「タイヤチェーン」の版間の差分

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タイヤサイズに応じて、タイヤチェーンにも異なるサイズがいくつか用意されている。また、米国自動車技術界([[SAE]])によって、自動車の駆動輪の周囲の最小間隙に適合するタイヤチェーンなどの冬用駆動補助装置を区分する"SAE Clearance"が規定されている。SAE Clearanceは、タイヤトレッドから最も近い障害物までの距離と、内側サイドウォールから最も近い障害物までの距離との両方で規定される。"W"、"U"および"S"の3段階あり、適合するタイヤ周辺の間隙は"W"が最も大きく、"S"が最も小さい<ref>{{cite web|url=http://www.chainquest.com/sae_clearance.php|title=SAE Vehicle Clearance Classes for snow tire chains|publisher=Quality Chain Corporation|accessdate=2011-8-23}}</ref>。
 
4輪車ではタイヤチェーンは二を2輪のみに巻く場合と、4輪全てに巻く場合がある。4輪全てにチェーンを巻いた場合は乗り心地が悪化する一方で、2輪のみに巻いた場合に比べより高い雪道走破性を発揮する。2輪にチェーンを巻く場合は駆動輪の左右両輪に装着するように指示されていて、四輪駆動車の前後どちらでも装着可能な場合は前輪に装着することを勧める製品もある<ref name=manual1>{{cite manual |title =非金属チェーン バイアスロン クイックイージー 取扱説明書 | section =2-3 | publisher = 株式会社カーメイト| accessdate =2011-06-24 | page =8 }}</ref>。ただし、四輪駆動車の場合はそれぞれの車両の取扱説明書に記載されている装着輪は車種によって異なり、一般的には前輪駆動ベースであれば前輪、後輪駆動ベースであれば後輪に装着するように指示されている<ref name=manual1/>。前輪駆動車の場合は、旋回中や制動時だけでなく、直進中でも後輪が滑ってスピンの危険性があり、特に急制動で発生しやすい<ref name=manual2>{{cite manual |title =非金属チェーン バイアスロン クイックイージー 取扱説明書 | section =1-4 | publisher = 株式会社カーメイト| accessdate =2011-06-24 | page =4 }}</ref>。後輪駆動車の場合は、旋回中や制動時に前輪が滑ってステアリング操作が効かなくなることがある。また、駆動力をかけすぎるとチェーンを装着していても後輪が滑ってスピンする場合がある<ref name="manual2"/>。各製品の説明書によると、最高時速は金属製のチェーンで30km/h程度、硬質[[ポリウレタン]]または[[ゴム]]製のチェーンで50km/h程度に設定されている。また、取り付けの不備があったり限度を超えた使用をすると、チェーンが破損し車体に損傷を及ぼすこともある。このように操縦性や安定性には制約を伴うが、一般的な自動車に大きな改造を施すことなく、駆動力向上を図ることができる点が長所である。
 
各製品の説明書によると、最高時速は金属製のチェーンで 30km/h 程度、硬質[[ポリウレタン]]または[[ゴム]]製のチェーンで 50km/h 程度に設定されている。また、取り付けの不備があったり限度を超えた使用をすると、チェーンが破損し車体に損傷を及ぼすこともある。
 
タイヤチェーンは[[スタッドレスタイヤ]]以上に積雪路での滑り止め効果が高く、雪が深く積もった状況ではスタッドレスタイヤに重ねてチェーン装着を要する場合もある<ref>{{cite web|url=http://www.jaf.or.jp/qa/ecosafety/snowdrive/12.htm|title=JAF|クルマ何でも質問箱:ドライブ運転テクニック|チェーン規制時にスタッドレスタイヤは有効か?|publisher=一般財団法人日本自動車連盟|quote=通常のタイヤと比べると、雪上でのグリップ力は格段に優れていますが、雪道での走破性を考えると、やはりチェーンには敵わないものがあります。|accessdate=2014-03-06}}</ref>。日本の高速道路では「タイヤチェーン規制」が出ることがあり、この場合は駆動輪へのチェーン装着あるいは全車輪に冬用タイヤを装着することが義務付けとなっており、それ以外のタイヤ状態での走行はできない。但し場所によっては全車輪に冬用タイヤとタイヤチェーンの装着が必要となる場合もある<ref>{{cite web|url=http://www.jaf.or.jp/qa/ecosafety/careful/25.htm|title=JAF|クルマ何でも質問箱:ドライブ運転テクニック|チェーン規制に使用できるチェーンは?|publisher=一般財団法人日本自動車連盟|quote=高速道路でのタイヤチェーン規制に関しては、「駆動輪へのチェーン装着」または「全車輪に冬用タイヤ装着」することとされています。|accessdate=2014-02-26}}</ref><ref>{{cite web|url=http://www.jartic.or.jp/jartic_web/others/faqs.html|title=よく頂くご質問 [JARTICインフォメーション] 公益財団法人日本道路交通情報センター JARTIC|publisher=公益財団法人日本道路交通情報センター|quote=全車輪に冬用タイヤを装着していても、チェーンを装着しなければ通行できない、いわゆる 「チェーン装着車以外通行止」 の場合があります。|accessdate=2014-02-26}}</ref>。チェーンの脱着には自動車を停めて、車外で作業を行う必要があり、路上や路肩で脱着作業を行うと渋滞や事故の原因となる場合がある<ref>{{cite web|url=http://www.skr.mlit.go.jp/tokushima/report/info24/h250204/h250204-1.pdf|title=タイヤチェーン等を未装着の車が原因で立ち往生となり渋滞が発生した例|publisher=国土交通省四国地方整備局徳島河川国道事務所|accessdate=2014-03-06}}</ref>。こうした事故や渋滞の発生を防ぐため、積雪地域では国道や[[高速道路]]などにチェーン脱着場が設けられていて、道の駅や[[サービスエリア]]・[[パーキングエリア]]が兼ねているところもある<ref>{{cite web|url=http://www.hrr.mlit.go.jp/takada/road/toukidouro/h25/h25map-tirashi.pdf|title=登坂不能車は社会の大迷惑|publisher=国土交通省北陸地方整備局 高田河川国道事務所|accessdate=2014-03-06}}</ref>。
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; 金属チェーン(亀甲型、リング型<ref name="JAF13"/>)
: ハシゴ型と同様に鎖を部材としているが、進行方向に対して縦方向と斜め方向を組み合わせて[[亀甲]]型の構造となっている。近年は金属チェーンの主流となっている。前後方向のみならず横方向のグリップ性能もよく走破性に優れる<ref name="JAF13"/>。非金属チェーンよりも比較的安価だが乗り心地では劣る<ref name="JAF13"/>。切れても補修できるものもあるが相対的に重くなる。また、細くて強い合金を用いて乗り心地を向上させ軽量化されている製品もある。これらの高機能の製品では価格帯は高くなる。
 
; 金属チェーン(スプリング型、ワイヤー型、ケーブル型)
: 接地部を構成する部材により、スプリングチェーン、ワイヤーチェーン、ケーブルチェーンなどと呼称される。いずれの場合もハシゴ型に配置された製品がほとんどを占める。路面に接触する部材は鎖に比べると細く、走行性能や装着性能、乗り心地、耐久性、収納性が向上していると謳われている<ref>[http://www.hokume.co.jp/03/06/index.htm スプリングチェーン]([[北越メタル]])</ref><ref>[http://sccjapan.com/index.php?page=tirechain&top=overviewheader タイヤチェーン](SCC JAPAN)</ref><ref>[http://www.ikk-cable.co.jp/%20smoozy/index.html 簡単装着タイヤチェーン「スムージー」(石原金属化工)]</ref>。補修パーツが存在し切れても補修可能。
 
; 非金属チェーン
: 接地部がウレタンやゴムで作られていて、金属チェーンに比べると部材が細かい網目状に配置されている。一般に比較的容易に取り付けることができ、走行中の騒音や振動も抑制されている<ref name="JAF13"/>。接地部材の表面の硬度が金属よりも柔らかくなるため、圧雪やアイスバーンに対しする食いつきが弱く、これを補うために金属製のチップを接地面に配した物も多い。タイヤの接地面全体を覆う部分が多いものほど騒音と振動を抑制できるが装着の容易さでは劣り、反対に接地面を断続的に覆うことで車を動かすことなく手軽に装着できる構造とした製品もあるが乗り心地では劣る。接地面の半分しか覆われておらずチェーンの効果が小さい製品もある。折りたたみが十分にできないため収納スペースを大きく取るが、パーツごとに分割できる製品もある。分割できる製品は切れてしまった場合に部分的に補修できる。金属チェーンに比べると高価である。
 
; 布チェーン
: 特殊な繊維で織られた布をタイヤの接地面全体に被せる。他のタイプに比べると着脱が容易で、折りたたんでコンパクトに収納でき騒音と振動も少ないという利点がある<ref name="JAF13"/>。また、被せる構造であるため他のタイプのチェーンを装着できない車種でも利用でき装着可能な車種が広い<ref name="JAF13"/>。ただし、耐久性やグリップ力では他のタイプに劣る<ref name="JAF13"/>。値段は金属チェーンより高くウレタンタイプに近い。比較的新しい種類のタイヤ滑り止めであるが、大手自動車会社も純正品として取り扱いを始めている<ref name="JAF25">{{Cite web|url=http://www.jaf.or.jp/qa/ecosafety/careful/25.htm|title=チェーン規制に使用できるチェーンは?|publisher=日本自動車連盟|accessdate=2013-12-10}}</ref>。ただし、一般には緊急時などに短期的に使用する用途向きであり、冬の期間にタイヤの滑り止めがたびたび必要となる地域で使うには向いていない。また、積雪路や氷結路以外を走ると繊維を激しく傷めてしまう。布チェーンには注意書きでチェーン規制時には現場係官の指示に従うように表示されている<ref name="JAF25"/>。
 
; オートバイ用
: オートバイ用のタイヤチェーンも古くから製品化されていて、[[新聞配達]]、[[郵便配達]]用の[[オートバイ]]で広く用いられている。金属チェーンと接地面にスパイクを配した非金属チェーンがあり、いずれもハシゴ形である。