「図像学」の版間の差分

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'''図像学'''(ずぞうがく、[[英語]]:iconography)は、[[絵画]]・[[彫刻]]等の[[美術]]表現の表す意味やその由来などについての研究。イコノグラフィー。icon はギリシャ語のエイコーン({{lang|el|εικών}}、形の意味)に由来する語([[イコン]]参照)。
 
洋の東西を問わず、近代以前の美術作品は、今日の美術のように作家の個性や美そのものを目的とするというよりも、その作家の属する社会において、成員ならば了解可能な[[モチーフ]]の組み合わせによって、[[社会]]的、[[宗教]]的などのメッセージを表出する性格が顕著であった。そうしたモチーフは、例えば西欧において[[ユリ|百合]]は「純潔」を、[[イヌ|犬]]は「忠誠」を表すといった例がよく知られている。また、百合を持っているのは[[聖母マリア]]、[[ヘビケーリュケイオン|蛇]]と翼の付いた杖]]を持っているのは[[ヘルメース]]([[メルクリウス]])などと、人物とその持ち物が関連付けられていることも多く、これを'''[[アトリビュート]]'''という。これらは当時の作家の所属した社会において、作品を制作する際の約束事であり、それを守ることによって作品の表出するメッセージは、社会の成員にとって了解可能なものとなっていた。
 
== ヨーロッパ美術 ==