「カトリック教会の性的虐待事件」の版間の差分

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このスキャンダルが発覚した後、[[6月]]には250人が解任されるという事態となったが、聖職は剥奪されなかった。そのため、アメリカ国民はこの「温情ある方針」に激怒した。米[[ニューヨーク・タイムズ]]紙(電子版)は2003年[[1月11日]]、過去60年間で米国カトリック教会の1200人を超える聖職者が4000人以上の子供に性的虐待を加えたと報じた。さらに[[2004年]][[2月16日]]には米CNNテレビで[[1950年]]から[[2002年]]にかけての52年間で、神父4450人が疑いがあると報道し、件数は約11000件に上ると報じた。これはその期間中における神父の人数11万人の内の4%である。約11000件中立証できたのは6700件、立証できなかったのは1000件、神父が死亡したなどの原因で調査不可能になってしまったものが3300件であった<ref>[http://cjcskj.exblog.jp/29968/ 世界キリスト教情報 ◎米神父 4450人に児童へ性的虐待の疑い1万1000件]</ref>。しかも被害者団体はこれに対しても「司祭らは長年にわたり(性的虐待を)隠そうとしてきた。すべての真実を示すものではない」と批判した。
 
[[2007年]]に、[[ニューヨーク市]]のカトリック教会は、[[ども供]]の性的虐待を防ぐ[[塗り絵]]を市内の学校に配布した。この塗り絵には、[[侍者]]を務める少年に対して、密室で[[司祭]]と二人きりにならないよう[[天使]]が教える絵などが描かれている。聖職者の性的虐待を調査する機関「{{en|Bishop Accountability(Accountability}}([[司教]]の責任)」によると、2007年[[12月]]までの段階で、全米4万2000人の司祭のうち、約3000人が性的虐待の疑いで弾劾され、捜査当局の調査対象となった者、有罪判決を受けた司祭もいたとされる<ref>[http://www.afpbb.com/article/life-culture/religion/2321532/2429671 米カトリック教会、聖職者による子どもの性的虐待を防ぐ塗り絵を配布](2007年12月05日 15:02 AFPBB News)</ref>。
 
[[2008年]][[4月18日]]、[[教皇]][[ベネディクト16世 (ローマ教皇)|ベネディクト16世]]は訪米時に被害者達に面会して直接謝罪した<ref>[http://www.afpbb.com/article/life-culture/religion/2379791/2844000 ローマ法王、聖職者による性的虐待被害者と初の面会](2008年04月18日 09:22 AFPBB News)</ref>一方で、聖職者の児童虐待は「アメリカ社会の堕落にも責任」があると言及した<ref>[http://www.afpbb.com/article/life-culture/religion/2379276/2841701 聖職者の児童虐待は「米社会の堕落にも責任」、ローマ法王](2008年04月17日 11:58 AFPBB News)</ref>。
 
アメリカ合衆国での騒動はその後も収まらず、[[2010年]][[3月25日]]には教皇ベネディクト16世自身が[[ローマ教皇庁|教皇庁]]教理省長官たる[[枢機卿]]在任時に、虐待をしていた司祭の処分を見送っていた疑惑がニューヨーク・タイムズによって報道された。これに対し教皇は「つまらぬゴシップ」と切り捨て、周辺の司教らは一連の性的虐待事件について「一部の者の過ち」とし続けており、「性的虐待はカトリックだけの問題ではない」「何者かの[[陰謀論|陰謀]]だ」と逆に反発を強めている<ref name="20100402mainichi" />。現バチカン教理省長官を務めるウィリアム・レヴェイダ[[枢機卿]]は同年[[3月31日]]、ニューヨーク・タイムズの当該記事に対し「いかなる適正な公平性の基準にも達していない」と非難した<ref name="20100402AFP" />。
 
[[ニューズウィーク]]は、2010年3月31日号で[[キリスト教における独身制|聖職者の独身制]]の問題を指摘した。