「交響曲第3番 (サン=サーンス)」の版間の差分

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この作品の作曲についてサン=サーンスは「この曲には私が注ぎ込める全てを注ぎ込んだ」と述べ、彼自身の名人芸的な[[ピアノ]]の楽句や、華麗な[[管弦楽法|管弦楽書法]]、教会の[[パイプオルガン]]の響きが盛り込まれている。
 
この交響曲の最も顕著で独創的な特徴は、各所に織り込まれた、ピアノ(2手もしくは4手)およびオルガン、すなわち[[鍵盤楽器]]の巧妙な用法である。そのほか、この交響曲は通常の4楽章構造にしたがっているように見えるが、通常の意味での第1と第2、第3と第4の楽章はそれぞれ結合されており(それぞれを「楽章」と呼ばず、「第1部・第2部」としている)、これら2つの部分が実質的に1つの楽章として機能するため、2つの楽章に圧縮されていると言うことができる。サン=サーンスはここで、伝統的なスタイルも踏まえつつも新たなる新たな形の交響曲を意図していたのである。[[1875年]]の[[ピアノ協奏曲第4番 (サン=サーンス)|ピアノ協奏曲第4番]]や前年に初演された[[ヴァイオリンソナタ第1番 (サン=サーンス)|ヴァイオリンソナタ第1番]]でも同様の構成が採られている。
 
この交響曲はまた、[[循環形式|循環主題]]技法の創造的な用法を示している。サン=サーンスは[[フランツ・リスト]]と友人であり、初演直後に亡くなったリストにこの交響曲を献呈しているが、素材が楽曲全体を通じて進化してゆくというリストの主題変容の理論がこの交響曲には適用されている。