「クラッチ」の版間の差分

→‎クラッチのメンテナンス: マニュアル・ガイドブック的な内容、独自研究の除去。
(→‎自動車等の走行クラッチ: 段落の再構成。主観的で誤った記述の独自研究を除去。)
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[[CVT]]を搭載した車種では、遠心クラッチが採用されている。
 
=== クラッチのメンテナンス ===
[[ファイル:PilotShaftGuideTool.jpg|thumb|200px|海外で販売される純正互換部品のクラッチキットに付属すること多いある樹脂製のパイロットシャフトガイドツール。クラッチカバーの装着の際に、クラッチプレートの芯出しのためにこのよを行な特殊工具が必要となるが、丸棒に粘着テープを巻いただけの簡易工具でも代用が可能である。]]
[[ファイル:Ford Cologne V6 2.9 back.jpg|thumb|200px|[[フォード]]V6エンジンを後方から見たところ。クラッチカバーがフライホイールに取り付けられている様子が良く分かる。カバー内部にクラッチプレートを入れておき、上記のツールで芯出しを行ってからトランスミッションをクラッチプレートのスプラインに差し込むようにしてエンジンと結合する。]]
乗用車などに利用されている摩擦クラッチは使用に伴ってクラッチフェーシングが消耗して動力を伝達できなくなるほか、クラッチカバーに組み込まれたトーションスプリングの座面にクリアランスが生じてジャダーが発生したり、クラッチカバーの可動部やレリーズベアリングも使用に伴って摩耗する。マニュアルトランスミッションを搭載した車両において、走行クラッチは使用状況に応じて複数の部品の交換が必要となる装置である。
クラッチは経年使用により摩擦材が摩耗し、最終的には滑り症状が発生して動力の伝達が不可能となるために、定期的に交換するか、滑りの症状が見られ始めたら直ちに交換することが必要である。
 
クラッチ操作機構の遊びを調整することが必要な場合がある。油圧によってペダルやレバーの動きを伝えて操作するクラッチの多くは遊びが自動的に調整されるが、スチール[[ロープ]]を利用したものは張りを調整する機構が設けられている。極端に遊びがなく、操作していなくても常にクラッチを切る荷重がかかっている場合は、クラッチフェーシングが消耗していなくても動力を伝達できない場合があり、逆に遊びが多すぎる場合は、操作してもクラッチが完全に切れなくなることがある。
一般的な乾式単板クラッチの場合、「加速の際にスピードが上がらず、エンジン回転数のみが上昇する現象が度々起こり始める」ことが滑りの初期症状である。[[オートマチックトランスミッション]]などの湿式多板クラッチの場合はこの滑り症状がある日突然現れ、一気に症状が悪化する<ref>ATの場合は前進も後退も全く不可能となる。</ref>ことが特徴的である。
 
仮にこの状態を放置した場合、摩擦板が完全に失われたクラッチプレートの金属部分が[[フライホイール]]やクラッチカバーのプレッシャープレートを切削してしまうため、最悪の場合[[フライホイール]]も使用不能となってしまう場合もある。
 
滑り症状の原因として、クラッチ板自体の極端な摩耗の他にクラッチ機構の調整不良も原因として挙げられる。現在の油圧式クラッチの多くはクラッチの遊びを自動調整するため、滑り症状の発生は摩擦材の寿命とほぼイコールであるが、比較的設計が古い車両に見られるワイヤー式クラッチの場合は、クラッチの遊びが手動で調整できるためにまずこの機構を用いて遊び調整を行ってみるのも良い方法である。
 
逆に、クラッチの遊びの設定が極端に少ない場合、'''クラッチの切れ不良'''と呼ばれる現象が発生する。クラッチペダルを踏み込んでも完全に動力が断絶されないために、かつてのノンシンクロミッションでは走行中の変速が非常に難しくなるトラブルとなって判明する場合が多かった。現在のフルシンクロトランスミッションではある程度の切れ不良でもシンクロ機構が同調を行うために変速その物は可能な場合が多いのだが、放置すればシンクロ機構に余計なダメージを与えることになる。現在の車両においてこの症状を判別する最も簡単な方法は、1速で少しだけ前進した後にクラッチを踏み、後退ギヤに変速してみることである。極端なギヤ鳴りを起こして後退ギヤにシフトレバーが入らないような場合にはクラッチ切れ不良を疑うべきである。
 
なお、クラッチ切れ不良はワイヤー式クラッチの場合はワイヤーの遊び調整機構の微調整で解決出来るが、油圧式の場合はクラッチカバーその物の不良による自動調整機構の作動不良が原因のため、この症状が現れた場合には原則としてクラッチカバーの交換が必要になる。
 
クラッチの不具合の中ではやや特殊な事例ではあるが、クラッチプレートのダンパースプリングが破断することで半クラッチ操作での衝撃が極端に大きくなったり、破断したスプリングの一部がクラッチプレートとフライホイール、或いはクラッチカバーの間に挟まり、クラッチが切れなくなるトラブルが稀に発生する場合がある。これは[[半クラッチ]]を余り行わずに一気にクラッチを繋ぐ操作を多用することで発生しやすい。この場合も、摩擦材の多寡にかかわらずクラッチプレートの交換が必要となる。
 
原則としてクラッチ交換の際にはクラッチプレート、クラッチカバー、レリーズベアリング、パイロットベアリング(装備されていない車両もある)の4点交換が推奨されるため、市販のクラッチ交換部品の中にはプレート、カバー、ベアリングの3点ないし4点セット(海外のキットの場合は更にパイロットシャフトガイドツールも付属することが多い)として一括販売される場合も多い。旧車などでクラッチキットが純正、社外互換共に手に入らない事例の場合はやむをえずクラッチカバーを再使用<ref>場合によってはプレッシャープレートを修正研磨するか、新規にプレッシャープレートを製作して分解交換する</ref>し、クラッチプレートは摩擦材の張り替えで対処する場合もある。
 
なお、1990年代以前に製造されたクラッチプレートの摩擦材には[[石綿]](アスベスト)を使用したものも多いため、製造時期が不明なクラッチプレートを使用している車体や、1990年代以前に製造された旧車でクラッチプレートの交換履歴が不明な場合には、クラッチの分解整備の際に'''クラッチの粉塵を絶対に飛散させない'''ように注意する必要がある。
 
== 脚注 ==
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