「プラークリット」の版間の差分

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# 後期プラークリット
#* {{仮リンク|アパブランシャ|en|Apabhraṃśa}}と呼ばれる。6世紀ごろから文学で使われるようになった。「アパブランシャ」とはサンスクリット語で「崩れた」を意味する。
 
==特徴==
サンスクリットとの違いのおおまかな傾向は、言語によっても異なるが以下のようになる。
=== 音韻的変化 ===
* 母音は ai au が消滅し(e o になる)、また aya ava → ā、ayi avi → e、ayu avu → o のような変化が起きた。
* {{unicode|r̥, l̥}} は消滅して通常の母音になった。
* 閉音節で長母音は短くなった。このため、サンスクリットにはない短い e o が出現した。
* サンスクリットにあった3つの[[歯擦音]] {{unicode|ś ṣ s}} の区別が消滅した。
* {{unicode|ḍ, ḍh}} は母音間で弱化して {{unicode|ḷ, ḷh}} に変化した。
* [[子音結合]]は、重子音または[[同器官的]][[鼻音]]+子音を除いて大部分が消滅した(隣接する子音への同化・脱落・母音挿入などによる)。
* 語末子音は大部分が脱落した。
* y, w はしばしば j, b に合流した。
* パーリ語にはあまり見られないが、時代が進むにつれて母音間の閉鎖音・破擦音が弱化し、無声音の有声化、接近音化、さらには脱落が起きた。マーハーラーシュトリーではこの傾向がいちじるしい。
=== 形態的変化 ===
* [[双数]]は消滅した。それ以外の名詞の性・格・数の区別は大部分が保たれたが、アパブランシャでは格が大きく融合している。
* 子音語幹は多くが母音語幹に変化した。
* サンスクリットにあった複雑な動詞の[[法 (文法)|法]]や反射態は衰退した。
* サンスクリットの未完了過去・アオリスト・現在完了の区別はなくなり、パーリ語では単一の過去形だけになった。マーハーラーシュトリーでは過去形もなくなり、かわりに過去分詞を使うようになった。
 
==演劇プラークリット==