「ミズムシ (昆虫)」の版間の差分

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== 利用 ==
他の水生カメムシのように魚を襲うこともなく、経済上や人間社会に直接は全くの無害無用の昆虫であるが、ミズムシをつかった遊びがあり、その面では有用ともいえる。ミズムシは'''風船虫'''(ふうせんむし)ともよばれるが、夜間に明かりに飛んできたミズムシの中で比較的大型のものを使う遊びのなかで生まれた別名である。ミズムシは、水中を泳ぐとすぐに水底に脚でしがみついて体を固定する。そうしないと呼吸のために保持している空気の浮力で浮いてしまう。そこで、まず、コップに水をいれ、色紙を小さく切って沈めておく。その中にこの虫をいれると、ミズムシはすぐに水底に潜り、色紙につかまる。すると、虫は紙を持ったままで浮いてくる。水面に達すると、ミズムシはあわてて再び潜り、また別の色紙につかまる。するとまた紙と一緒に浮きはじめ、虫が離れた紙は沈む。これを繰り返すからため、やがてコップの中は浮かぶ色紙、沈む色紙とさまざまな色紙が舞うようになるのを見て喜ぶ訳る遊びである。見ている方は楽しいが、ミズムシには大いに迷惑であろう
 
紙をつかんで浮いてくる虫が、まるで[[風船]]のようだというので、これを風船虫というようになった。このことはよく子供向の本にも紹介されているので、現実の現代生活で親しまれている実態以上に有名になっている模様である。なお、風船虫をコミズムシの別名としている本が多いが、コミズムシと同様の大きさのミズムシ類の同定には顕微鏡で微細な特徴を観察する必要があるし、そうした種は何種類もあるため、まず確実にコミズムシを他のミズムシから区別している民俗例はあるまい
 
日本国外においては、この類を食用にする例がある。[[メキシコ]]では、この類の ''Corosiella'' spp. や ''Krizousacorixa'' spp. の産卵期に[[ヨシ|アシ]]の茎の束を湖に沈め、これに産卵させる。アシの茎が真っ白になるほど卵がつくという。これを乾燥させ、そのまま食べるか、豆の碾き割りを交ぜて食べる。