「ネクロノミコン」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
m 改名に伴うリンクの修正
12行目:
 
== 来歴 ==
ラヴクラフトが作中に記した来歴によれば、狂える詩人アブドル・アルハズラットにより、[[730年]]に[[ダマスカス]]において書かれた「'''アル・アジフ'''({{lang|en|Al Azif}})」(もしくは'''キタブ・アル=アジフ''':キタブは本/書の意)が原典であるとされる。アジフは、アラブ人が魔物の鳴き声と考えた夜の音(昆虫の鳴き声)をあらわした言葉であると定義されている<ref name="全集5_pp311">{{Harvnb|ラヴクラフト|大瀧|1987|Ref=CITE_ラヴクラフト1987|pp=311-322}}</ref><ref name="wikisource_HistoryOfTheNecronomicon">{{Cite wikisource|History of the Necronomicon|Howard Phillips Lovecraft|nobullet=yes|en}}</ref>(ただし、アラビア語にアジフという単語はない。類音語として、うなる音または轟音の意味をもつアジズがある)。「ネクロノミコン」の表題は[[ギリシャ語]]への翻訳の際に与えられたものとされ、ギリシャ語の{{Lang|el|Νεκρός}}(Nekros 死体) - {{Lang|el|νόμος}}(nomos 掟) - {{Lang|el|εικών}}(eikon 表象) の合成語であり、「死者の掟の表象あるいは絵」の意とされる<ref name="全集5_pp348" />。アルハズラットの最期については諸説があると設定されているが、執筆後に白昼のダマスカス路上で白昼衆人環視の中、目に見えない怪物に生きたままむさぼり食われたというエピソードが、具体的な伝承として紹介されている<ref name="全集5_pp311" /><ref name="wikisource_HistoryOfTheNecronomicon" />。
 
現存する版本の多くは17世紀版で、[[ハーバード大学]]の[[ワイドナー記念図書館|ワイドナー図書館]]、[[フランス国立図書館|パリ国立図書館]]、[[ミスカトニック大学]]付属図書館、[[ブエノスアイレス大学]]図書館などに所蔵が確認されているが<ref name="全集5_pp311" /><ref name="wikisource_HistoryOfTheNecronomicon" />、完全なものは世界に5部しか現存していないと設定されている。