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{{Infobox 艦級
|名称 = 千歳型水上機母艦
|画像 = Japanese seaplane carrier Chitose.jpg
|画像説明 =
|種別 = [[水上機母艦]]
|命名基準 =
|運用者 = {{navy|Empire of Japan}}
|建造所 =
|建造期間 =
|就役期間 =
|同型艦 = 「[[千歳 (空母)|千歳]]」「[[千代田 (空母)|千代田]]」
|計画数 =
|建造数 =
|前級 =
|次級 = [[瑞穂 (水上機母艦)|瑞穂]]
|要目注記 = 「千代田」竣工時<ref name="海軍造船技術概要pp761-762">[[#海軍造船技術概要]]pp.761-762</ref>
|基準排水量 = 11,023[[トン|英トン]]
|公試排水量 = 千歳 12,550[[トン]]<ref name="軍艦基本計画資料Sheet68">[[#軍艦基本計画資料]]Sheet68</ref><br />千代田 12,550トン<ref name="海軍造船技術概要pp761-762" /> または12,650トン<ref name="軍艦基本計画資料Sheet68" />
|満載排水量 = 11,023トン
|全長 = 192.50[[メートル|m]]
|水線長 = 183.9m<ref group="注釈">[[#昭和造船史1]]pp.794-795では183.00mとしている。これは[[#海軍造船技術概要]]pp.761-762によると千歳の建造訓令時の計画値。</ref>
|垂線間長 = 174.00m<ref name="昭和造船史1pp794-795">[[#昭和造船史1]]pp.794-795</ref>
|全幅 =
|水線幅 = 18.80m
|吃水 = 7.21m (公試状態<ref name="昭和造船史1pp794-795" />)
|深さ = 14.0m
|推進 = 2軸 x 290[[rpm (単位)|rpm]]<ref name="海軍造船技術概要p1684">[[#海軍造船技術概要]]p.1684</ref><br />直径4.000m、ピッチ3.900m<ref name="海軍造船技術概要p1684" />
|機関 =
|主機 = [[艦本式タービン]](高低圧) 2基<ref name="海軍造船技術概要p1684" /><br />+ [[艦本式ディーゼル|艦本式11号10型ディーゼル]] 2基<ref name="海軍造船技術概要p1684" /><br />(フルカン・ギア接続)<ref name="海軍造船技術概要pp1685-1686">[[#海軍造船技術概要]]pp.1685-1686</ref>
|出力 = 56,800[[馬力]]
|ボイラー = [[ロ号艦本式缶]](空気余熱器付)4基<ref name="海軍造船技術概要p1684" />
|速力 = 29.0[[ノット]]
|燃料 = 重油 1,600トン
|航続距離 = 8,000[[カイリ]] / 16ノット
|乗員 = 竣工時定員 699名<ref>[[#S12-12-1内令提要原稿/定員(1)]]画像25、『昭和十二年六月二十九日内令第二百九十八號改定 改正昭和十二年第八三〇號 | 第五十四表 | 水上機母艦定員表 其ノ二 | 千歳、千代田 | (詳細、備考省略) |』士官40人、特務士官16人、准士官26人、下士官190人、兵427人。[[#S13-12-25内令提要原稿/定員(5)]]画像22-25、『昭和十二年六月二十九日内令第二百九十八號改定 改正 昭和一二年第八三〇號、一三年第一〇一八號 | 第五十四表 | 水上機母艦定員表 其ノ二 | 千歳、千代田 | (詳細、備考省略) |』。昭和13年内令1018号(日付不明)で士官40人、特務士官16人、准士官26人、下士官195人、兵422人となるが、合計は変わらず。</ref>
|搭載量 = 補給用重油：2,750トン<br />爆弾：60kg260個、30kg480個<br />軽質油：200トン
|兵装 = [[四十口径八九式十二糎七高角砲|40口径12.7cm連装高角砲]]2基4門<br />[[25mm機銃|25mm連装機銃]]6基
|装甲 =
|搭載機 = 計画 [[九五式水上偵察機]] 常用24機、補用4機<br />呉式二号五型[[カタパルト|射出機]] 4基<ref name="写真日本の軍艦第4巻p164">[[#写真日本の軍艦第4巻]]p.164</ref><br />リフト(7x11.2m)
|搭載艇 = 11m内火艇2隻、(推定)12m内火ランチ2隻、8m発動機付ランチ2隻、9m救命艇2隻、(推定)6m通船1隻<ref group="注釈">[[#海軍艦艇公式図面集]]pp.112-115、『18、水上機母艦千代田 昭和14年 舷外側面 上甲板平面』。文字の読めない部分のあるものは形状、大きさから推定。</ref>
|C4I = <!--戦術情報処理装置やデータ・リンク装置など-->
|レーダー =
|ソナー =
|電子戦 = <!--省略可能; ECM, ESM装置など-->
|特殊装備 = <!--掃海装備など-->
|その他 = クレーン：40トン2基、20トン2基<ref name="日本航空母艦史p125中">[[#日本航空母艦史]]p.125中の写真とその解説。</ref>、4トン3基、計7基<ref group="注釈">[[#海軍艦艇公式図面集]]pp.112-115、『18、水上機母艦千代田 昭和14年 舷外側面 上甲板平面』。艦尾の「7番飛行機揚収用クレーン」の部分は文字つぶれているが「W=4T」(耐加重が4噸の意味)と読める。</ref>
|備考 = [[#甲標的母艦]]も参照。航空母艦時の要目は[[千歳型航空母艦]]を参照。
}}
'''千歳型水上機母艦'''(ちとせがたすいじょうきぼかん)は、[[大日本帝国海軍|日本海軍]]の[[水上機母艦]]の艦型。同型艦2隻。昭和18年に[[航空母艦]]へ改装された。
== 概要 ==
千歳型は昭和9年度の第二次海軍軍備補充計画（通称[[マル2計画]]）で建造された水上機母艦である。それまでの水上機母艦は他艦種からの改装艦で賄われており、本艦型が、日本海軍史上初の新造水上機母艦である。本型は単なる水上機母艦ではなく、
当初計画では、第1状態は水上機母艦として水上機24機を搭載。給油艦として重油2,750トンを他艦に補給可能。速力は29ノット。第2状態は甲標的12隻を搭載。水上機は12機、補給用重油は1,000トンとした状態だった。両艦とも第1状態で竣工、後に「千代田」のみ第2状態に改装され、太平洋戦争に参加、1942年(昭和17年)末には空母への改造に着手した。
その後の説明、および航空母艦としての要目は[[千歳型航空母艦]]を参照のこと。
== 計画 ==
1933年(昭和8年)、後に[[甲標的]]となる対潜爆撃標的(以後は甲標的と表記)搭載艦を設計していたが、以下の点を考慮することになった<ref name="海軍造船技術概要p747">[[#海軍造船技術概要]]p.747</ref>。
* 兼[[水上機母艦]]
* 兼高速[[給油艦]]
* 必要により艦上機の帰着甲板を設置できること
* 必要により[[航空母艦]]に改造できること
甲標的は軍機扱いであったので、平時の艦種は水上機母艦とした<ref name="海軍造船技術概要p747" />。
軍令部の要求は<ref name="海軍造船技術概要p747" />
* 基準排水量：8,000英トン
* 速力：20ノット
* 航続距離：8,000カイリ/16ノット
* 兵装：12.7cm連装高角砲 2基4門、25mm連装機銃 6基12挺
* 搭載機：八試水偵 24機(連続射出可能なこと)
* 搭載物件：補給用重油5,000トン、甲標的12機(この場合、水偵は減少しても良い)
[[ロンドン海軍軍縮条約]]により速力は20ノットに抑えられていた。水上機母艦もしくは高速給油艦としては20ノットで十分と考えられたが、甲標的母艦、また空母改造の際は30ノットが必要とされた<ref name="海軍造船技術概要pp747-748">[[#海軍造船技術概要]]pp.747-748</ref>。
その後[[友鶴事件]]が発生し、復元性を考慮した結果、最終的には速力29ノット、補給用重油は大きく減じ1,600トンとしてまとめられた<ref name="海軍造船技術概要p748">[[#海軍造船技術概要]]p.748</ref>。
空母への改造は格納庫の設置、バルジ装着、煙突の処理などの大改造となるため、主機の選定で考慮したのみで、その計画は後日とされた<ref name="海軍造船技術概要p753">[[#海軍造船技術概要]]p.753</ref>。
== 艦型 ==
=== 船体 ===
船体は平甲板型で<ref name="日本航空母艦史p123上">[[#日本航空母艦史]]p.123上の写真とその解説。</ref>、乾舷が高く、直線的な船体をしていた<ref name="写真日本の軍艦第4巻p139上">[[#写真日本の軍艦第4巻]]p.139上の写真解説</ref>。また復元性確保のためバルジを装着した<ref name="日本航空母艦史p123下">[[#日本航空母艦史]]p.123下の写真とその解説。</ref>。
2隻とも呉海軍工廠の建造艦で、両者に外見上の違いはほとんど無い<ref name="日本航空母艦史p124中">[[#日本航空母艦史]]p.124中の写真解説</ref>。わずかに蒸気捨管の配置や舷窓配置に違いが見られるだけという<ref name="日本航空母艦史p124中" />。ただ構造上、「千代田」は[[第4艦隊事件]]の教訓により上甲板が補強され、上甲板には厚鋼板が用いられた<ref name="海軍造船技術概要p754">[[#海軍造船技術概要]]p.754</ref>。
=== 航空兵装 ===
[[九五式水上偵察機]]24機、同補用4機を搭載する計画だった<ref name="海軍造船技術概要pp761-762" />。甲板には運搬軌条3条が前後に走っており、後部射出機の内側には艦内の格納庫から水偵を上げるリフトが装備された<ref name="写真日本の軍艦第4巻p163" />。連続射出可能とするため、上甲板の駐機スペースを広く取り、射出機4基を備えて30分間で連続射出可能とされた<ref name="海軍造船技術概要p751">[[#海軍造船技術概要]]p.751</ref>。ただし、上甲板に並べられる水偵は20機程度で24機を並べるためには艦を更に大きくする必要があったため、断念された<ref name="海軍造船技術概要p751" />。
ロンドン海軍軍縮条約では、航空機3機まで搭載する場合では射出機は片舷1基の計2基まで、航空機4機以上搭載の場合は射出機無しという制限があった<ref name="海軍造船技術概要p751" />。このため射出機2基を搭載し、2基は後に増設できるように考慮されたが、軍縮条約破棄後の竣工となったので計画通り射出機4基を搭載して竣工した<ref name="海軍造船技術概要p751" />。
航空機揚収用クレーンは帰着甲板後方支柱の後方に左右1基ずつ<ref name="写真日本の軍艦第4巻p131上">[[#写真日本の軍艦第4巻]]p.131上の写真及び解説</ref>、艦尾の左舷よりに折り畳み式クレーン1基を装備した<ref name="写真日本の軍艦第4巻p132上">[[#写真日本の軍艦第4巻]]p.132上の写真及び解説</ref><ref>[[#海軍艦艇公式図面集]]pp.112-115、『18、水上機母艦千代田 昭和14年 舷外側面 上甲板平面』</ref><ref group="注釈">[[#海軍艦艇公式図面集]]pp.112-115の公式図では『7番飛行機揚収用「クレーン」』と記載されている。一方[[#写真日本の軍艦第4巻]]p.132では『組み立ての水偵用「デリック」』と表記している。</ref>。
実際の運用では1938年10月時に「千歳」は8機を搭載<ref>[[#日本航空母艦史]]p.124上写真の解説</ref>、中国進出時の「千代田」は9機搭載といわれる<ref name="写真日本の軍艦第4巻p142上">[[#写真日本の軍艦第4巻]]p.142上の写真解説</ref>。機種としては九五式水上偵察機以外では、「千歳」の公試時の写真では[[九四式水上偵察機|九四式一号水上偵察機]]を搭載<ref name="写真日本の軍艦第4巻p130上">[[#写真日本の軍艦第4巻]]p.130上の写真及び解説</ref>、1940年頃の「千代田」は九四式二号水上偵察機の搭載も確認される<ref name="日本航空母艦史p125中" />。また、ミッドウェー海戦の頃の「千歳」の写真では[[零式水上観測機]]と[[零式水上偵察機]]を搭載していた<ref name="写真日本の軍艦第4巻p135下">[[#写真日本の軍艦第4巻]]p.135下の写真及び解説</ref>。
=== 帰着甲板 ===
艦上機の帰着甲板として長さ100m、幅20mが最小限の大きさとして要求された<ref name="海軍造船技術概要p752">[[#海軍造船技術概要]]p.752</ref>。構造物の設計研究のために実際に作ってみることにしたが<ref name="写真日本の軍艦第4巻p163" />、復元性の観点から長さを40m弱とし、甲板上に機銃、探照燈などを搭載して機銃甲板と称した<ref name="日本航空母艦史p125中" />。後述するように、帰着甲板の下に甲標的積み込み用ハッチが設けられたため、帰着甲板は甲標的積み込みに必要な高さとされた<ref name="海軍造船技術概要p752" />。
=== 対空兵装 ===
主砲としては12.7cm連装高角砲2基を艦首に背負式に搭載した<ref name="写真日本の軍艦第4巻p129">[[#写真日本の軍艦第4巻]]p.129の写真</ref>。対空機銃は計画通り25mm連装機銃6基を搭載、艦橋の前方に1基、左右に1基ずつ、残り3基は帰着甲板の後方に装備した<ref name="写真日本の軍艦第4巻p163艦型図">[[#写真日本の軍艦第4巻]]p.163の艦型図</ref>。
=== 機関 ===
本型は上記のように高速給油艦の任務も考慮されていたことから、自艦の燃料消費を抑えて、補給用重油の搭載量を増す必要があった<ref name="海軍造船技術概要p753" />。また甲標的母艦としては速力29ノットが要求されたため、主機はディーゼルとタービンの併用が採用された<ref name="海軍造船技術概要p753" />。全力運転での出力56,800馬力のうちタービンは1基22,000馬力、ディーゼルは1基6,400馬力を受け持ち、フルカン・ギアで接続した<ref name="海軍造船技術概要pp1685-1686" />。
ボイラーとタービンは[[初春型駆逐艦]]と同様のものを搭載した<ref name="海軍造船技術概要pp1685-1686" />。初春型の場合タービン1基で21,000馬力の計画だったが、公試で15%増までの過負荷に耐えられることが確認されたので、本型では力量を22,000馬力として計画された<ref name="海軍造船技術概要pp1685-1686" />。ボイラーは4基の搭載を考慮、速力を20ノットに制限する為に軍縮条約中はボイラー2基のみを搭載する計画だった<ref name="海軍造船技術概要p751" />。建造中に軍縮条約を破棄したので、ボイラー4基搭載、速力29ノットで竣工した<ref name="海軍造船技術概要p753" />。
一方ディーゼルは11号10型を2基搭載した<ref name="海軍造船技術概要pp1685-1686" />。1基6,800馬力の予定だったが、その使用実績から途中で1基6,400馬力に計画を変更した<ref name="海軍造船技術概要pp1685-1686" />。このためディーゼルのみで基準速力16ノットを出すことが出来なくなり、タービンに比較的大型の巡航タービンを追加して併用することになった<ref name="海軍造船技術概要pp1685-1686" />。
ボイラー用の煙突は艦内で前方に曲げ、前部マストの直後に設置した<ref name="公式図-艦内側面">[[#海軍艦艇公式図面集]]pp.112-113下、『18、 水上機母艦・千代田 昭和14年 艦内側面』</ref>。缶室(ボイラー室)直上の上甲板は搭載機用のスペースとなっている<ref name="公式図-艦内側面" />。一方ディーゼルの排気筒は帰着甲板の後部支柱まで導いた<ref name="写真日本の軍艦第4巻p130下">[[#写真日本の軍艦第4巻]]p.130下の写真、及び同p.131の写真解説</ref>。
=== 甲標的搭載設備 ===
総重量約42トンの甲標的を搭載する為、帰着甲板の支柱部分を使い片舷40トンと20トンのクレーンを1基づつ設置して1組とし、両舷より搭載出来るようにした<ref name="海軍造船技術概要p749">[[#海軍造船技術概要]]p.749</ref>。平時にはこのクレーンは[[艦載艇]]揚収用に使用した<ref name="海軍造船技術概要p751" />。また帰着甲板下の上甲板に甲標的が搭載出来る大きさの艙口(ハッチ)を設け艦内に収容、艙口にはマカンキン式に近い蓋を設けた<ref name="海軍造船技術概要p749" />。艦内の格納庫の艦尾部分には進水口は設けられなかったが、甲標的母艦に改造した際には容易に改造できるよう考慮された<ref name="海軍造船技術概要p751" />。<!-- 艦尾の平面形状もそれを考慮して平坦部のある形状になっている。-->甲標的の取り扱いを考えると格納庫の甲板高さは水面近くが良いが、格納庫への浸水防止も考慮して、水面上約1mとした<ref name="海軍造船技術概要p750">[[#海軍造船技術概要]]p.750</ref>。また万が一に格納庫に浸水した際もGM値が適正な値になるよう考慮された<ref name="海軍造船技術概要p750" />。
== 甲標的母艦 ==
[[1940年]](昭和15年)から翌年にかけて、段階的に「千代田」は当初の計画通り甲標的母艦に改装された<ref name="日本航空母艦史p125下">[[#日本航空母艦史]]p.125下の写真とその解説。</ref>。艦内の水偵用格納庫を改造し、甲標的移動用に軌条4組に3隻ずつ並べ計12隻を搭載、電動ウインチで移動させ、艦尾に設けた2個のトンネルを通り甲標的を発進させた<ref name="高橋治夫1989">高橋治夫「千歳型の特殊潜航艇発進設備」[[#写真日本の軍艦第4巻]]pp.138-139</ref>。速力20ノットとして甲標的を100秒間隔で発進、1回につき6隻を発進させ、計2回で12隻全部を発進させる予定だった<ref name="高橋治夫1989" />。2回に分けたのは外側の軌条は直接開口に繋がっておらず、内側の6隻が発進した後に外側の甲標的を内側に移動させる必要があったからである<ref name="高橋治夫1989" />。また、艦橋トップに甲標的指揮塔を設けたことが知られる<ref name="日本航空母艦史p125下" />。搭載機は12機とし、射出機も2基に減らされ、リフトは使用されなかった<ref name="海軍造船技術概要pp761-762" />。この時の「千代田」で変更になった主な要目は以下の通り<ref name="海軍造船技術概要pp761-762" />。
* 排水量 ：基準不明、公試12,350トン、満載13,000トン
* 水線長：183.8m
* 吃水：7.14m (公試状態)
* 航空兵装：水偵12機、射出機2基、軽質油100トン
* 甲標的：12基
* 補給用重油：1,000トン
「千歳」も同様の改装を施す予定だったが、結局改装されなかった<ref name="写真日本の軍艦第4巻p164">[[#写真日本の軍艦第4巻]]p.164</ref>。これは[[1942年]](昭和17年)の写真からも、その行動からも明らかである<ref name="写真日本の軍艦第4巻p165" />。
== 運用 ==
本型2艦は[[1938年]](昭和13年)に竣工、水上機母艦として中国方面へ支援に出勤した。上述の通り「千代田」は[[1940年]](昭和15年)から[[1941年]](昭和16年)にかけて第2状態である甲標的母艦に改装された<ref name="日本航空母艦史p125下" />。なお、開戦時の段階では空母改装は考慮されておらず<ref name="日本の航空母艦パーフェクトガイドp120">[[#日本の航空母艦パーフェクトガイド]]p.120。昭和14年の『戦時艦船飛行機搭載標準』（日本海軍の艦載機の搭載予定リスト）には、「[[新田丸級貨客船|新田丸級]]」「[[橿原丸級貨客船|橿原丸級]]」「[[龍鳳 (空母)|大鯨]]」などは航空母艦改装前ながら、空母として扱われているが、「千歳」「千代田」の両艦は水上機母艦のままである。</ref>、1939年時には新開発の「十二試二座水偵」を1隻当たり18機を搭載する計画があった<ref name="日本の航空母艦パーフェクトガイドp120" />。他の水上機母艦、[[重巡洋艦]]搭載の機と合わせて計84機の水上爆撃機隊を編成し、水上機母艦のままで攻撃空母として使用される予定だったのではないかとする推定もある<ref name="日本の航空母艦パーフェクトガイドp121">[[#日本の航空母艦パーフェクトガイド]]p.121</ref>。
開戦後は「千歳」は引き続き水上機母艦として運用、「千代田」は甲標的母艦としてその運搬などに当たった。しかし[[ミッドウェー海戦]]における4空母の喪失を受け、「[[あるぜんちな丸#初代|あるぜんちな丸]]」「[[ぶらじる丸#ぶら志゛る丸|ぶらじる丸]]」「[[神鷹 (空母)|シャルンホルスト号]]」らとともに空母改装予定艦となり、昭和17年末から工事に入った<ref name="日本の航空母艦パーフェクトガイドp121" />。
== 同型艦 ==
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== 脚注 ==
=== 注釈 ===
<references group="注釈"/>
=== 出典 ===
{{reflist|2}}
== 参考文献 ==
* [http://www.jacar.go.jp/index.html アジア歴史資料センター（公式）]（防衛省防衛研究所）
**Ref.{{Cite book|和書|id=C13071973800|title=昭和12年12月1日現在 10版 内令提要追録第3号原稿/巻1 追録／第3類 定員(1)|ref=S12-12-1内令提要原稿/定員(1)}}
**Ref.{{Cite book|和書|id=C13071977200|title=昭和13年12月25日現在 10版 内令提要追録第4号原稿/巻1 追録／第3類 定員(5)|ref=S13-12-25内令提要原稿/定員(5)}}
* <!--カイグンショウ-->{{Cite book|和書|volume=明治百年史叢書 第183巻|title=海軍制度沿革 巻十の2|editor=海軍省/編|publisher=原書房|date=1972-04|origyear=1940|ref=海軍制度沿革巻十の2}}
* <!--セカイ2010-->{{Cite book|和書|volume=世界の艦船 2011年1月号増刊 第736集(増刊第95集)|title=日本航空母艦史|publisher=海人社|date=2010-12|ref=日本航空母艦史}}
* <!--ニホンゾウセン1977-->{{Cite book|和書|volume=明治百年史叢書 第207巻|title=昭和造船史(第1巻)|editor=(社)日本造船学会/編|edition=第3版|publisher=原書房|date=1981|origdate=1977-10|isbn=4-562-00302-2|ref=昭和造船史1}}
* <!--フクイ1987-->{{Cite book|和書|title=<small>-海軍造船技術概要別冊-</small> 海軍艦艇公式図面集|editor=[[福井静夫]]/編|publisher=今日の話題社|date=1987-12|isbn=4-87565-212-7|ref=海軍艦艇公式図面集}}
* <!--フクタ-->{{Cite book|和書|date=1989-05|title=軍艦基本計画資料|editor=福田啓二/編|publisher=今日の話題社|isbn=4-87565-207-0|ref=軍艦基本計画資料}}
* <!--マキノ-->{{Cite book|和書|editor=[[牧野茂 (軍人)|牧野茂]]、[[福井静夫]]/編|date=1987-05|title=海軍造船技術概要|publisher=今日の話題社|isbn=4-87565-205-4|ref=海軍造船技術概要}}
* <!--マル1989-10-->{{Cite book|和書|title=<small>写真</small>日本の軍艦 第4巻 <small>空母II</small>|editor=雑誌『[[丸 (雑誌)|丸]]』編集部/編|publisher=光人社|date=1989-10|isbn=4-7698-0454-7|ref=写真日本の軍艦第4巻}}
* <!-- レキシ2003-04 -->{{Cite book|和書|title=日本の航空母艦パーフェクトガイド|volume=〈歴史群像〉太平洋戦史シリーズ 特別編集|publisher=学習研究社|date=2003-04|isbn=4-05-603055-3|ref=日本の航空母艦パーフェクトガイド}}
== 関連項目 ==
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{{-}}
{{日本の水上機母艦}}
[[Category:日本の水上機母艦|型ちとせかたすいしようきほかん]]
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