「山本七平」の版間の差分

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== 評価 ==
* 『私の中の[[日本軍]]』において、自らの軍隊経験から、[[日本刀]]は2~3人切ると使い物にならなくなると主張した。刀は鉄製品であり鈍らでも1人目の首が切れて4人目が切れないなどありえない。無抵抗の捕虜の首を切ったのか?武装した軍人の体をヘルメットごと切ったのか?民間人を洋服ごと切ったのか?手が滑って石に当たって刃がが大きくかけたのか?切った人は精強な軍人なのか?疲労困憊していた初年兵なのか?同じ刀を使った場合でも、状況によって切れ味は1,000倍も違う。この部分は、文学者の文学的表現と言われる。また、戦地という劣悪な状況下で日々酷使され、満足に手入れも出来ず自然とナマクラになってしまった刀に限った話<ref>旧日本軍の軍人が持っていた日本刀の一部は「本来の日本刀の性能」からすれば粗悪なものであったという事実はあるものの、当時の将校私物軍刀々身の大半は本鍛錬の日本刀であり、軍官給品初め現代科学の力を使った特殊軍刀はそこらの日本刀を凌駕する性能や耐久性を持っていた。また、両者とも[[孫六兼元|関の孫六]]や「先祖伝来の宝刀」(波平)などの俗に言われる名刀を使用し、それを報道されているのでこの場合には全く当てはまらない。また「軍刀=全てが粗悪」といった誤り偏った風評や偏見が今もなお蔓延っている事実を考慮する必要がある。</ref>であり、本来の日本刀の性能について誤解を招くものだという批判がある<ref>[[秦郁彦]]「いわゆる「百人斬り」事件の虚と実(二)」『政経研究』2006年2月</ref><ref>日本刀を用いた[[通り魔]]殺人事件が[[1985年]][[9月19日]]に[[下関市|下関]]で起きているが、[[山口大学]]医学部付属病院精神科に通院していた犯人(当時37歳)は、亡くなった父親が箪笥にしまっていた日本刀を持ち出し母親ら4人を殺害、さらに6人に重傷を負わせている。</ref>。さらに、同書における『戦ふ日本刀』からの引用は、自説に都合の良い部分のみを引用した不正確なものだという批判もある<ref>秦郁彦「いわゆる「百人斬り」事件の虚と実(二)」『政経研究』2006年2月 P96-P97</ref>。また、山本は[[本多勝一]]との[[百人斬り競争]]における論議において、[[イザヤ・ベンダサン]]の名義で、持論である「日本刀は2~3人斬ると使い物にならなくなる」という論理を中心に本多を批判した。この論理はこの論争の後に一般に広がった。
* [[浅見定雄]]は、『にせユダヤ人と日本人』において、『日本人とユダヤ人』における[[翻訳]]の誤りを指摘し(たとえば、[[聖書]]の「[[ヨハネの黙示録の四騎士|蒼ざめた馬]]」を山本は間違った訳であると言うが、これは正しい訳であるなど)、山本の語学力を批判した。山本が訳者となった、浅見自身の師である聖書学者の著書を題材に、山本が高校生レベルの英文を理解できず、明らかな誤訳をしていることも具体的に示し、「[[ヘブル語]]や[[アラム語]]はおろか、[[英語]]もろくに読めない」人物だと批判した。また浅見によると『日本人とユダヤ人』によって、一般に流布されていた「ユダヤ人は全員一致は無効」という話も、実は完全な嘘あるいは間違いであり、「こんな無知な人が何をどう言おうとも、現代[[イスラエル]]国の裁判所や国会で全員一致が無効とされるわけではなく、また世界各地のユダヤ人が、さまざまな集会から家族会議まで、あらゆる生活場面で全員一致をやっている事実が消えてなくなるわけでもない」と批判した。また「ニューヨークの老[[ユダヤ人]]夫婦の高級ホテル暮らし」というエピソード<ref>英語版(リチャード・ゲイジ訳)の『日本人とユダヤ人』からは完全にこのエピソードはカットされている。浅見は、英訳本では、原書の記述の中で、アメリカ人の常識から見て事実ではない、おかしいと思える箇所が多数にわたり説明無しにカットされたり勝手に書き換えられており、この部分のカットもその一例であると指摘している。</ref>も、実際にはあり得ない話で、「この話は全部、一つ残らず、まったく、ウソ」であると指摘した。そして、同書が「小説ではなく評論」である以上、「解釈の違いは別にして評論の対象は実在しなければならない」にも関わらず「本書は作り話の上に成り立っている」ことから、「本書の価値はゼロどころかマイナス」であると指摘した。
*浅見は他にも、ある[[ホステル]]の主人が、ユダヤ人を「においで嗅ぎ分けた」という話<ref>浅見は、この記述も英訳本からはカットされていることを指摘している。もしカット無しに英訳されていたら、この部分だけでも裁判となり、事実調査が行われただろうと述べている。</ref>や、「[[関東大震災]]で朝鮮人が虐殺されたのは、体臭が違うからと語った老婦人」なども、山本がでっち上げた作り話だと断じた。浅見はこの他にも、数多くの誤りを指摘している。