「テレコネクション」の版間の差分

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[[Image:QBO Cycle observed.png|thumb|right|300px|テレコネクションの例。赤道を中心とした南北各20度くらいの低緯度帯上空の成層圏では、2~32〜3年周期で揃って風向が逆転する現象が発生する(QBO)。西風は白色、東風は灰色に塗ってある。]]
'''テレコネクション'''({{lang-en-short|teleconnection}})あるいは'''遠隔相関'''(えんかくそうかん)、'''遠隔結合'''(えんかくけつごう)とは、離れた2つ以上の地域で[[気圧]]が[[シーソー]]のように伴って変化する現象である。テレコネクションによる気圧変化は、'''大気・海洋相互作用'''(たいき・かいようそうごさよう, {{langLang-en-short|atmosphere-ocean interaction}})によって[[天気]]や[[降水]]などの諸気象の変化を誘発し、結果的に[[天候]]が伴って変化する。
 
== 定義とメカニズム ==
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気圧差が拡大・縮小することによって[[気温]]・[[降水量]]・[[大気循環]]などが変化し、[[異常気象]]をもたらすことがある。
 
広義には[[モンスーン]](季節風)を発生させる大気循環なども含めることがあるがモンスーンにおいては気圧が毎年規則正しく変動するのに対し南方振動などは不定期に数十日数十年ごとに変動するものであり、両者は性質が異なる。
 
テレコネクションは、[[ロスビー波]]のような長周期の[[大気波]]の伝播によって発生する。ロスビー波は大陸・海洋の温度差や地形の高低差によって大気が揺すぶられて生じる自由振動の波の1つでロスビー波のエネルギーが伝わる方向に低気圧、高気圧のパターンが周期的に見られる。ロスビー波の伝播する時間スケールが長いため、テレコネクションに伴う気圧変動は数日数年もの周期であると考えられている。このほか、[[重力波 (流体力学)|重力波]]などさまざまな原因が指摘されているが未解明な部分も多い。
 
海洋の大規模な循環([[熱塩循環]])においても、テレコネクションのように海洋の流れが伴って変わる現象が見つかっている。
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![[大西洋数十年規模振動]]
|AMO||北大西洋||60~8060〜80
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![[南極振動]]
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![[マッデン・ジュリアン振動]]
|MJO||西太平洋・大西洋・インド洋各地の赤道域||1~21〜2ヶ月
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![[太平洋十年規模振動]]
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![[成層圏準2年周期振動]]
|QBO||成層圏赤道域各地||rowspan="3"|約2~32〜3
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![[中間圏準2年周期振動]]
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![[半年周期振動]]
|SAO||赤道域成層圏上部~中間圏下部/赤道域中間圏上部熱圏下部||約半年
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![[半球間振動]]
|IHO||北半球/南半球||style="white-space:nowrap"|3ヶ月~12〜12・13年
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![[ダイポールモード現象]]
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![[太平洋・北米パターン]]
|PNA||西太平洋赤道域/東南アジア北部/モンゴル日本/オホーツク海カムチャツカ南方沖/ベーリング海東部/北太平洋北部/北東太平洋中部/北西北米/南東北米
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![[西太平洋パターン]]
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|}
 
テレコネクションのうち、変動周期がおよそ10日以上1年以内のものを'''季節内振動'''(ISO, 季節内変動)と呼ぶ。熱帯赤道域で発生する[[マッデン・ジュリアン振動]]もこれに含まれる。このほかには夏の[[チベット高原]]地域(2週間周期)、モンスーン時の[[インド洋]](2週間周期)などでも季節内振動が発生する。
 
== 参考文献 ==
*[http://www.geog.or.jp/journal/back/pdf114-3/p460-484.pdf 季節数十年スケールからみた気候システム変動] 山川修治、Journal of Geography 114(3) 460-484、[[2005年]]
*[http://www.data.kishou.go.jp/kaiyou/shindan/sougou/html/2.3.html 海洋の健康診断表「総合診断表」 2.3 エルニーニョ現象] 気象庁,2007年1月31日
*[http://www.data.kishou.go.jp/kaiyou/shindan/sougou/html/col_2.3.html 【コラム】 エルニーニョ現象の予測技術] 気象庁、[[2006年]][[3月7日]]