「マダラ」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
23行目:
 
== 分布・生息域 ==
[[黄海]]、[[日本海]]、[[東北地方]]以北の太平洋岸、北は[[ベーリング海]]、東は[[カリフォルニア州]]まで北太平洋に広く分布する。沿岸から[[大陸棚]]斜面の底近くに生息する。夏は深場に移り、水深800mくらいの[[深海]]にも生息するが、産卵期の冬は浅場に移動してくる。地域個体群が形成される<ref>[http://dx.doi.org/10.2331/suisan.67.67 東北地方および北海道太平洋側海域におけるマダラの系群構造] 日本水産学会誌 Vol.67 (2001) No.1 P67-77</ref>が、個体群間の交流はほとんど無いとされている<ref name="b4.19"/>。
 
== 形態・生態 ==
冷水域に生息し、生息上限水温は約12℃と推定されている<ref name="suisan.68.345"/>。最大で全長120 cm体重23kg程度<ref>[http://www.fishbase.org/Summary/SpeciesSummary.php?id=308 FishBase_''Gadus macrocephalus'']</ref>に達し、日本に分布するタラ類3種の中では最大種である。体色は褐色で、背側にまだら模様がある。[[スケトウダラ]]や[[コマイ]]と同様、下顎には1本の[[髭|ひげ]]があり、背鰭3基、臀鰭2基を備える。上顎が下顎より前に出ている。また、頭身が小さく、腹部が大きく膨らむ。
 
肉食性で、稚魚期は主に浮遊生物の[[カイアシ類]]、[[十脚類]]幼生等を、全長45mm以上になると底生生物の[[端脚類]]や十脚類稚仔を捕食している<ref name="suisan.68.345">[http://dx.doi.org/10.2331/suisan.68.345 森岡泰三、 桑田博:七尾湾北湾とその沖におけるマダラ稚魚の生息上限水温と食性] 日本水産学会誌 Vol.68 (2002) No.3 P345-350</ref>。
 
高緯度海域ほど成熟するまでに長い年数を必要とし、[[ベーリング海]]からカムチャッカ沖では5年 約60cm~70cm以上であるが中緯度の東北沖やワシントン州では3年 40cm程度である<ref name="b4.19"/>。[[北海道]]周辺海域での産卵期は12月-3月で、分離沈性卵を産卵する。1匹のメスの産卵数は数十万-数百万個に及び、これは魚類の中でも多い部類に入るが、成長できるのはごくわずかである。また、初回産卵魚は卵は大きさが小さく、産卵が遅れる、孵化率が低い、生存率が低いとの報告もある<ref name="b4.19">{{PDFlink|[http://www.fra.affrc.go.jp/bulletin/bull/bull-b4/19.pdf 成松庸二:マダラの生活史と繁殖生態] 水産総合研究センター}}</ref>。
41行目:
[[画像:Preserved_Codfish_Bodara.jpg|thumb|right|200px|棒鱈]]
<!--[[画像:chanja.jpg|thumb|150px|チャンジャ]]-->
[[北海道]]有珠10遺跡の縄文時代晩期の層からマダラの骨が出土し、耳石の分析から冬期に接岸した個体を捕獲し食用にしていたと推定されている<ref>[http://dx.doi.org/10.1537/ase1911.100.331 耳石にもとつくマダラ ('''Gadus macrocephalus''') 漁期の研究 有珠10遺跡出土マダラ耳石について] 人類學雜誌 Vol.100 (1992) No.3 P331-339</ref>。
 
=== 日本における利用 ===
[[底引き網]]、[[定置網]]、[[延縄]]、[[釣り]]などで漁獲される。20世紀後半頃からは[[輸入]]ものが多く流通している。[[富山県]]<ref>{{PDFlink|[http://jsnfri.fra.affrc.go.jp/publication/rt/7/3-5.pdf 粗放的生産(スパルタ飼育)により マダラ仔稚魚の健苗性向上を目指す] 水産総合研究センター}}</ref>などでは稚魚放流により資源回復を計る活動が行われている<ref>[http://dx.doi.org/10.2331/suisan.61.756 種苗生産過程におけるマダラ仔稚魚の体脂肪酸組成の変化] 日本水産学会誌 Vol.61 (1995) No.5 P756-761</ref>。
 
[[旬]]は[[冬]]。身は柔らかく脂肪の少ない白身で、[[ソテー]]や[[ムニエル]]、[[フライ (料理)|フライ]]などの他、汁物や[[鍋料理]]にもよく使用される。身を[[干物]]にした「[[棒鱈]]」(ぼうだら)も様々な料理に使われる。生のものを料理する際は傷みが早いことと身が柔らかいことに注意する必要がある。
68行目:
 
== 脚注 ==
{{Reflist}}
<references/>
 
== 関連項目 ==