鷹」は9月28日に米潜水艦に雷撃されて損傷していた。「大鷹、時津風、漣」は10月4日にトラックを出発し、14日呉着<ref>[[#昭和17年9月～大鷹詳報(1)]]p.28『4日|一.駆逐艦曙漣警戒呉ニ向ケ出港　二.警戒航行|一.1045大鷹機密第040705番電(大鷹、時津風、漣)行動予定GF参謀長横鎮参謀長宛報告』、p.29『損傷箇所修理ノタメ4日トラック発呉ニ回航14日呉着』</ref>。到着と共に「時津風」は「大鷹」の指揮下を離れた<ref>[[#昭和17年9月～大鷹詳報(1)]]p.29『8日|0850(略)大鷹内地帰着後時津風本艦警戒任務解除ノ命令受領』</ref>。再びトラック泊地へ戻ると、10月26日の[[南太平洋海戦]]に南雲機動部隊（翔鶴、瑞鶴、瑞鳳）の直衛艦として参加<ref name="叢書(83)273">[[#戦史叢書83ガ島戦]]273-274頁『支援部隊の編制』</ref>。重巡「[[熊野 (重巡洋艦)|熊野]]」、駆逐艦「照月、嵐、舞風、浜風、時津風、雪風、初風、天津風」は空母3隻を護衛して米軍機動部隊艦載機と交戦した<ref name="叢書(83)273"/>。▼
 
11月4日、「時津風、初風」は空母「瑞鶴」、と重巡洋艦「[[妙高 (重巡洋艦)|妙高]]」、16駆僚艦「初風」と共にを護衛してトラックを出港、日本本土へ向かう<ref>[[#昭和17年6月～第5戦隊日誌(3)]]p.9『5S(羽黒欠)ハ「トラツク」ニ於テ警戒待機中ノ處命ニ依リ修理整備ノ為11月4日3F(瑞鶴、時津風、初風)ト共ニ「トラツク」発9日豊後水道ニ於テ瑞鶴初風ト分離下関海峡ヲ通リ同夕刻時津風ヲ分離セシメ10日朝佐世保着修理整備作業ニ従事ス』</ref>。9日午前9時、[[豊後水道]]で「瑞鶴、初風」と分離、[[下関海峡]]通過後、[[佐世保]]入港前の午後6時に「妙高」と分離した<ref>[[#昭和17年6月～第5戦隊日誌(3)]]p.16『11月9日/0900　豊後水道通過1sfト分離　時津風ヲ警戒艦ニ附ス　1430下関海峡通過　1800時津風ヲ解列　1900佐世保掃海水道ニ入ル』</ref>。なお佐世保には既に重巡「[[羽黒 (重巡洋艦)|羽黒]]」、第17駆逐隊第2小隊([[磯風 (陽炎型駆逐艦)|磯風]]、[[浜風 (陽炎型駆逐艦)|浜風]]）が修理に従事しており、「時津風」の龍鳳護衛任務直前に横須賀を経由してトラックへ向かっている<ref>[[#昭和17年6月～第5戦隊日誌(3)]]p.10『11月27日妙高羽黒共ニ工事竝ニ出撃準備完成セルヲ以テ(略)5S、2D/17dgヲ率ヰ佐世保発29日横須賀着急速輸送物件搭載ノ上30日「トラック」ニ向ケ横須賀ヲ出撃ス』</ref>。▼
▲10月上旬、「時津風」は駆逐艦「[[漣 (吹雪型駆逐艦)|漣]]」と共に空母「[[大鷹 (空母)|大鷹]]」を護衛して内地へ帰投することになった。「大鷹」は9月28日に米潜水艦に雷撃されて損傷していた。「大鷹、時津風、漣」は10月4日にトラックを出発し、14日呉着<ref>[[#昭和17年9月～大鷹詳報(1)]]p.28『4日|一.駆逐艦曙漣警戒呉ニ向ケ出港　二.警戒航行|一.1045大鷹機密第040705番電(大鷹、時津風、漣)行動予定GF参謀長横鎮参謀長宛報告』、p.29『損傷箇所修理ノタメ4日トラック発呉ニ回航14日呉着』</ref>。到着と共に「時津風」は「大鷹」の指揮下を離れた<ref>[[#昭和17年9月～大鷹詳報(1)]]p.29『8日|0850(略)大鷹内地帰着後時津風本艦警戒任務解除ノ命令受領』</ref>。再びトラック泊地へ戻ると、10月26日の[[南太平洋海戦]]に南雲機動部隊（翔鶴、瑞鶴、瑞鳳）の直衛艦として参加。「[[熊野 (重巡洋艦)|熊野]]、照月、嵐、浜風、時津風、雪風、初風、天津風」は空母3隻を護衛して米軍機動部隊艦載機と交戦した。
 
12月上旬、空母「[[龍鳳 (空母)|龍鳳]]、[[冲鷹 (空母)|冲鷹]]」が横須賀からトラック泊地へ航空機（陸軍の[[九九式双発軽爆撃機]]）と物資を輸送する事になり<ref name="叢書(83)410">[[#戦史叢書83ガ島戦]]410頁</ref>、その護衛駆逐艦に「時津風」と「、[[卯月 (睦月型駆逐艦)|卯月]]」がは空母2隻の護衛に指定された<ref>[[#戦史叢書中部太平洋方面海軍作戦(2)]]217頁</ref>。「時津風」は途中で「龍鳳」と分離しサイパンへ向い<ref>[[#昭和17年12月～4水戦日誌(2)]]pp.14-15『8日0615竜鳳→各隊/発竜鳳艦長 一.竜鳳沖鷹卯月ノ行動予定ヲ左ノ通定ム 12月10日1500横須賀発12日1200地点モヨコ44　15日1200地点ヲシタ43ヲ経テ16日0500「トラック」北水道着　二.時津風ハ×××?ノ警戒ニ任ジ14日1200地点ヤカツ33ニ於テ分離「サイパン」ニ回航セシム　三.3sdノ駆逐艦2隻ハ14日1200前記地点ニテ爾後「トラック」迄警戒ニ任ゼシム会合時ノ針路160°速力15節』</ref>、トラック泊地からは駆逐艦「[[朝雲 (駆逐艦)|朝雲]]、[[時雨 (白露型駆逐艦)|時雨]]」が「龍鳳」を出迎える予定であった<ref>[[#昭和17年12月～4水戦日誌(2)]]p.16『11日1116龍鳳→各隊/発竜鳳艦長　一.竜鳳ハ時津風ヲ率ヒ竜鳳キデ101301番電通行動ス　二.冲鷹ハ主給水ポンプ故障ノ為出港ヲ延期シ12日復旧後卯月ヲ率ヒ艦長所定ニ依リ行動セシム　三.朝雲時雨ハ15日1200竜鳳ニ会合予定ノ通警戒ニ任ズ』</ref>。12月11日、だが「龍鳳、時津風沖鷹」は横須賀を機械故障のため出港したがおくれ、翌日に米潜水艦「[[ドラム (潜水艦)|ドラム]]」の雷撃を受けて「龍鳳」は中破<ref>[[#昭和17年12月～4水戦日誌(2)]]p.17『12日1012竜鳳→各隊/竜鳳キデ121012番電　発竜鳳艦長　我雷撃ヲ受ケ魚雷一本命中地点ハノク19』</ref><ref>[[#日本空母戦史]]430-431頁『竜鳳の竣工(十一月三十日)』</ref>。「龍鳳、時津風」は横須賀に引き返した<ref>[[#昭和17年12月～4水戦日誌(2)]]p.17『12日1058竜鳳→各隊/右舷中部ニ浸水アルモ単独航み先行ニ差支ナシ横須賀ニ引返ス　警戒ニ関シ御手配ヲ乞フ』する</ref>。結局「冲鷹、卯月」のみがトラック泊地に向かい、「朝雲、時雨」と合同した。また「龍鳳」が運搬するはずだった九九式軽爆22機を輸送するために空母「[[瑞鶴 name="叢書(空母83)|瑞鶴]]」が指定され、同艦は12月31日横須賀を出発、翌年1月4日トラック泊地に到着した<ref>[[#日本空母戦史]]432頁<410"/ref>。「時津風、初風」は「瑞鶴」を護衛して共にトラック泊地へ進出、同地で「瑞鶴」と分離するとラバウル方面へ移動した<ref>[[#陽炎型、2014]]116頁</ref>。▼
▲11月4日、「時津風」は空母「瑞鶴」、重巡洋艦「[[妙高 (重巡洋艦)|妙高]]」、16駆僚艦「初風」と共にトラックを出港、日本本土へ向かう<ref>[[#昭和17年6月～第5戦隊日誌(3)]]p.9『5S(羽黒欠)ハ「トラツク」ニ於テ警戒待機中ノ處命ニ依リ修理整備ノ為11月4日3F(瑞鶴、時津風、初風)ト共ニ「トラツク」発9日豊後水道ニ於テ瑞鶴初風ト分離下関海峡ヲ通リ同夕刻時津風ヲ分離セシメ10日朝佐世保着修理整備作業ニ従事ス』</ref>。9日午前9時、[[豊後水道]]で「瑞鶴、初風」と分離、[[下関海峡]]通過後、[[佐世保]]入港前の午後6時に「妙高」と分離した<ref>[[#昭和17年6月～第5戦隊日誌(3)]]p.16『11月9日/0900　豊後水道通過1sfト分離　時津風ヲ警戒艦ニ附ス　1430下関海峡通過　1800時津風ヲ解列　1900佐世保掃海水道ニ入ル』</ref>。なお佐世保には既に重巡「[[羽黒 (重巡洋艦)|羽黒]]」、第17駆逐隊第2小隊([[磯風 (陽炎型駆逐艦)|磯風]]、[[浜風 (陽炎型駆逐艦)|浜風]]）が修理に従事しており、「時津風」の龍鳳護衛任務直前に横須賀を経由してトラックへ向かっている<ref>[[#昭和17年6月～第5戦隊日誌(3)]]p.10『11月27日妙高羽黒共ニ工事竝ニ出撃準備完成セルヲ以テ(略)5S、2D/17dgヲ率ヰ佐世保発29日横須賀着急速輸送物件搭載ノ上30日「トラック」ニ向ケ横須賀ヲ出撃ス』</ref>。
12月11日、「龍鳳、時津風」は横須賀を出港したが、翌日に米潜水艦「[[ドラム (潜水艦)|ドラム]]」の雷撃を受けて「龍鳳」は中破<ref>[[#昭和17年12月～4水戦日誌(2)]]p.17『12日1012竜鳳→各隊/竜鳳キデ121012番電　発竜鳳艦長　我雷撃ヲ受ケ魚雷一本命中地点ハノク19』</ref><ref>[[#日本空母戦史]]430-431頁『竜鳳の竣工(十一月三十日)』</ref>。「龍鳳、時津風」は横須賀に引き返した<ref>[[#昭和17年12月～4水戦日誌(2)]]p.17『12日1058竜鳳→各隊/右舷中部ニ浸水アルモ単独航行ニ差支ナシ横須賀ニ引返ス　警戒ニ関シ御手配ヲ乞フ』</ref>。結局「冲鷹、卯月」のみがトラック泊地に向かい、「朝雲、時雨」と合同した。また「龍鳳」が運搬するはずだった九九式軽爆20余機を輸送する空母として「[[瑞鶴 (空母)|瑞鶴]]」が指定される<ref name="叢書(83)410"/>。12月31日、第16駆逐隊「時津風、[[初風 (駆逐艦)|初風]]」は[[秋月型駆逐艦]]「[[秋月 (駆逐艦)|秋月]]」と共に「瑞鶴」を護衛して横須賀を出発、1月4日トラック泊地に到着<ref name="叢書(83)507">[[#戦史叢書83ガ島戦]]507頁</ref>。「秋月、時津風、初風」は前進部隊に編入され、「瑞鶴」は戦艦「[[陸奥 (戦艦)|陸奥]]」等と共に内地へ戻った<ref name="叢書(83)507"/>。
 
[[1943年]]（昭和18年）1月10-11上旬、日本海軍はガダルカナル島からの撤収作戦を準備していた。同時期、第16最前線で常に活動していた駆逐隊2隻（時津艦「陽炎、親潮、長波、涼風」の修理が必要となり、代艦として「秋月、[[初風、時津風」の南東方面部隊編入を命じた<ref name="叢書(駆逐艦83)|初風512">[[#戦史叢書83ガ島戦]]）512-513頁</ref>。「初風、時津風」は1月7日トラックを出発、9日ショートランド泊地着<ref name="叢書(83)512"/>。1月10-11日、第六次ガダルカナル島輸送作戦（[[鼠輸送]]）に参加する<ref name="叢書(83)512"/>。駆逐艦8隻（[[黒潮 (駆逐艦)|黒潮]]、[[巻波 (駆逐艦)|巻波]]、[[江風 (白露型駆逐艦)|江風]]、[[嵐 (駆逐艦)|嵐]]、[[大潮 (駆逐艦)|大潮]]、[[荒潮 (駆逐艦)|荒潮]]、初風、時津風）が参加しており、輸送隊は[[小発動艇]]2隻を曳航しドラム缶150個を積み込んでいた<ref>[[#昭和17年9月～第8艦隊日誌(4)]]p.25『江風、黒潮、嵐、巻波、大潮、荒潮、長波、初風、時津風｜1-10｜各艦「ドラム」罐150、小発2隻「エスペランス」揚陸ヲ実施ス　2300作業終了ス　戦果：魚雷艇3隻撃沈、飛行艇1機撃墜』</ref>。指揮官は第二水雷戦隊司令官[[小柳富次]]少将で、第15駆逐隊「[[黒潮 (駆逐艦)|黒潮]]」から指揮をとる<ref>[[#昭和18年1月～2水戦日誌(1)]]p.8『第六次「ガ」島輸送｜10日11日｜2sd司令部、黒潮、巻波、24dg(江風)、4dg(嵐)、8dg(大潮、荒潮)、16dg(初風、時津風)｜初風魚雷艇ノ雷撃ヲ受ケ大破』</ref>。駆逐艦8隻は、一群警戒隊（江風→黒潮→初風→時津風）と、二群輸送隊（嵐→巻波→大潮→荒潮）に分離し、それぞれが単縦陣を形成していた<ref>[[#昭和18年1月～2水戦日誌(1)]]pp.29-30『1月10日合戦図　天候曇　視界3乃至4粁　月出2010　月齢3.5』</ref>。午後10時以降、輸送隊はガダルカナル島エスペランス岬周辺海域で米軍魚雷艇と交戦する。22時47分、「初風」が魚雷1本を被雷して大破<ref>[[#昭和18年1月～2水戦日誌(1)]]p.17『三.2240同右「エスペランス」着魚雷艇7隻飛行艇2機ト交戦、魚雷艇3隻撃沈(時津風2、嵐1)同1撃破(荒潮)PBY飛行艇1撃墜(時津風)｜2247初風ニ魚雷1命中大破、戦死8戦傷12』</ref>。通信装置と操舵装置が故障した<ref>[[#昭和18年1月～2水戦日誌(2)]]p.57『16dg司令11日1132/初風10日2247サボ島ノ190度7.5浬ニ於テ敵魚雷艇2隻ノ襲撃ヲ受ケ魚雷1士官室下方ニ命中、2・4區浸水、操舵装置転輪羅針儀通信装置全部方位盤故障尚損害調査中、目下(嵐、江風、時津風護衛)速力18節ニテショートランドニ向ケ航行中味方機上空ニアリ、戦死者8名重傷者3名軽傷者士官以下8名』</ref>。「時津風」は米軍魚雷艇2隻撃沈、飛行艇1隻撃墜を報告した<ref>[[#昭和18年1月～2水戦日誌(2)]]p.35『2246時津風魚雷艇1隻砲撃々沈｜2302時津風魚雷艇1隻照射砲撃撃沈｜0002時津風PBY飛行艇1機撃墜』</ref>。▼
▲12月上旬、空母「[[龍鳳 (空母)|龍鳳]]、[[冲鷹 (空母)|冲鷹]]」が横須賀からトラック泊地へ航空機（陸軍の[[九九式双発軽爆撃機]]）と物資を輸送する事になり、その護衛艦に「時津風」と「[[卯月 (睦月型駆逐艦)|卯月]]」が指定された<ref>[[#戦史叢書中部太平洋方面海軍作戦(2)]]217頁</ref>。「時津風」は途中で「龍鳳」と分離しサイパンへ向い<ref>[[#昭和17年12月～4水戦日誌(2)]]pp.14-15『8日0615竜鳳→各隊/発竜鳳艦長 一.竜鳳沖鷹卯月ノ行動予定ヲ左ノ通定ム 12月10日1500横須賀発12日1200地点モヨコ44　15日1200地点ヲシタ43ヲ経テ16日0500「トラック」北水道着　二.時津風ハ×××?ノ警戒ニ任ジ14日1200地点ヤカツ33ニ於テ分離「サイパン」ニ回航セシム　三.3sdノ駆逐艦2隻ハ14日1200前記地点ニテ爾後「トラック」迄警戒ニ任ゼシム会合時ノ針路160°速力15節』</ref>、トラック泊地からは駆逐艦「[[朝雲 (駆逐艦)|朝雲]]、[[時雨 (白露型駆逐艦)|時雨]]」が「龍鳳」を出迎える予定であった<ref>[[#昭和17年12月～4水戦日誌(2)]]p.16『11日1116龍鳳→各隊/発竜鳳艦長　一.竜鳳ハ時津風ヲ率ヒ竜鳳キデ101301番電通行動ス　二.冲鷹ハ主給水ポンプ故障ノ為出港ヲ延期シ12日復旧後卯月ヲ率ヒ艦長所定ニ依リ行動セシム　三.朝雲時雨ハ15日1200竜鳳ニ会合予定ノ通警戒ニ任ズ』</ref>。12月11日、「龍鳳、時津風」は横須賀を出港したが、翌日に米潜水艦「[[ドラム (潜水艦)|ドラム]]」の雷撃を受けて「龍鳳」は中破<ref>[[#昭和17年12月～4水戦日誌(2)]]p.17『12日1012竜鳳→各隊/竜鳳キデ121012番電　発竜鳳艦長　我雷撃ヲ受ケ魚雷一本命中地点ハノク19』</ref><ref>[[#日本空母戦史]]430-431頁『竜鳳の竣工(十一月三十日)』</ref>。「龍鳳、時津風」は横須賀に引き返した<ref>[[#昭和17年12月～4水戦日誌(2)]]p.17『12日1058竜鳳→各隊/右舷中部ニ浸水アルモ単独航行ニ差支ナシ横須賀ニ引返ス　警戒ニ関シ御手配ヲ乞フ』</ref>。結局「冲鷹、卯月」のみがトラック泊地に向かい、「朝雲、時雨」と合同した。また「龍鳳」が運搬するはずだった九九式軽爆22機を輸送するために空母「[[瑞鶴 (空母)|瑞鶴]]」が指定され、同艦は12月31日横須賀を出発、翌年1月4日トラック泊地に到着した<ref>[[#日本空母戦史]]432頁</ref>。「時津風、初風」は「瑞鶴」を護衛して共にトラック泊地へ進出、同地で「瑞鶴」と分離するとラバウル方面へ移動した<ref>[[#陽炎型、2014]]116頁</ref>。
その後、第1組（黒潮、巻波、大潮、荒潮）は速力30ノットでガダルカナル島海域を離脱<ref>[[#昭和18年1月～2水戦日誌(2)]]p.37『0042/第一組(黒潮、大潮、荒潮、巻波)速力30節』</ref>。陽炎型「嵐」に座乗する第4駆逐隊司令官[[有賀幸作]]大佐（嵐座乗）は、「嵐、時津風、江風」の3隻を率いて最大発揮速力10-16ノット限度の「初風」護衛にあたり、11日夕刻にショートランド泊地へ到着した<ref>[[#昭和18年1月～2水戦日誌(1)]]p.18『五.2310揚陸作業終了(「ドラム」缶600個投入)黒潮外3隻先行、嵐・江風・時津風ハ護衛実速約16節ニテ「ショートランド」ニ向フ』-『11日/六.1830嵐、江風、初風、時津風「ショートランド」皈着』</ref><ref name="叢書(83)512"/>。「時津風」以下4隻の帰還は小柳司令官に大きな感銘をあたえ、護衛した3隻の艦名を記載したうえで『特に嵐(第4駆逐隊司令)、江風(第24駆逐隊司令)、時津風は損傷艦初風を護衛し友軍機の協力と相俟って長途離脱に成功し功績極めて顕著なりと認む』と直々に言及している<ref>[[#昭和18年1月～2水戦日誌(2)]]p.40『輸送部隊ハ遠ク敵制空権下ニ進出シ敵水上部隊ノ出現ヲ厳戒シツツ既ニ泊地ニ潜入待機中ノ魚雷艇7隻及哨戒機2機ト交戦シ混戦中ノ輸送ヲ強行シテ前記ノ如キ成果ヲ収メ其ノ功績顕著ナリ。特ニ嵐(将旗4dg)、江風(将旗24dg)時津風ハ損傷艦初風ヲ護衛シ友軍機ノ協力ト相俟ッテ長途離脱ニ成功シ功績極メテ顕著ナリト認ム』</ref><ref>[[#昭和18年1月～2水戦日誌(2)]]p.41『初風ガ敵地ニ於テ重大被害ヲ蒙リ而モ克ク危地ヲ脱シテ長途帰還シ得タルハ天佑ノ下同艦及護衛艦ノ奮闘努力ト直衛戦闘機及観測機ノ積極的協力ニ依ルモノニシテ深ク感銘シ居ル次第ナリ』、p.61『11日増援部隊指揮官→嵐、江風、時津風、初風/初風ノ敵地離脱同護衛ノ難作業ヲ完遂シタル司令、駆逐艦長以下乗員一同ノ労ヲ深ク多トシ潜没勇士ノ英霊ニ対シ謹ミテ弔意ヲ表ス』</ref>。▼
 
1月12日夕刻、第十戦隊司令官[[木村進 (海軍軍人)|木村進]]少将を指揮官とする9隻（[[秋月 (駆逐艦)|秋月]]《第十戦隊旗艦》、時津風、嵐、黒潮、谷風、浦風、浜風、磯風、舞風）は、ガ島輸送作戦を実施するためラバウルを出撃<ref name="叢書(83)513">[[#戦史叢書83ガ島戦]]513-514頁『一月十四日』</ref>。警戒隊（秋月、黒潮、時津風、嵐）、輸送隊（谷風、浦風、浜風、舞風）という区分だった<ref name="叢書(83)513"/>。13日朝ショートランド進出、14日朝に出撃した<ref name="叢書(83)513"/>。揚陸作戦成功後の15日朝、空襲により「嵐」が一時航行不能、「谷風」駆逐艦長勝見中佐戦死、「浦風」小破という損害を受ける<ref name="叢書(83)513"/>。「嵐」は「舞風」に曳航されて避退した<ref>[[#戦艦大和最後の艦長]]210頁</ref>。それ以上の損害を受けることなく、各艦は夕刻までにショートランド泊地へ戻った<ref name="叢書(83)513"/>。1月24日、「時津風、黒潮」は輸送船2隻を護衛して[[サンタイサベル島]]レカタ基地への輸送を実施した<ref>[[#戦史叢書83ガ島戦]]516頁</ref>。
▲[[1943年]]（昭和18年）1月10-11日、第16駆逐隊2隻（時津風、[[初風 (駆逐艦)|初風]]）は第六次ガダルカナル島輸送作戦（[[鼠輸送]]）に参加。駆逐艦8隻（[[黒潮 (駆逐艦)|黒潮]]、[[巻波 (駆逐艦)|巻波]]、[[江風 (白露型駆逐艦)|江風]]、[[嵐 (駆逐艦)|嵐]]、[[大潮 (駆逐艦)|大潮]]、[[荒潮 (駆逐艦)|荒潮]]、初風、時津風）が参加しており、輸送隊は[[小発動艇]]2隻を曳航しドラム缶150個を積み込んでいた<ref>[[#昭和17年9月～第8艦隊日誌(4)]]p.25『江風、黒潮、嵐、巻波、大潮、荒潮、長波、初風、時津風｜1-10｜各艦「ドラム」罐150、小発2隻「エスペランス」揚陸ヲ実施ス　2300作業終了ス　戦果：魚雷艇3隻撃沈、飛行艇1機撃墜』</ref>。指揮官は第二水雷戦隊司令官[[小柳富次]]少将で、第15駆逐隊「[[黒潮 (駆逐艦)|黒潮]]」から指揮をとる<ref>[[#昭和18年1月～2水戦日誌(1)]]p.8『第六次「ガ」島輸送｜10日11日｜2sd司令部、黒潮、巻波、24dg(江風)、4dg(嵐)、8dg(大潮、荒潮)、16dg(初風、時津風)｜初風魚雷艇ノ雷撃ヲ受ケ大破』</ref>。駆逐艦8隻は、一群（江風→黒潮→初風→時津風）と、二群（嵐→巻波→大潮→荒潮）に分離し、それぞれが単縦陣を形成していた<ref>[[#昭和18年1月～2水戦日誌(1)]]pp.29-30『1月10日合戦図　天候曇　視界3乃至4粁　月出2010　月齢3.5』</ref>。午後10時以降、輸送隊はガダルカナル島エスペランス岬周辺海域で米軍魚雷艇と交戦する。22時47分、「初風」が魚雷1本を被雷して大破<ref>[[#昭和18年1月～2水戦日誌(1)]]p.17『三.2240同右「エスペランス」着魚雷艇7隻飛行艇2機ト交戦、魚雷艇3隻撃沈(時津風2、嵐1)同1撃破(荒潮)PBY飛行艇1撃墜(時津風)｜2247初風ニ魚雷1命中大破、戦死8戦傷12』</ref>。通信装置と操舵装置が故障した<ref>[[#昭和18年1月～2水戦日誌(2)]]p.57『16dg司令11日1132/初風10日2247サボ島ノ190度7.5浬ニ於テ敵魚雷艇2隻ノ襲撃ヲ受ケ魚雷1士官室下方ニ命中、2・4區浸水、操舵装置転輪羅針儀通信装置全部方位盤故障尚損害調査中、目下(嵐、江風、時津風護衛)速力18節ニテショートランドニ向ケ航行中味方機上空ニアリ、戦死者8名重傷者3名軽傷者士官以下8名』</ref>。「時津風」は米軍魚雷艇2隻撃沈、飛行艇1隻撃墜を報告した<ref>[[#昭和18年1月～2水戦日誌(2)]]p.35『2246時津風魚雷艇1隻砲撃々沈｜2302時津風魚雷艇1隻照射砲撃撃沈｜0002時津風PBY飛行艇1機撃墜』</ref>。
▲その後、第1組（黒潮、巻波、大潮、荒潮）は速力30ノットでガダルカナル島海域を離脱<ref>[[#昭和18年1月～2水戦日誌(2)]]p.37『0042/第一組(黒潮、大潮、荒潮、巻波)速力30節』</ref>。陽炎型「嵐」に座乗する第4駆逐隊司令官[[有賀幸作]]大佐は、「嵐、時津風、江風」の3隻を率いて最大発揮速力10-16ノット限度の「初風」護衛にあたり、11日夕刻にショートランド泊地へ到着した<ref>[[#昭和18年1月～2水戦日誌(1)]]p.18『五.2310揚陸作業終了(「ドラム」缶600個投入)黒潮外3隻先行、嵐・江風・時津風ハ護衛実速約16節ニテ「ショートランド」ニ向フ』-『11日/六.1830嵐、江風、初風、時津風「ショートランド」皈着』</ref>。「時津風」以下4隻の帰還は小柳司令官に大きな感銘をあたえ、護衛した3隻の艦名を記載したうえで『特に嵐(第4駆逐隊司令)、江風(第24駆逐隊司令)、時津風は損傷艦初風を護衛し友軍機の協力と相俟って長途離脱に成功し功績極めて顕著なりと認む』と直々に言及している<ref>[[#昭和18年1月～2水戦日誌(2)]]p.40『輸送部隊ハ遠ク敵制空権下ニ進出シ敵水上部隊ノ出現ヲ厳戒シツツ既ニ泊地ニ潜入待機中ノ魚雷艇7隻及哨戒機2機ト交戦シ混戦中ノ輸送ヲ強行シテ前記ノ如キ成果ヲ収メ其ノ功績顕著ナリ。特ニ嵐(将旗4dg)、江風(将旗24dg)時津風ハ損傷艦初風ヲ護衛シ友軍機ノ協力ト相俟ッテ長途離脱ニ成功シ功績極メテ顕著ナリト認ム』</ref><ref>[[#昭和18年1月～2水戦日誌(2)]]p.41『初風ガ敵地ニ於テ重大被害ヲ蒙リ而モ克ク危地ヲ脱シテ長途帰還シ得タルハ天佑ノ下同艦及護衛艦ノ奮闘努力ト直衛戦闘機及観測機ノ積極的協力ニ依ルモノニシテ深ク感銘シ居ル次第ナリ』、p.61『11日増援部隊指揮官→嵐、江風、時津風、初風/初風ノ敵地離脱同護衛ノ難作業ヲ完遂シタル司令、駆逐艦長以下乗員一同ノ労ヲ深ク多トシ潜没勇士ノ英霊ニ対シ謹ミテ弔意ヲ表ス』</ref>。
 
1月下旬～2月上旬、第16駆逐隊2隻（時津風、雪風）は[[ケ号作戦|イザベル島沖海戦]]（ケ号作戦）に参加した（参加した隊に関しては後述）。
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陽炎型駆逐艦<ref>[[#内令昭和18年4月(1)]]p.20『内令第五百六十八號　艦艇類別等級表中左ノ通改正ス　昭和十八年四月一日海軍大臣嶋田繁太郎｜驅逐艦、一等ノ部中「白雪型」ヲ「初雪型」ニ改メ同項中「白雪、」ヲ、同白露型ノ項中「、村雨」ヲ削リ同「潮潮型」ヲ「満潮型」ニ改メ同項中「、朝潮、大潮」「、荒潮」「、峯雲」ヲ、同陽炎型ノ項中「時津風、」ヲ削ル』</ref>、
第16駆逐隊<ref>[[#内令昭和18年4月(1)]]p.26『内令第五百七十九號　驅逐隊編制中左ノ通改定セラル　昭和十八年四月一日海軍大臣嶋田繁太郎｜第二驅逐隊ノ項中「村雨、」ヲ削ル｜第九驅逐隊ノ項中「朝雲、峯雲」ヲ「朝雲、薄雲、白雲」ニ改ム｜第十一驅逐隊ノ項中「白雪、」ヲ削ル｜第十六驅逐隊ノ項中「、時津風」ヲ削ル|第八驅逐隊、第二十九驅逐隊及第三十四驅逐隊ノ各項ヲ削ル』</ref>、
帝国駆逐艦籍<ref>[[#内令昭和18年4月(1)]]pp.28-29『内令第五百八十二號｜横須賀鎮守府在籍　驅逐艦　 村雨、驅逐艦　 朝潮、驅逐艦　 大潮、驅逐艦　 荒潮、驅逐艦　 峯雲|呉鎮守府在籍　驅逐艦　 白雪、驅逐艦　 時津風｜右帝国駆逐艦籍ヨリ除カル｜横須賀鎮守府在籍：伊號第一潜水艦、伊號第十八潜水艦　右帝国潜水艦籍ヨリ除カル｜昭和十八年四月一日　海軍大臣嶋田繁太郎』</ref>、
のそれぞれから除籍された。
 
== 主な戦歴 ==
* スラバヤ沖海戦 - 第一六二水雷戦隊・第16駆逐隊に、雪風、[[初風 (駆逐艦)|初風]]、天津風とともに所属。
* 第二次ソロモン海戦 - [[第三艦隊 (日本海軍)|第三艦隊]]支隊に、空母[[龍驤 (空母)|龍驤]]、重巡洋艦[[利根 (重巡洋艦)|利根]]、天津風と共に所属。龍驤沈没後、乗組員救助。
* 南太平洋海戦 - 第三艦隊(南雲機動部隊)本隊に所属<ref name="叢書(83)273"/>。第一六航空戦隊（翔鶴、瑞鶴、瑞鳳）、第4駆逐隊に（嵐、舞風）、第16駆逐艦「隊（初風、雪風」など5隻とともに所属。、天津風、時津風）、第17駆逐隊（浜風）、第61駆逐隊（照月）
* ケ号作戦<ref>[[#昭和17年9月～第8艦隊日誌(5)]]pp.21-24『(ホ)麾下及友軍ノ行動概要　(1)「ソロモン」方面』</ref>
**陽動上陸戦 - 警戒隊（時津風《旗艦》、黒潮、白雪）、輸送隊（浦風、浜風、江風）<ref>[[#戦史叢書83ガ島戦]]538-539頁</ref>
**第一次輸送 - 第16駆逐隊（時津風、雪風）、第17駆逐隊（谷風、浦風、浜風、磯風）、第8駆逐隊（大潮、荒潮）、第10駆逐隊（風雲、《巻雲/|沈没》、夕雲、秋雲）、《巻波|小破》、舞風、江風、黒潮、白雪、文月、皐月、長月、《カビエン待機|川内》
**第二次輸送 - 第16駆逐隊（時津風、雪風）、第17駆逐隊（谷風、浦風、浜風、磯風）、第8駆逐隊同上2隻、第10駆逐隊（風雲、夕雲、秋雲）、白雪、黒磯、朝雲、五月雨、《舞風/|中破》、江風、皐月、長月、文月、《カビエン待機|川内》、《ショートランド待機|巻波、夕霧》
**第三次輸送 - 第16駆逐隊（時津風、雪風）、第17駆逐隊（谷風、浦風、浜風、《磯風/|中破》）、第8駆逐隊同上2隻、第10駆逐隊同上3隻、白雪、黒潮、朝雲、五月雨、皐月、文月、長月
 
== 歴代艦長 ==
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**Ref.{{Cite book|和書|author=C12070176200|title=昭和18年1月～4月 内令1巻/内令昭和18年4月(1)|ref=内令昭和18年4月(1)}}
 
* {{Cite book|和書|author=防衛庁防衛研修所戦史室|authorlink=|year=1976|month=8|title=戦史叢書96　南東方面海軍作戦(3)　{{small|ガ島撤収後}}|publisher=朝雲新聞社|ref=戦史叢書96ガ島撤収後}}▼
* {{Cite book|和書|author=防衛庁防衛研修所戦史室|authorlink=|year=1973|month=2|title=戦史叢書62　中部太平洋方面海軍作戦(2)　{{small|昭和十七年六月以降}}|publisher=朝雲新聞社|ref=戦史叢書中部太平洋方面海軍作戦(2)}}
* {{Cite book|和書|author=防衛庁防衛研修所戦史室|authorlink=|year=1975|month=8|title=戦史叢書83　南東方面海軍作戦(2)　{{small|ガ島撤収まで}}|publisher=朝雲新聞社|ref=戦史叢書83ガ島戦}}
▲* {{Cite book|和書|author=防衛庁防衛研修所戦史室|authorlink=|year=1976|month=8|title=戦史叢書96　南東方面海軍作戦(3)　{{small|ガ島撤収後}}|publisher=朝雲新聞社|ref=戦史叢書96ガ島撤収後}}
* {{Cite book|和書|author=木俣滋郎|coauthors=|authorlink=|year=1977|month=7|title=日本空母戦史|publisher=図書出版社|ISBN=|ref=日本空母戦史}}
* 雑誌「丸」編集部『<span style="font-size:90%;">写真</span> 日本の軍艦 第11巻 <span style="font-size:90%;">駆逐艦II</span>』光人社、1990年 ISBN 4-7698-0461-X
* {{Cite book|和書|author=[[生出寿]]|year=1997|month=12|title={{small|連合艦隊・名指揮官の生涯}}　戦場の将器　木村昌福|publisher=光人社|isbn=4-7698-0835-6|ref=戦場の将器}}
* {{Cite book|和書|author=[[佐藤和正]]|year=2004|origyear=1984|month=9|title=艦と乗員たちの太平洋戦争　{{small|日本海軍と乗員はいかに戦ったか}}|publisher=光人社|isbn=4-7698-2432-7|ref=艦と乗員たちの太平洋戦争(文庫)}}
** 最高の傑作　<駆逐艦「時津風」ダンピールに逝く>
* {{Cite book|和書|author=生出寿|authorlink=|year=1996|month=12|title=戦艦「大和」最後の艦長　{{small|海上修羅の指揮官}}|publisher=光人社|ISBN=4-7698-2143-3|ref=戦艦大和最後の艦長}}
* 外山操『艦長たちの軍艦史』光人社、2005年 ISBN 4-7698-1246-9
* {{Cite book|和書|author=重本俊一ほか|year=2014|month=10|title=陽炎型駆逐艦　{{small|水雷戦隊の中核となった精鋭たちの実力と奮戦}}|publisher=潮書房光人社|isbn=978-4-7698-1577-8|ref=陽炎型、2014}}
** {{small|当時「時津風」主計科員・海軍上等主計兵曹}}芝田博之『八方破れ「時津風」が演じたガダルの奇蹟　{{small|ガ島撤収作戦に一役かった時津風に訪れたダンピール海峡の悲劇}}』
 
== 関連項目 ==
「https://ja.wikipedia.org/wiki/時津風_(陽炎型駆逐艦)」から取得