「瞼の母」の版間の差分

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RJANKA (会話 | 投稿記録)
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== あらすじ ==
;〔序幕〕
{{要あらすじ}}
:[[嘉永]]元年の春、若き[[博徒]]、'''金町の半次郎'''は[[下総]]の飯岡の親分を襲撃したあと母と妹のいる[[武蔵国]][[南葛飾郡]]の実家に逃れていた。そこへ飯岡の子分、'''突き膝の喜八'''と'''宮の七五郎'''が敵討ちにやってくる。
:半次郎を気にかけ、後を追ってきた旅の博徒'''番場の忠太郎'''が二人を斬り倒す。[[常陸]]の叔父のもとへ旅立つ半次郎に忠太郎は堅気になれと見送り、自身は生き別れた母を捜しに江戸へ向かう。
:江戸では息子と生き別れたという三味線弾きの老婆と出会うが人違いだった。忠太郎は母親を背負って歩く男とすれ違い、うらやましく思う。
;〔大詰〕
:嘉永二年の秋、[[柳橋]]の料理茶屋「水熊」の前では無頼漢、'''素盲の金五郎'''が[[後家]]のおかみの婿に入って「水熊」を乗っ取ろうとたくらんでいた。店から元[[夜鷹]]の老婆'''おとら'''が叩きだされるのを見た忠太郎は声をかけ、店のおかみが[[江州]]に子を置いてきたと聞き出す。
:「水熊」のおかみ'''おはま'''の居間では娘の'''お登世'''が着物を着替え客の前に出て行くところ。店のおかみに会いたがる男と板前が喧嘩している声がおはまの耳に入る。強情な男を追い出してやろうとおはまは男を部屋に入れる。
:おはまと対面した忠太郎は、江州[[坂田郡|阪田郡]]、[[醒井宿|醒が井]]の[[磨針峠]](すりはりとうげ)の[[宿場]]、[[番場宿|番場]]のおきなが屋忠兵衛という[[旅籠屋]]について尋ねる。おはまはそこへ嫁いでいたこと、息子の忠太郎が五つの時に家を出たことを認めるが、息子は九つで死んだと言ってきかない。
:金目当てだと疑うおはまに、忠太郎はもし母親が困窮していた時のために貯めていたという金百両を[[胴巻]]から出すが、おはまの冷たい態度は変わらない。忠太郎は落胆して店を去る。
:すれ違いにおはまの元へ戻ってきたお登世はおはまを説得、おはまは娘可愛さに邪険にしたことを後悔して泣き出す。素盲の金五郎が恩を売るため浪人の'''鳥羽田要助'''と忠太郎を追ったと聞いたおはまとお登世は[[駕籠]]で追いかける。
:夜明けの[[荒川]]堤、忠太郎は鳥羽田に襲撃されるが斬り倒す。おはまとお登世が忠太郎の名を呼び探すが忠太郎は返事をしない。二人があきらめて去ったあと忠太郎は反対方向に歩き出す。「俺あ、こう上下の瞼を合せ、じいッと考えてりゃあ、逢わねえ昔のおッかさんのおもかげが出てくるんだ――それでいいんだ。逢いたくなったら俺あ、眼をつぶろうよ。」忍び寄ってきた金五郎を斬り倒し、忠太郎は再び旅に出る。
 
==登場人物==