「思想の科学」の版間の差分

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== 太平洋戦争が起こった原因 ==
 
思想の科学の活動目的は、「第一に敗戦の意味をよく考え、そこから今後も教えを受け取る」ことである。そこで鶴見は、最初の論文として、「大衆は何故、太平洋戦争へと突き進んでいったのか?」を問い始める。その理由の一つとして、「言葉による[[扇動]]<ref>社会や集団のなかで一部の少数の者が大多数のものに対して巧みな演説や論説などを駆使することによって群集心理を操作し、大多数の者を自分たちにとって都合のよい状態に置き換えるという行為</ref>である」と考えた。以下論文より{{Quotation|言葉のお守り的使用法とは、擬似主張的使用法の一種であり、意味がよくわからずに言葉を使う習慣の一つである。軍隊、学校、公共団体に於ける訓示や挨拶の中には必ず之(これ)らの言葉が入っている<ref>1946年5月「思想の科学」創刊号「言葉のお守り的使用法について」より</ref>。}}つまり{{Quotation|『[[鬼畜米英]]』『[[八紘一宇]]』『[[国体]]』}}などが「お守り言葉」にあたる。政府はこの言葉を巧みに使って政策を正当化し、戦争の実相を伝えなかった、と論文にはある。更に、{{Quotation|大量のキャッチフレーズが国民に向かって繰り出され、こうして戦争に対する「熱狂的献身」と米英に対する「熱狂的憎悪」とが醸し出され、異常な行動形態に国民を導いた<ref>1946年5月「思想の科学」創刊号「言葉のお守り的使用法について」より</ref>。}}
 
== ひとびとの哲学 ==