「トラクションコントロールシステム」の版間の差分

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{{出典の明記|date=2015年7月}}
'''トラクションコントロールシステム'''(Traction({{lang-en-short|Traction Control System、略称, TCS)TCS}})は[[自動車]]の制御機構の一種で、発進・加速時のタイヤの[[空転]]を防止する装置である。一般的に使用される略称は'''TCS'''であるが、[[トヨタ自動車]]では、'''TRC'''('''TR'''action '''C'''ontrol)、[[三菱自動車]]では、'''TCL'''('''T'''raction '''C'''ontro'''L''')という異なる略称をそれぞれ用いて呼称している。'''アンチスリップレギュレーション'''(Anti({{lang-en-short|Anti-Slip Regulation、略称ASR), ASR}})とも呼ばれる。近年では[[オートバイ]]でも採用されている。
 
== 概要 ==
 
== 機構 ==
トラクションコントロールシステムは大きく分けて、車輪の回転を検出する[[センサー]]と空転を抑える動作を行うアクチュエータ、センサーからの信号に基づいて計算を行いエンジンやアクチュエータを制御する[[組み込みシステム|電子制御ユニット]](lang-en-short|Electronic Control Unit, ECU}})で構成されている。車輪の回転を検出するセンサーは各車輪に取り付けられ、駆動輪に取り付けられるものを'''駆動輪速度センサー'''、駆動輪ではない車輪に取り付けられるものを'''従動輪速度センサー'''と呼び分ける場合がある。車輪の回転に従ってパルス信号を発生するセンサーで、これを基にECUが各輪の回転速度を計算する。電子制御ユニットは、ある駆動輪が他の車輪よりも極端に回転速度が速い場合は空転したと判断し、空転している駆動輪の回転を抑える制御を行う。
大きく分けて以下のような部品で構成されている。
 
駆動輪の回転速度を制御するために、トラクションコントロールの電子制御ユニットはエンジンコントロールユニットにエンジンの出力を抑える信号を送り、[[燃料]]供給量を絞ったり、点火を停止したり、あるいは電子制御[[スロットル]]を搭載した車種ではスロットルを絞ったりといった制御を行う。トラクションコントロールシステム用のサブスロットルを別に設けているものもある。さらに、アンチロック・ブレーキ・システムのシステムを応用して、空転している駆動輪に[[ブレーキ]]をかける制御を行うものも広く普及している。[[オートマチックトランスミッション]](AT)のシフトスケジュールをトラクションコントロールシステム作動時用に切り替える車種もある。
* 空転を検知するための[[センサー]]類
* [[システム]]の中枢である[[エンジンコントロールユニット|ECU]](Electronic Control Unit)
* 実際に空転を抑える動作を担う各種部品
 
実際にはメーカーによって細かい部品構成は異なるものの、このように大きく3つに分けることができる。空転防止の動作のプロセスは次の通りである。
 
トラクションコントロールシステム装備車には、4つの車輪それぞれに車輪速度センサーが取り付けられている。[[二輪駆動]]車においては、駆動輪に取り付けられるセンサーは駆動輪速度センサー、駆動輪ではない車輪に取り付けられるセンサーは従動輪速度センサーと呼び分ける場合がある。これらのセンサーを空転検知のために使用する。このセンサーで、常に四輪それぞれの回転速度のデータをECUと呼ばれる[[コンピュータ]]に送っている。
 
ECUとは、[[組み込みシステム|マイコン]]の一種であり、空転の有無の把握をしたり、空転が発生したら、それを抑制しようとエンジン系の制御部品に命令を発したりする、トラクションコントロールシステム全体を司るコンピュータである。ECUは四輪それぞれの回転速度を各輪比較しながら常にチェックしており、もし四輪全輪のうち、駆動輪片輪、もしくは両輪がそれ以外の車輪より回転速度が上がった場合、その車輪は空転を起こしている、もしくは空転を起こしかけているとECUが判断する。
 
車輪速度センサーから得られたデータによってECUが空転を検知したら、空転を起こしている駆動輪に伝達されている駆動力を調節して空転状態を解消すべく、ECUはエンジン系の制御部品にエンジンへの[[燃料]]供給量を絞るよう信号を送る。そのエンジン系の制御部品とは、非トラクションコントロールシステム装備車にも搭載されているような既存の制御部品である、電子制御[[スロットル]]もしくは[[燃料噴射装置]]であり、これを活用して燃料供給量を制御して駆動力を調節する。メーカーによっては、トラクションコントロールシステム用のサブスロットルを別に設けているものもある。
 
メーカーによっては、エンジン系の制御部品による駆動力調節に加え、[[アンチロック・ブレーキ・システム]]のような[[ブレーキ]]系の制御部品にもECUが信号を送って、空転を起こしている車輪に制動力を加えさせ、空転状態解消の一助とさせようとするものもある。または、[[オートマチックトランスミッション]](AT)にも働きかけて、ATのシフトスケジュールをトラクションコントロールシステム作動時用に切り替えさせるものもある。
 
== オフスイッチ ==
万一誤って自動のタイヤがぬかるみや砂地、深い雪にはまって走行できなくなってしまった場合(「スタック」と呼ばれる状態)、アクセルペダルを深く踏み込んで意図的に駆動輪を空転させるほどの駆動力をもってから脱出を試み際に、トラクションコントロールシステム搭載車の場合、システムが空転を防止しよう動作する駆動エンジンの出力を抑えてしまうためにこの手段脱出取れ困難とくなってしまう。よってトラクションコントロールシステム搭載車はういう状況を想定してとからトラクションコントロール運転中に操作できる位置に任意でシステムの機能オフに停止するスイッチが運転席そばの[[センターコンソール]]、もしくはインストルメントパネルに設置されている場合が多い<ref>{{cite web|url=http://toyota.jp/corollafielder/spec/om20/|title=トヨタ カローラ フィールダー | スペック・装備 | 運転を補助する装置 | トヨタ自動車WEBサイト|publisher=トヨタ自動車株式会社|accessdate=2015-11-2}}</ref>。[[横滑り防止機構]]装備車では、横滑り防止機構の機能オフスイッチの使用によって、トラクションコントロールシステムの機能も同時にオフにできるようになっているものもある。たいていのものはシステムを停止させたままでも、いったんイグニッションスイッチを切ると、次にイグニッションスイッチを入れた際には自動的に再びシステムが動作可能な状態に待機するように設定されている。車種によってはある一定速度(例えば時速40km)を超えるとトラクションコントロールシステムの機能がオンになるものもある。
 
このスイッチは、意図的に駆動輪を空転させて俊敏な加速をしたりするようなレーシーな走りを行いたい場合にも活用はできるが、車種によってはある一定速度(例えば時速40km)を超えるとトラクションコントロールシステムの機能がオンになるものもあるので、この場合はトラクションコントロールシステムを無効にした走行は限定される。たいていのものはトラクションコントロールシステムをオフにしたままエンジンを切った場合でも、次回エンジン始動時は再びトラクションコントロールシステムの機能がオンになるように設定されている。
 
これら自動オン機能は、安全面を考慮してのメーカー側の配慮によるものであるが、そのような点や事故防止の観点からも、このトラクションコントロールシステムのオフスイッチは、緊急時でない限りむやみに使用する行為は慎んだほうが良いといえる。
 
== モータースポーツ ==
[[モータースポーツ]]においては、特にレースのスタート時やコーナーからの立ち上がりにおいて、一般車両走行時よりはるかに大きな駆動力がタイヤに与えられることになる。また、[[ラリー]]においては[[路面凍結|凍結路面]]や[[グラベル]]といった摩擦係数の低い路面が舞台となを走行する。こうした状況で空転を防いで、より行するためには、必然的[[1980年代]]から[[1990年代]]空転かけて多くのレース用車両にトラクションコントロール機能が導入された。しかし一方で、{{要出典範囲|date=2015年11月|こうした機構がドライバーの技能差防ぐ操作埋めてしまうためスポーツとしての興味そがれるという批判も多く、開発にかかる経費などを抑制する必要性も叫ばれ}}、トラクションコントロールシステムの搭載を認めいレースカテゴリもある。
 
このため、[[1980年代]]から[[1990年代]]にかけて多くのレース用車両にトラクションコントロール機能が導入されるようになったが、こうした機構がドライバーの技能差を埋めてしまうため、スポーツとしての興味がそがれるという批判も多い。ただし、トラクションコントロール介入寸前の「美味しい領域」を使いきれるか否かはドライバーの技能次第となる。また、開発にかかる経費などを抑制する必要性も叫ばれ、トラクションコントロール機能を禁止としたレースカテゴリもある。
 
=== F1 ===
[[フォーミュラ1|F1]]では[[1994年]]って降に使用禁止となったものの、ECUは各チーム独自のものを使用しているため、使用トラクションコントロール機能の有無を検査する手法がなく、やむなく[[2001年]]より使用を許可していた。しかし、[[2007年]]にトラクションコントロールに関するルールが[[国際自動車連盟|FIA]] により変更され、[[2008年]]よりECUのワンメーク化に伴い、再度使用禁止が決定した。
 
=== MotoGP ===
[[ロードレース世界選手権]]では、最高峰クラスが[[2002年]]よりそれまでの[[2ストローク機関|2ストロークエンジン]]500 ccのを搭載したGP500から、[[4ストローク機関|4ストロークエンジン]]を搭載したMotoGPクラスへと変更されたことで細やかな電子制御が使用可能となったことに加え、マシンやエンジンの熟成が進むにつれ2ストロークエンジン以上のトルク出力を発生することから、各メーカーがトラクションコントロールを導入している。F1などと異なりレギュレーション上使用が認められていること(これは自動車と違い駆動輪が1輪のみであることもあって、安全面を考慮してという側面もある)と、F1で使用されていた頃と比べ技術革新が進んでいることもあり[[グローバル・ポジショニング・システム|GPS]]などと連動させることで、サーキットの各コーナーごとに制御の強弱を変更するレベルまで熟成されている(なお[[2010年]]のレギュレーション改定でGPSと電子制御の連動が禁止されている)市販車両ベースで開催される[[スーパーバイク世界選手権]]でもトラクションコントロールの使用が認められており、その関係でベース車両となる[[スーパースポーツ]]車両の一部では市販車状態で装備されている車種も存在する。
 
== 脚注 ==
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== 関連項目 ==
{{自動車部品}}
{{自動車}}
{{オートバイ部品と関連技術}}
 
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