「三人吉三廓初買」の版間の差分

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<small>安政七年正月十四日(1860年2月5日)江戸[[市村座]]初日の『三人吉三廓初買』の序幕「大川端庚申塚の場」。左から[[市川小團次 (4代目)|四代目市川小團次]]の和尚吉三、[[岩井半四郎 (8代目)|三代目岩井粂三郎]]のお嬢吉三、[[市川團十郎 (9代目)|初代河原崎権十郎]]のお坊吉三。</small>]]
『'''三人吉三廓初買'''』(さんにんきちさ くるわの はつがい)は、[[安政]]七年 ([[1860年|1860]]) 正月、[[江戸]][[市村座]]で初演された[[歌舞伎]]の演目。通称『'''三人吉三'''』。[[世話物]]、[[白浪物]]。[[河竹黙阿弥|二代目河竹新七(黙阿弥)]]作。全七幕。3人の盗賊が百両の金と短刀とをめぐる[[因果応報]]で刺し違えて死ぬまでを描いた物語<ref>『大辞泉』</ref>
 
初演時はあまり評判にならず、30年ほど経って一部の筋を省略し『'''三人吉三巴白浪'''』(さんにんきちさ ともえの しらなみ)という外題で再演された([[吉原遊郭]]を舞台にした部分を省略し、「廓初買」が意味をなさなくなったため)。再演時には大評判となり、以後歌舞伎の代表的な作品の一つとして、今日でもよく上演される人気作品となっている。
 
==あらすじと見どころ==
[[夜鷹]]のおとせが客の落とした百両を返そうと夜道を歩いていると、盗賊のお嬢吉三が現れて金を奪い、おとせは川に突き落とされてしまう。そこへ別の盗賊・お坊吉三が現れ争いになるが、盗賊の和尚吉三が仲裁して三人は義兄弟の契りを交わす。八百屋の久兵衛がおとせを助け、父親・伝吉のもとへ送り届けると、そこには行方不明になっていた息子の十三郎が世話になっていた。十三郎とおとせは恋仲になっていたが、父親同士の話から二人が兄妹であると判明。お坊吉三も和尚吉三・伝吉親子と名刀・庚申丸を巡って因果があることがわかり、お坊が伝吉を斬り殺す。和尚は、兄妹であることを知らない十三郎・おとせをあの世で添わせてやろうと二人を殺し、その首をお嬢・お坊吉三の首と偽ってお上に差し出すが、発覚して捕えられる。お嬢・お坊は和尚を救い出すもののついには命運尽きて互いに刺し違える。
 
==登場人物==
*おとせ - 夜鷹
*お嬢吉三 - 女装の盗賊
*お坊吉三 - 盗賊。元は侍の子
*和尚吉三 - 盗賊。おとせの兄
*土左衛門伝吉 - 和尚吉三とおとせの父親
*八百屋久兵衛 - 八百屋(お嬢吉三の実父)
*手代十三郎 - 久兵衛の息子(伝吉の実子)
 
==見どころ==
<!--{{ネタバレ}}--><!--用途がちがいます-->
『三人吉三』は、いずれも吉三郎<small>(きちさぶろう)</small>という名の三人の盗賊を中心に、彼らを取り巻く者たちの複雑な人間関係を描く、きわめて物語性の高い演目である。