「示量性と示強性」の版間の差分

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示量性の定義は文献により、「系全体の量が部分系の量の和に等しくなること」という定義<ref>原島鮮「熱力学・統計力学 改訂版」培風館 (1978/09)</ref><ref>都筑卓司「なっとくする熱力学」講談社 (1993/12)</ref><ref name="物理学辞典-改訂版">「物理学辞典-改訂版」培風館(1992/05)</ref>と「系の大きさ、体積、質量に比例すること」という定義<ref name="物理学辞典-三訂版">「物理学辞典-三訂版」培風館(2005/09)</ref><ref name="理化学辞典">長倉三郎、他(編)「岩波理化学辞典-第5版」岩波書店 (1998/02)</ref><ref>藤原邦男;兵頭俊夫「熱学入門―マクロからミクロへ」東京大学出版会(1995/06)</ref>とがある。厳密には前者の性質は'''相加性'''、後者の性質は'''示量性'''として区別する<ref>佐々真一;兵頭俊夫「熱力学入門」共立出版 (2000/04)</ref><ref>清水明「熱力学の基礎」東京大学出版会(2007/03)</ref>。'''均一系'''の状態量は相加性ならば示量性となるが、部分系ごとにその量の密度が異なる'''不均一系'''の場合には相加性であっても示量性とはならない。しかし熱力学では部分系として均一なものを取ることが普通であり、部分系においては相加性と示量性が一致するようにできる。従って、相加性と示量性は区別しない流儀の方が多い。
 
示量性(相加性)を持たない状態変数を'''示強変数'''という。示量性状態量と示強性状態量の中には、体積と圧力のように互いに掛け合わせると[[エネルギー]]の[[次元#物理量の次元|次元]]をもった示量性の量となるものがある。このような関係を(互いに)'''共役な関係'''または'''[[双対]]な関係'''と言う。
 
それぞれの例には次のものがある。