「神経症」の版間の差分

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DSM-IIIは不安神経症を、パニック障害全般性不安障害に分離した
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19世紀以前において、[[脳]]や[[体]]に何も異常がないのに[[精神]](神経)が病に冒されたようになる病気をそう呼んでいた。当時はアカデミックの精神医学にしろ町の開業医にしろ、体に異常がないのに体や意識がおかしくなる精神疾患は原因不明と考えられており、このような精神疾患に神経症という名前が当てはめられた。[[ジークムント・フロイト|フロイト]]が[[精神分析]]という方法で神経症の患者を研究していたことが有名である。
 
精神障害の伝統的な分類は、神経症と[[精神病]]とであったが、この分類は不正確な診断をもたらしたために、より正確な診断を行うための『[[精神障害の診断と統計マニュアル]]』(DSM)と『[[疾病及び関連保健問題の国際統計分類]]』(ICD)が登場し使われるようになっている{{sfn|ヒルガードの心理学第15版|2012|loc=&sect;第15章心理障害}}。1980年のDSM-III(第3版)では神経症という語を廃止し、神経症性うつ病の多くは[[気分変調性障害]]に含められた<ref name="うつ病医療神経症">{{Cite book|和書|author=宮岡等|title=うつ病医療の危機|publisher=日本評論社|date=2014|isbn=978-4535984110|page=122}}</ref>。またDSM-IIIは不安神経症を、[[パニック障害]]と[[全般性不安障害]]に分離した<ref name="medscape431268">{{Cite journal |author=Catherine L. Woodman, MD|date=1997|title=The Natural History of Generalized Anxiety Disorder: A Review|url=http://www.medscape.com/viewarticle/431268|journal=Medscape Psychiatry &amp; Mental Health eJournal|volume=2|issue=3}}</ref>。パニック発作があるものと、そうではない持続的な不安―心配―をもつものとの分離である<ref name="medscape431268">
 
かつて強迫神経症と言われていたものは、精神分析の理論である[[超自我]]や[[肛門期]]固着などで解釈され、[[心理療法]]が治療の主体であった。近年では、[[選択的セロトニン再取り込み阻害薬]](SSRI)などの薬物が有効である可能性があり、[[強迫性障害]]と名を変えた。