「石器時代」の版間の差分

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== 概要 ==
石器時代という時代区分は[[デンマーク]]の考古学者[[クリスチャン・ユルゲンセン・トムセン]]によって名付けられた。彼は一定の原理に基づいて、人類は、石以外に[[金属]]を知らない石器時代、[[鉄]]をまだ使っていない[[青銅器時代]]、[[鉄器時代]]の順に発達した、と[[1836年]]に「北方古物学の手引き」でまとめた。そして、この時代区分は[[スカンジナビア]]とその周辺地域に適用できることを述べている。この三時代区分によって、[[考古学]]的な整理がつくが、世界のどの地域でも当てはまるかというとそうではなく、青銅器時代を経ない地域も存在する。
 
== 時代区分 ==
トムセンが一定の原理に従って定めた三時代区分法は、その後拡張解釈され、また別な基準に従って細分され、本来の意義から大きくそれていった。[[イギリス]]の考古学者[[ジョン・ラボック]] (Sir John Lubbock 1834 - 1913)によって[[1865年]]に石器時代は2つに分割された。絶滅動物と[[打製石器]]を使っていた時代を[[旧石器時代]] (Palaeolithic Period)、現生動物の存在と[[磨製石器]]を使うようになった時代を[[新石器時代]] (Neolithic Period) と二つに分けられた。[[地質時代]]でいうと前者が[[更新世]]に属し、後者が[[完新世]]に属する。
 
この古典的な時代区分が、世界的に採用・適用されるようになり、新石器時代に、新たに[[土器]]の発明や[[農耕]]と[[牧畜]]の開始の要素が加えられた。しかし、研究が進むにしたがい、各地域では石器時代が多様に展開・発展していることが分かってきて、既述の要素が必ずしも同時に当てはまらない地域も出てきた。例えば農業が始まっているのに土器が出現していないと、」「磨製石器があるが農業は見られないというような考古学的事実が明らかになってきた。そこで、イギリスの考古学者[[ゴードン・チャイルド]] (Vere Gordon Childe 1892 - 1957) は、基本要素を食料採集から食料生産への転換とし、農耕や牧畜の両方か、どちらかが始まっていれば新石器時代とした<ref group="注">彼は、この転換を産業革命に匹敵するものと考えて「[[新石器革命]]」(ネオリシック・レボルーション)という言葉をつくった。</ref>。
 
そこで、[[打製石器]]と[[磨製石器]]との過渡期でどちらにも入らない時代を[[中石器時代]] (Mesolithic Age) とすることが[[1909年]][[ジャック・ド・モルガン]] (Jacques de Morgan) によって提唱されている<ref group="注">人類社会の発展を野蛮・未開・文明の3段階に分けた。</ref>。しかし、その後の調査・研究の進展により、中石器・新石器時代の本来の概念は風化していった。
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旧石器時代は、200万年前から紀元前1万年の間とされている。地質学的にいうと、人類が絶滅した動物と共存していた更新世に属する。また、[[ホモ・ハビリス]]が石で道具を作り始めた時期でもある。考古学的にいうと、打ち欠かれた石の道具である打製石器という単純な石器を使用して[[狩猟採集社会|狩猟・採集生活]]を営んでいた時代でもある。
 
旧石器時代をさらに前期、中期、後期に区分する時代区分が行われる<ref group="注">但し地域によって前期・後期の2分法をとるべきとする研究者もいる</ref>
 
弓矢が無かった為石を削り獲物に投げつけて狩をしていた。
 
=== 前期旧石器時代 ===
地域によって異なるが、約200万年前~約10万年前の期間とされている。[[ヨーロッパ]]・[[中近東]]・[[中央アジア]]では、[[ホモ・ハビリス]]や[[ホモ・エレクトス]]が生息していた。アジアではホモ・エレクトスの一種、[[北京原人]]・[[藍田原人|藍田(らんでん)原人]]・[[ジャワ原人]]がよく知られている。
 
この時代には、[[日本列島]]に人類は住んでいなかったと推測されている。
 
=== 中期旧石器時代 ===
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{{main|新石器時代}}
 
地域によって違うが、[[オリエント]]では紀元前8000年頃に、[[中央アメリカ|中米]]や[[メソポタミア]]では、紀元前6000年頃に始まった。
地質学的にいうと、人類が現生動物と共存する完新世に属し、磨かれた石の道具である磨製石器を主な道具としていた時代でもある。この頃になると[[土器]]の使用、農耕や家畜の飼育が始まり、自給自足の生活へと変わっていったことから「[[新石器革命]]」とよぶことがある。しかし始まりの時期が違うように、生活様式は、地域で大分違っていた。例えば日本の[[縄文時代]]も新石器時代に位置づけられるが、日本で農耕が発達するのは縄文時代中期以降であり、牧畜は縄文時代を通じて存在しなかった<ref group="注">日本は、石器時代から近世まで南九州や南西諸島を除き牧畜が発達しなかった点で特異である</ref>
 
== 地質時代と石器時代の対応表 ==