「国民議会 (モルディブ)」の版間の差分

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議会と大統領の関係につき加筆, 正義党のリンク修正
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== 三権との関係 ==
モルディブ2008年憲法は、立法権は国民議会に属し(<span style="font-size:90%;">第5条</span>)、行政権(執行権)は大統領に属し(<span style="font-size:90%;">第6条</span>)、司法権は裁判所に属する(<span style="font-size:90%;">第7条</span>)と定めている。ここで問題となるのは、大統領と議会との関係である。大統領も、国民議会と同様の選挙権者による直接選挙で選出され(<span style="font-size:90%;">第108条</span>)、(1) 1回目の投票で総投票数の50%を超える得票の候補、(2) 1回目の投票で50%を超える得票の候補が現れなかった場合には、上位2名の候補による決選投票の勝者、のいずれかが大統領となる(<span style="font-size:90%;">第111条</span>)。すなわち、議会の選挙結果と大統領の選挙結果とは直接リンクしないのである。さらに内閣については、副大統領(<span style="font-size:90%;">大統領が選挙中に提示した人物が就任。第112条b項</span>)・大臣・司法長官により構成され、副大統領以外はその任命につき国民議会の承認を必要とする(<span style="font-size:90%;">第129条</span>)。
 
すなわち、議会の選挙結果と大統領の選挙結果とは直接リンクしないのである。さらに内閣については、副大統領(<span style="font-size:90%;">大統領が選挙中に提示した人物が就任。第112条b項</span>)・大臣・司法長官により構成され、副大統領以外はその任命につき国民議会の承認を必要とする(<span style="font-size:90%;">第129条</span>)。なお、議会内多数派の支持を受けて選出される「首相」(あるいは、それに相当する地位)は、現行のモルディブの国制では存在しない。
以上からモルディブの国制は、[[大統領制]]としては特に権力分立という面で典型的なシステムとなっていることがうかがえる。また、大統領と議会多数派との不一致が起こりやすいことも見てとれる。初の民主的な大統領選挙である2008年大統領選では、[[モルディブ民主党]]の[[モハメド・ナシード]]が勝利したが、ナシードは2回目の投票(決選投票)での勝者であり、1回目の投票では[[マウムーン・アブドル・ガユーム]]に大差を付けられての2位だったのである<ref>1回目の投票では、ナシード44,293票(得票率24.91%)、ガユーム71,731票(40.34%)。決選投票では、ナシード97,222票(53.65%)、ガユーム82,121票(45.32%)。</ref>。すなわち、ナシード個人ないしモルディブ民主党単体として国民議会で優位な地位を築くことは、この時点ですでに厳しいことが明らかとなっていた。現実に翌2009年の総選挙(国民議会選挙)では、大統領与党のモルディブ民主党は過半数を制するどころか、ガユームの影響力が強い野党の[[モルディブ人民党]]に遅れをとる第2党に甘んじてしまう<ref>ただし全体の得票率という点では、モルディブ民主党(30.81%)はモルディブ人民党(24.62%)を上回っており、モルディブ民主党はかなりの程度で巻き返しに成功していたと言える。</ref>。このような大統領と議会との「ねじれ」は、ナシード政権が2012年初めの混乱、崩壊にまで至る原因の1つとなった。
 
以上からモルディブの国制は、[[大統領制]]としては特に権力分立という面で典型的なシステムとなっていることがうかがえる。また、大統領と議会多数派との不一致が起こりやすいことも見てとれる。初の民主的な大統領選挙である2008年大統領選では、[[モルディブ民主党]]の[[モハメド・ナシード]]が勝利したが、ナシードは2回目の投票(決選投票)での勝者であり、1回目の投票では[[マウムーン・アブドル・ガユーム]]に大差を付けられての2位だったのである<ref>1回目の投票では、ナシード44,293票(得票率24.91%)、ガユーム71,731票(40.34%)。決選投票では、ナシード97,222票(53.65%)、ガユーム82,121票(45.32%)。</ref>。すなわち、ナシード個人ないしモルディブ民主党単体として国民議会で優位な地位を築くことは、この時点ですでに厳しいことが明らかとなっていた。現実に翌2009年の総選挙(国民議会選挙)では、大統領与党のモルディブ民主党は過半数を制するどころか、ガユームの影響力が強い野党の[[モルディブ人民党]]に遅れをとる第2党に甘んじてしまう<ref>ただし全体の得票率という点では、モルディブ民主党(30.81%)はモルディブ人民党(24.62%)を上回っており、モルディブ民主党はかなりの程度で巻き返しに成功していたと言える。</ref>。このような大統領と議会との「ねじれ」は、ナシード政権が2012年初めの混乱、崩壊にまで至る原因の1つとなった。
 
現実に翌2009年の総選挙(国民議会選挙)では、大統領与党のモルディブ民主党は過半数を制するどころか、ガユームの影響力が強い野党の[[モルディブ人民党]]に遅れをとる第2党に甘んじてしまう<ref>ただし全体の得票率という点では、モルディブ民主党(30.81%)はモルディブ人民党(24.62%)を上回っており、モルディブ民主党はかなりの程度で巻き返しに成功していたと言える。</ref>。このような大統領と議会との「ねじれ」は、ナシード政権が2012年初めの混乱、崩壊にまで至る原因の1つとなった。
 
なお2015年現在では、[[モルディブ進歩党]]の[[アブドゥラ・ヤミーン]]が大統領となり、議会の過半数を同党が占めている状況であり、大統領と議会内多数派との不一致という点では解消がなされれた。
 
==最新の国民議会選挙==
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| align="center"|[[正義党 (モルディブ)|正義党]](AP)
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