「クラッチ」の版間の差分

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マニュアルトランスミッションを搭載した乗用車や小型貨物車の場合、'''クラッチディスク'''({{lang-en-short|clutch disk}})と呼ばれる1枚の円板を'''クラッチカバー'''({{lang-en-short|clutch cover}})と呼ばれる圧着機構によって[[フライホイール]]に押しつけて挟む構造の乾式単板ディスククラッチが一般的に利用されている<ref name=masuda>{{cite book|和書|author=益田明|year=2008|title=ひとにやさしい自動車工学基礎講座 NO1自動車の歴史と構造|publisher=工学研究社|isbn=4876465444}}</ref>。クラッチディスクはトランスミッションのインプットシャフトに支持され、スプラインを介してトルクを伝達し、軸方向には自由に摺動できる<ref name=masuda/>。クラッチディスクの基部材である鋼板の両面には'''クラッチフェーシング'''({{lang-en-short|clutch cover}})と呼ばれる摩擦材が取り付けられていて、クラッチフェーシングの材質には繊維や金属粉を樹脂で成型したものが用いられている<ref name=masuda/>。古くは繊維材質のひとつとしてアスベストが用いられていた<ref name=masuda/>。クラッチフェーシングが取り付けられた鋼板と、スプラインを備えたハブとの間には'''トーションスプリング'''({{lang-en-short|torsion spring}})と呼ばれるバネが複数個あり、クラッチ接続時に生じる急激なトルクの変化を緩和している<ref name=masuda/>。クラッチカバーはフライホイールに固定され、エンジンと同じ回転速度で回転する。クラッチカバーにはクラッチディスクの片面にあるクラッチフェーシングと接触し面圧を与える'''プレッシャープレート'''({{lang-en-short|pressure plate}})やプレッシャープレートに圧着荷重を与える'''クラッチスプリング'''({{lang-en-short|clutch spring}})、ならびにそれらを支持し、動作させるための複数の部品が組み込まれ<ref name=masuda/>、これらを含んだサブアッセンブリをクラッチカバーと呼ぶ場合が多い。クラッチスプリングには乗用車や小型貨物車では'''ダイヤフラムスプリング'''({{lang-en-short|diaphragm spring}})と呼ばれる薄い円錐形状の板バネが用いられるのが一般的で、中央付近を軸方向に押す(あるいは引く)ことで円周部が逆方向に移動し、プレッシャープレートにかけた荷重を弱める<ref name=masuda/>。競技用に改造した自動車では摩擦材を変更したりクラッチプレートの枚数を増やすなどといった方法でクラッチ容量を強化する場合がある。またエンジンのトルク変化をよりダイレクトに伝達させるためにトーションスプリングを廃したクラッチプレートが利用される場合もある。
 
クラッチは[[操縦席|運転席]]に備えられた足踏み式の[[クラッチペダル]]を踏み込むとクラッチが切れ、放した状態でクラッチが繋がる。る。ペダルは運転者から見て左端に配置され、左足で操作を行うのが通常である。踏み加減を中間の状態にすると「[[半クラッチ]]」と呼ばれる、滑りながら部分的に動力を伝達する状態となり、踏み加減を調整して滑りと伝達のバランスをとりながら滑らかに繋ぐ操作ができる。特に発進する際には急速にクラッチを繋ぐと[エンスト]]を起こしたり車体挙動が不安定になったりするため、半クラッチを利用して滑らかにクラッチを繋ぐ技能が必要となる。
 
マニュアルトランスミッションを搭載した車種に、流体クラッチと摩擦クラッチが組み合わせて採用された例がある。三菱自動車は1980年に発売された4代目[[三菱・ギャランΣ]]のガソリンターボ車とディーゼルターボ車に「フルードカップリング」として採用し、マツダは2代目[[マツダ・ルーチェ|ルーチェ・ロータリー]]や[[マツダ・パークウェイ|パークウェイ・ロータリー26]]などのロータリーエンジン車に「トルクグライド」として採用した。いずれも、通常の5速MTのパターンにATと同じく駐車用のPポジションが設けられている。{{要出典範囲|date=2015年10月|自動車競技に用いられる車両には円錐クラッチが用いられる例もある}}。
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