「オフセット印刷」の版間の差分

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[[Image:Heidelberg Speedmaster 102 CD.jpg|thumb|200px|オフセット印刷機([[ドイツ|独]][https://www.heidelberg.com/jp/ja/index.jsp ハイデルベルグ社]製)]]
'''オフセット印刷'''(おふせっといんさつ)は、[[印刷]]技術のひとつ。実際に印刷イメージが作られている[[版]]と[[紙]]が直接触れないのが特徴。版に付けられたインキを、一度ゴムブランケットなどの中間転写体に転写 (offset) (offset)した後、紙などの被印刷体に印刷するため、オフセット印刷と呼ばれる。オフセット印刷の大半が平版(へいはん)を用いて行われているため、オフセットと言えば平版オフセット印刷のことを指すようになった。略して「オフセット」「オフ」と呼ばれることが多い。しかし、版に[[凸版]]を用いるドライオフセット印刷や、電子写真方式の[[オンデマンド印刷機]]にもオフセット方式を用いたもの(コダック・ネクスプレスなど)がある。
 
== 概要 ==
[[Image:DE-Zeitungsrollenoffsetdruck by Steschke.jpg|thumb|MAN Roland press]]
[[ファイル:Offset print ja.png|サムネイル|オフセット印刷の仕組み]]
平版とは印刷の版式の一つで、版の撥水性を利用した印刷方法である。版材に石を用いる[[リトグラフ|石版]]印刷が平版の最初だが、現在ではアルミに感光剤を塗布したPS版 (pre(pre-sensitized plate) plate)が主流となっている。イメージを作る前の原版('''PS版''')は、親水性の支持体を、親油(撥水)性の感光層で覆ったものである。この上に、[[版下]]から[[製版]]したフィルムを載せ、[[フォトリソグラフィ]]により、非画線部の親油層を除去する。この原版を版胴に巻き付け、水ローラーで湿し水(しめしみず)を付けると、親油層の除去された部分にのみ水が乗る。続いてインキを付けるが、非画線部には水があるためインキが乗らず、画線部にのみインキが付着した状態になる。このインキを、原版からブランケットと呼ばれるゴム筒に一旦移した後、改めて紙に転写する。
 
非常に鮮明な印刷が可能で、版が直接紙に触れないことから胴の磨耗が少なく、大量印刷にも適する。[[輪転印刷機|輪転機]]を使用すれば短時間で大量の印刷が可能になる。紙に施す印刷技術としては、立体感が劣る、[[設備投資]]にかかる[[費用]]が高いといった点以外はほとんど欠点らしい欠点が無く、オフセット印刷用の用紙の発達もあり、現在世界中で供給される商業印刷機の多くをオフセット機が占めている。
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一方で、湿し水には、[[揮発性有機化合物]]が使用されていることが多く、環境問題が指摘されることも多い。そのため、近年では、水の替わりにシリコン層を代用する「水なし印刷方式」が開発され、徐々にシェアを伸ばしている。なお、刷版に凸版やグラビア版を用いる「ドライオフセット印刷」は、平版を用いる「水なし印刷」とは別物である。
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| [[File:Offset Printing Plate.png|800px]]
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| <small>オフセット印刷の刷版<br>上図は層の厚みが誇張されているが、実際には凹凸がほとんど無い版のため「平版」という</small>
| [[File:Offset Printing Plate.png|800px]]
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| <small>オフセット印刷の刷版<br>上図は層の厚みが誇張されているが、実際には凹凸がほとんど無い版のため「平版」という</small>
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*枚葉UVオフセット印刷
*オフセット輪転(オフ輪)
*ビジネス・フォーム印刷 (BF)(BF)
*軽オフセット(軽オフ)
 
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== 外部リンク ==
*[http://www.waterless.jp/index.php 日本WPA(日本水なし印刷協会)]
 
[[Category:印刷|おふせつといんさつ]]