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1行目: '''肉質虫''' (~~Sarcodina~~にくしつちゅう) と~~いうの~~は、~~[[原生動物]]のひとつ。~~[[アメーバ]]などを含む[[原生動物]]の分類群のひとつ。現在では進化的に異なる系譜の生物種からなる多系統群であると考えられる。 == 概論名称と系統 == [[Image:Actinophrys sol.jpg\|thumb\|軸足を持つ太陽虫類<br>(タイヨウチュウ ''Actinophrys sol'')]]▼ [[肉質虫]](Sarcodina)は、原生動物の最上位の分類単位の一つとして使われた言葉である。運動の仕組みとして、[[原形質流動]]に伴う細胞の変形によって[[偽足]]を形成する。[[繊毛]]は持たず、[[鞭毛]]は一時的に持つものもある。中には変形する細胞と鞭毛を共に持つものがあり、この類と[[鞭毛虫]]をまとめて肉質鞭毛虫類などとすることもある。▼ 肉質虫 (Sarcodina) は、原生動物の最上位の分類単位の一つとして使われた言葉である。典型的かつ最も有名なのは[[アメーバ]]である。かつてこの群に所属された主な分類群には、アメーバ類（葉状仮足、無殻・有殻）、糸状仮足のアメーバ類（無殻・有殻）、有孔虫類、太陽虫類、放散虫類がある。この他に、とりあえずこれらに含ませたものの、それでいいのか、という議論が絶えず出る群がいくつもある。上記の個々の群の中でも、多系統であると考えられる場合もある。[[#下位分類]]も参照。 === 粘菌類の扱い === 典型的かつ最も有名なのは[[アメーバ]]である。裸の細胞で、細胞が変形して、その内部が流れるようにして移動する。この運動を[[アメーバ運動]]と言い、その際に生じる移動方向に伸ばされた細胞の突出部を偽足あるいは仮足という。粘菌類をこれ肉質虫に含めるかどうかには長い議論の経過がある。20世紀初頭に粘菌類を原生動物として扱うべきとの提案が出た。その場合、名称としては'''動菌'''類 (Mycetozoa) が使われた（これについては[[変形菌門 (旧)]]を参照）。~~しかし、~~後に粘菌類は[[菌類]]と見なされることが多くなり、原生動物からは外す傾向が強まった。~~しかし~~さらに、20世紀末よりの[[分類学]]の大きな変化の中で、粘菌類は菌類とは掛け離れたものと見なされる傾向が強まった。他方で、原生動物の既製の群について、それらが多系統的であるとの判断が広まったことから、~~どうせ~~便宜的な群にすぎな~~らばまとめてしまえ的な扱~~い~~にもなっ~~た~~らしい。~~め、改めて粘菌類をここに含める例が増えている。▼ === 根足虫 === アメーバを含む分類群に対して[[根足虫]] (Rhizopoda) という語はも、~~この群を指す言葉としては~~古くから使われ~~た言葉であっ~~ていたが、以下に述べるように、ここに含まれる群には様々なものがあり、アメーバのイメージからは見かけも偽足の様子も掛け離れたものもある。そこで根足虫をアメーバを含む一群の名とし、全体を含めるには肉質虫~~(Sarcodina)~~を用いることもあり、る。現在ではこちらの使い方をする方が多い。 == ~~様々な特徴~~形態と運動 == ~~肉質虫全体で見ると、偽足の形にはいくつかの型があり、それは大きな分類を考える時、重要なものとされている。~~ [[Image:Chaos diffluens.jpg\|right\|thumb\|葉状仮足を持つアメーバ類<br>(''Chaos diffluens'')]] ▲[[肉質虫~~]](Sarcodina)~~は~~、原生動物の最上位の分類単位の一つとして使われた言葉である。運動の仕組みとして、~~[[原形質流動]]に伴うよって[[細胞の]]を変形~~によって~~させ、[[偽足]]を形成することで運動する。~~[[繊毛]]~~肉質虫全体で見ると、偽足の形には持いくつかの型があり、それは大きな分類を考える時、重要なものとされている。またず、[[鞭毛]]は一時的に持つものもある。中には変形する細胞と鞭毛を共に持つものがあり、この類と[[鞭毛虫]]をまとめて肉質鞭毛虫類などとすることもある。 ▲[[Image:Actinophrys sol.jpg\|thumb\|軸足を持つ太陽虫類<br>(タイヨウチュウ ''Actinophrys sol'')]] [[アメーバ]]の作る偽足は、先端が丸く、幅が広いもので、これを'''葉状偽足'''という。 === 分類仮足 ===▼ [[粘菌]]類の変形体はアメーバに似るが、原形質の流れが速く、その流れる経路がはっきりした管の形になる傾向がある。これを'''粘液状仮足'''とも言う。アメーバは裸の細胞で、細胞が変形して、その内部が流れるようにして移動する。この運動を[[アメーバ運動]]と言い、その際に生じる移動方向に伸ばされた細胞の突出部を偽足あるいは仮足という。[[アメーバ]]の作る偽足は、先端が丸く、幅が広いもので、これを'''葉状偽足'''という。[[粘菌]]類の変形体はアメーバに似るが、原形質の流れが速く、その流れる経路がはっきりした管の形になる傾向がある。これを'''粘液状仮足'''とも言う。これに対して、幅が狭く、先端がとがって細長い円錐状になる偽足を糸状偽足という。この型のものは先に行くにつれて多少枝分かれするが、その先で融合して網を作ることはない。同じく糸状に見えても、[[有孔虫]]のそれはちょっと独特で、多くの顆粒を含み、細い偽脚の中で、先端向きと根元向きの細胞質の流れが共存する。また、先端の方で他の偽足と合流して、網状になる。これを'''顆粒性網状偽足'''と言う事もある。[[太陽虫]]、[[放散虫]]等の偽足は、細い針状で分枝せず、その中心にはっきりとした軸が走っているので、これを'''軸足'''（じくそく）という。これに対して、幅が狭く、先端がとがって細長い円錐状になる偽足を糸状偽足という。この型のものは先に行くにつれて多少枝分かれするが、その先で融合して網を作ることはない。同じく糸状に見えても、[[有孔虫]]のそれはちょっと独特で、多くの顆粒を含み、細い偽脚の中で、先端向きと根元向きの細胞質の流れが共存する。また、先端の方で他の偽足と合流して、網状になる。これを'''顆粒性網状偽足'''などと言う事もある。 [[太陽虫]]、[[放散虫]]等の偽足は、細い針状で分枝せず、その中心にはっきりとした軸が走っているので、これを'''軸足'''（じくそく）という。また、アメーバは裸の細胞で、その全体が変形しつつ運動するが、殻を持つアメーバもあり、その場合、運動は全体の変形というより、殻から出た偽足による運動、と言った様子になる。さまざまな偽足の群に、それぞれに裸のもの、殻を持つものがある。殻の形は群によってさまざまであるが、偽足を出す穴が必ずあり、それが一つならばそこから偽足を広げ、全体に多数の穴があれば、全面から偽足を外に伸ばす姿になる。 == 生活環 == [[生活環]]は分類群によって様々である。多くのものでは[[無性生殖]]として[[分裂]]が知られている。[[有性生殖]]は多様で、[[接合]]を行うもの、[[配偶子]]を形成するものなどがある。有孔虫では[[世代交代]]が知られている。また、アメーバ類では有性生殖が全く知られていない。放散虫や有孔虫では鞭毛を持つ[[遊走子]]の知られている例がある。 ~~放散虫や有孔虫では鞭毛を持つ[[遊走子]]の知られている例がある。~~ == ミトコンドリア == 生活環の多様性は、これらの群が~~、実はそれぞれ別~~進化的に異なる由来の系統~~であり、肉質虫という群が、様々な系統のものの~~から構成された寄せ集めであることの現れと見ることもできる。それは、他の形質からも推定されている。例えば[[ミトコンドリア]]の形質にもそれが見られる。ミトコンドリアは[[真核生物]]のほとんどすべてが持つ、重要な[[細胞小器官]]であり、[[酸素呼吸]]にかかわっているとされる。しかし、原生生物ではミトコンドリアに独特の形質のものが見られることが知られる。例えば、一般にミトコンドリア内膜のひだであるクリステは'''平板状'''であるが、[[ミドリムシ]]や[[トリパノソーマ]]のそれは先が膨らんだ'''団扇状'''になっており、この両者が近縁であることの証拠ともされる。これを肉質虫について見ると、アメーバ類のクリステは平板状である。これに対して、有孔虫類のそれは'''管状'''である。管状クリステは粘菌類や[[繊毛虫]]にも見られ、原生生物にはいくつもの群に見られる形質である。また、アメーバに似た姿の[[ペロミクサ]]には、ミトコンドリアがない。以下に、各群のクリステの形を示す。 38 ⟶ 36行目: クリステは管状：粘菌類・有孔虫類・放散虫（多泡類・濃彩類） == 下位分類表 ==▼ ▲== 分類 == ~~かつてこの群に所属させた分類群は、主なものだけで、以下のようになる。~~ アメーバ類（葉状仮足、無殻・有殻）糸状仮足のアメーバ類（無殻・有殻）有孔虫類太陽虫類放散虫類 ~~この他に、とりあえずこれらに含ませたものの、それでいいのか、という議論が絶えず出る群がいくつもある。~~ ▲粘菌類をこれに含めるかどうかには長い議論の経過がある。20世紀初頭に粘菌類を原生動物として扱うべきとの提案が出た。その場合、名称としては'''動菌'''類(Mycetozoa)が使われた（これについては[[変形菌門 (旧)]]を参照）。しかし、後に粘菌類は[[菌類]]と見なされることが多くなり、原生動物からは外す傾向が強まった。しかし、20世紀末よりの分類学の大きな変化の中で、粘菌類は菌類とは掛け離れたものと見なされる傾向が強まった。他方で、原生動物の既製の群について、それらが多系統的であるとの判断が広まったことから、どうせ便宜的な群ならばまとめてしまえ的な扱いにもなったらしい。改めて粘菌類をここに含める例が増えている。いずれにせよ、現在では、これらの分類群は多系統と考えられており、それぞれに独立した群であると見なされることが多い。上記の個々の群の中でも、多系統であると考えられる場合もある。 ▲== 分類表 == 以下にこの類を一つの群と見なした形での分類表を示す。実際にこの形、あるいはこれに近い形が使われる場合もあるが、系統的に意味のあるものとは言えないであろう。広く認められた、安定した体系は未だにない。実際には、ここで目や綱として扱っているものを、独立門と見なす例も多々ある。 68 ⟶ 52行目: *[[太陽虫]]綱 Heliozoea [[~~CATEGORY~~Category:原生生物\|にくしつちゆう]]

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