「機能不全家族」の版間の差分

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{{統合提案|家庭崩壊|機能不全家族|date=2015年5月}}
{{参照方法|date=2014年1月}}
'''機能不全家族'''(きのうふぜんかぞく)とは、家庭内に[[対立]]や[[不法行為]]、[[身体的虐待]]、[[性的虐待]]、[[心理的虐待]]、[[ネグレクト]]等が恒常的に存在する家庭を指す。'''機能不全家庭'''(きのうふぜんかてい)とも称され、その状態を[['''家庭崩壊]]'''かていほうかい)、もしくは'''家族崩壊'''(かぞくほうかい)と言われている。また、家族が散り散りになって暮らすようになる(天涯孤独になる)様を'''一家離散'''(いっかりさん)とも言う。
 
==概要==
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この機能不全家族において最も被害者となるのは、自らに生活力が無いため、その家庭から脱出することができない子供である。生活能力に乏しい子供は、このような不幸な状況から逃れることができず、歪んだ思想・観念を全身に受けながら生活しなければならない。そして、子供としての時期に学ぶべき社会規範や愛情を学ぶことができず、「親の奴隷」のような生活を強いられ、歪んだ思考を身につける事が多い。結果として、子供社会での適合ができにくく、様々な問題を引き起こす場合がある。周囲の児童が何故自由奔放に振る舞えるかが理解できず、他の児童の目から見れば非常におとなしかったり、他者とは異なる価値観や思考・行動パターンが原因で[[いじめ]]の対象にもされやすい。
 
又、親から虐待を受けた子供は、幸運にも家庭から脱出できた場合、年老いた親を殊更に冷遇したり、または暴力的支配におよんだりなどして、「親への復讐」を始めるケースも見られる。酷い場合には、自分の親と同世代の老人全てに対して理由も無く憎悪や敵対心を抱くこともあり、「[[高齢者虐待|老人虐待]]」といった別の問題を惹き起こすことにもなる。
 
このような家庭問題(家族問題)の中で育った子供が、育った環境の不健全さに気づいた場合、過去に学んだ不健全な生活習慣からの脱却に向けて、莫大なエネルギーを費やして、回復の努力をしなければならないことが多い。しかしながら、機能不全家族の一番の問題点としては:(1)「(1)機能不全家族の中で育った子供が、育った環境の不健全さに気づかない場合に、自己の配偶者としても同様の歪んだ価値観をもったパートナーを選んでしまうこと;(2)「(2)親は無条件に正しく、全てを子供の原因だと決め付けて子供を泣き寝入りさせることなどが非常に多い。
 
[[凶悪犯罪]]などで犯人の精神鑑定を行ったり、生い立ちを探っている際に犯人の家庭や育ての親の思考、家庭教育が非常に歪んだものであることが発覚するケースが多い。しかし、個人情報やプライバシーの保護という名目や、「親は無条件に正しい」という風潮が原因で、家庭環境のこうした側面はほとんど報道されないことが多い。
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機能不全家族は不健康な家族文化、歪んだ家族システムを持つ家庭であり、その背景となる原因はさまざまである。
 
機能不全家族を生み出す家庭内の主要な原因としては、[[アルコール依存症]]、[[ギャンブル依存症]]、[[薬物依存症]]、親の[[自殺]]、親の[[死亡]]、親の[[浮気]]、両親の[[離婚]]、親の[[再婚]]、親からの見捨てられ行為([[ネグレクト]])、精神的な[[児童虐待]]、肉体的な児童虐待、性的な児童虐待([[児童性的虐待]])、家庭不和、[[ドメスティックバイオレンス|家庭内の暴力]]、[[サラ金]]地獄、生活困窮、生活苦を伴う家族の病気([[難病]]、[[介護]])、望まれない出生、不遇な[[里子]]体験などがある<ref>大越崇 『アダルトチャイルド物語』 星和書店 1996年</ref>。また、親が[[宗教]]にのめり込む場合も機能不全家族に陥ることがある
また、親が[[宗教]]にのめり込む場合も機能不全家族に陥ることがある。
 
==家庭内の特徴==
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*精神的な幼稚(虐待を排除しない)
 
インターネット掲示板などで、こういった親のことを「[[毒親]]」と呼ぶことがある(語源はスーザン・フォワード著「毒になる親」から)。
 
==家庭内での子供の役割==
機能不全家庭で育った子供は、病的な家庭で生き延びるために役割を背負っている。役割を背負った子供は、子供として楽しい子供時代を過ごすことが出来ず、自分の感情を押し殺し、傷つきながら生きていく事となる。
役割を背負った子供は子供として楽しい子供時代を過ごすことが出来ず、自分の感情を押し殺し、傷つきながら生きていく事となる。
 
*ヒーロー(Hero)、優等生 :「優秀な子」「しっかりした子」でいることで評価されようとする。親から頼られ信頼される事によって家族のバランスを保とうとしている。しかし目標を達成しても更に上を期待されてしまう為、常に不全感や失敗感を持つ。
 
*スケープ・ゴート(Scapegoat)、問題児:家でも学校でもトラブルを起こす。攻撃的に振る舞い存在を主張すると共に家族の中の本来の問題から目をそらす役割を果たす。傷つきや罪の意識が深い。家庭外でもいじめのターゲットになりやすい。
 
*ロスト・ワン(Lost One) 、いないふり:家族の争いの火の粉が自分に降りかかるのを防いだり自分が受けるべき注目や愛情を他人にまわして家族を安心させる。周りは「あの子は放っておいても大丈夫」と安心しているが、内面的には「自分は重要でない」「どうでもいい」とひどく孤独感を味わう。
 
*ピエロ(Clown) 、ひょうきんもの:おどけて家族の緊張感を和らげる。問題を分散させるために注意をそらす役割。落ち着きの無い行動をとり情緒不安を抱える。親のペットのような存在。
 
*リトル・ナース(Little Nurse) 、お世話やき:家の中の問題を何とかしようと奔走する。「優しい子」「思いやりのある子」として、親の愚痴を聞いたり面倒をみる。混乱の中でうまく調整役をこなす。自身の事はそっちのけで家族のために何かをしようと常に考えている。自分を失っている状態で、自分のしたいことや感情を認知することができない。
 
*プリンス・プリンセス(Prince・Princess) 、人形:自分の意思を無視されまるで人形のように溺愛される。溺愛と言えば聞こえはいいが、実際は親にとって都合のいい人格や意思を持つこと以外は許されず、常に人格を否定され続ける存在。役割を背負った子供は自由に楽しい子供時代を過ごすことが出来ず、「親の望んだ通りにしないと嫌われる」という恐怖心に苛まれている。
 
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*[[被虐待児症候群]]
*[[非行]] - [[非行少年]]
*[[毒親]] - [[毒母]]
 
;対策