「近鉄6431系電車」の版間の差分

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これは当時近鉄が標準採用していたWNドライブは、中核をなすWN継手([[自在継手|ユニバーサルジョイント]]の一種)の小型化が困難であり、そのスペース確保のためには主電動機を小型化せざるを得なかった。しかしそれでは、車輪間隔の狭い狭軌線区用車両では、[[MT比]]1:1で運用するに十分な出力が得られず、特急電車として十分な走行性能を確保するためには、6800系同様に75 - 90kW級電動機による全電動車方式を採る必要があったことが一因であった。
 
設計当時名古屋線の改軌計画が既に発動していたことから、名古屋線専用特急車として狭軌向けWNドライブ車を新規開発するのは不経済に過ぎ、改軌後一般車に格下げすることを考慮すると、在来車と取り扱い同一で混結運用が可能な吊り掛け駆動車とし、改軌完了までの短い期間に運用上必要となる最低限の両数の建造に留めるのが最善の選択であった。<ref>狭軌線専用特急車の登場は[[1965年]](昭和40年)に[[近鉄南大阪線|南大阪線]]・[[近鉄吉野線|吉野線]]での特急の定期運行開始に伴って投入された[[近鉄16000系電車|16000系]]まで待たなければならなかった。</ref>
 
ただし、あまりに斬新な10000系と対をなす名古屋線向け新造車として建造されたことから、当時最新のシュリーレン式[[鉄道車両の台車|台車]]<ref>狭軌時代は[[近畿車輛]] KD-28 / 28A を、標準軌間への改軌後は KD-34 / 34A をそれぞれ装着した。いずれもシュリーレン式であるが、[[枕バネ|枕ばね]]に[[ベローズ]]式の[[空気バネ|空気ばね]]を装備し、しかも近鉄では初の長リンク式揺れ枕釣り([[ローリング|ロール]]抑止に効果がある)を採用した、10000系の KD-26 / 27 / 27A を上回るハイレベルな設計の前者に対し、後者はコストダウンを目的として短リンク式の金属ばね台車にグレードダウンしている。</ref>が装着されるなど、駆動系以外については当時の最新技術が投じられており、特に竣工当時のKD-28系台車の振動特性の良さが評価されている<ref>鹿島雅美「近鉄特急ものがたり -あれから60年 その2- 」『[[鉄道ファン (雑誌)|鉄道ファン]]』2009年8月号(通巻580号)、[[交友社]]、129頁</ref>。