「シャチ」の版間の差分
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== 分布 ==
一般的に冷水を好むが世界中の海に生息し、[[クジラ目]]としては珍しく[[地中海]]や[[アラビア海]]にも生息する。餌になる[[動物]]が多いことなどから、特に極地付近の沿岸に多く住む。主に[[カナダ]]の[[ブリティッシュコロンビア州]]・[[ノルウェー]]の[[ティスフィヨルド]]・[[アルゼンチン]]の[[パタゴニア]]・[[インド洋]]の[[クローゼット諸島]]などに住む個体群の研究が進んでいる。地球上で最も広く分布する哺乳類の一種と言われる。時には餌を求めて、数百kmも川を遡上することも報告されている。日本では[[北海道]]の[[根室海峡]]から[[北方地域|北方四島]]にかけてや、[[和歌山県]][[太地町]]にて度々目撃されている。
== 生態 ==
[[ファイル:Orca 2.jpg|thumb|ブリーチングするシャチ]]
非常に活発な[[動物]]であり、ブリーチング(海面へ自らの体を打ちつけるジャンプ)・スパイホッピング(頭部を海面に出し、辺りを見渡すためと言われる行動)など、多彩な行動が水上でも観察されている。また泳ぐ速さは時速60 - 70kmに及び、「泳ぎの達人」と呼ばれる[[ハンドウイルカ]]と並んで、哺乳類では最も速く泳ぐことができる生物のひとつである。餌を求めて1日に100km以上も移動することが知られている。また、好奇心も旺盛で、興味を持ったものには近寄って確かめる習性もある。
他のハクジラと同様、二つの種類の音を使い分けていることが知られている。一つはコールと呼ばれ、群れのメンバー同士のコミュニケーションに使用される。もう一つはクリック音と呼ばれ、噴気孔の奥にある溝から、[[メロン (動物学)|メロン]]と呼ばれる脂肪で凝縮して発射する音波である。この音波は物質に当たるまで水中を移動するため、シャチはその反響音を下あごの骨から感じ取ることで、前方に何があるか判断することができる。この能力をエコーロケーション(反響定位)と呼ぶ。クリック音の性能は高く、わずか数mmしか離れていない二本の糸を認識したり、反響音の波形の違いから物質の成分、果ては内容物まで認識することが可能だという。
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===ヒトへの危害===
シャチが、仲間に危害を加えた人間に報復したと見られるケースは報告されている。また、サーファーが足を噛まれた例があるが、これもじゃれたり、シャチ特有の好奇心の強さによるアプローチだとされ、捕食目的とは違うと見られる。ただし、もしシャチが現実に人間を襲ったとすれば、歯と顎の大きさから一溜まりもない。また、[[水族館]]で飼育されているシャチがステージ上にいた飼育員を水中にひきずりこみ溺死させる事件も起こっている<ref>[http://web.archive.org/web/20100227055849/http://www.asahi.com/international/update/0225/TKY201002250032.html 観客の目の前、シャチが女性調教係死なす-米の水族館〜朝日新聞社]</ref>。この事例の個体は過去にも飼育員と客を死なせており三人目の犠牲者だった。ただしこの場合は被害者は水中にいたという違いがある<ref name=NationalGeographic>{{Cite web |url=http://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/2359/ |title=調教師の溺死、通常と違うシャチの行動 |accessdate=2015-07-02 |author=Ker Than |date=2010-02-26 |publisher=ナショナル ジオグラフィック}}</ref>。
これまでにシャチが意図的に人を食い殺したというはっきりした事例は知られていないが、その巨体故にじゃれる程度でも場合によっては被害を被る可能性もあり、安全とは言い難い部分もあるので、触れあったりする場合にも、細心の注意をするに越したことはない。これはシャチに限らず、大型の動物類全てに言えることでもある。
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