「有向点族」の版間の差分

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なお、添え字集合を有向集合にした事は、位相空間上の各点の近傍系が有向集合である(詳細後述)事と相性がよく、これも点列概念の不十分さを解消する上で一役買っている。
 
点列の極限で位相構造を特徴づけられない例としては、整列順序集合[0,ω<sub>1</sub>]に順序から定まる位相を入れた空間がある。ここで ω<sub>1</sub>は[[最小の非可算順序数]]である。実際この集合においてω<sub>1</sub>は明らかに[0,ω<sub>1</sub>)の閉包に属しているにも関わらず、[0,ω<sub>1</sub>)内のいかなる点列もω<sub>1</sub>に収束しない。なぜなら ω<sub>1</sub>の非可算性と「可算集合の可算和はまた可算集合になる」という事実により、 [0,ω<sub>1</sub>)内の任意の点列に対し、点列に属する可算個の点のいずれよりも大きい順序数ωα<ω<sub>1</sub>が存在するので、 ω<sub>1</sub>の開近傍(ωα,ω<sub>1</sub>]には点列の点が存在せず、たがって点列はω<sub>1</sub>に収束していない事になるからである。
 
点列概念から可算性を取り除くもう一つの方法として、[[1937年]]に[[アンリ・カルタン]]によって生み出された'''[[フィルター]]'''の概念が知られているが、実はフィルターの概念は収束という観点から見た場合には有向点族の概念と実質的に同値である事が知られている。