削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
41行目:
== 制作活動 ==
 
音声トラック上の波形を細かく切り刻んで配置し直す"SkitterStutter Edit"を1[ms]単位で律動やコード進行に合わせて制御するという、DTMで楽曲制作を行っている者にとっては、緻密な表現の可能性こそ感じるものの、考えるだけでも背筋が凍り付くような膨大な量の作業を実行に移すなど、まさに狂気の沙汰とも思える執拗さで音の表現を追求していた。人間の耳に検知できない領域まで音を制御したいがために、徹底的に微細にパラメータを調整した結果として、DAWにはパラメータの調節の精度に限界があり、製品毎に音色の癖があると感じるようになった。また、DAW上で数十個のシンセをレイヤして複雑な音響処理を行わせた場合には高負荷になりハングアップする問題も頻繁に起きていた。そのため、ついには学術研究や現代音楽で用いられていた音響合成プログラミング環境の[[SuperCollider]]の音色の自由度や音質の高さに目を付け、SuperCollider上のプログラミングにより、豊かかつ煌びやかな音色を駆使して音楽制作を行うようになった。別名義のOtophiliaとしての活動の中では、コンピュータ上の計算のみでは再現することが難しいと言われているギターの音色を、物理モデルを用いた手法により再現しようと試みていた。この試みの成果はGoodNoseというプログラムとして残されている。また、VJとして用いることが可能な花火シミュレータも制作したり、フラクタル生成モデルのL-System等の各種数学的な概念に関する音楽的な実験も積極的に行っていた。また、SuperColliderフォーラムでは、UNIXコマンドやプロセスやスレッドやサーバー-クライアント間の通信時の問題に関する質問にも答えていた。このように、音を追求する過程でコンピュータそのものの動作原理の学習にも踏み込んで行き、次第に数学やコンピュータの仕組みやコンピュータネットワークにも詳しくなり、ハッカー的なセンスも体得することになった。
 
[[2007年]]には、初めてOtophiliaとしてSuperCollider公式フォーラムに作品を投稿した。フォーラム主宰者のtn8こと赤松武子氏はこの時に投稿された作品のSuperColliderらしからぬポップな音を聞き、大きな衝撃を受けたと言う。また、赤松武子氏が主催したSuperColliderイベントにも参加し、初めてのSupercolliderに関してオフラインにおける対面交流と情報交換を行った。その時は赤松武子氏と[[Subversion]]というバージョン管理システムや物に対する捉え方や考え方に関しても話をしたという。