「護衛空母」の版間の差分
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日本海軍では、当時の日本にアメリカほどの造艦能力がなかったため、同一艦型で多数が造艦される護衛空母は存在しない。民間商船を改造した特設空母が護衛空母に近い艦種と言える。これは当初は正規の航空母艦の補助として[[連合艦隊]]が主戦力として使用することを意図したもので、英米の護衛空母に比べると本格的なものであった。しかし特に優速で船体も大型・甲板長があった[[飛鷹型航空母艦|飛鷹型]]2隻を除くと、速力が遅く小型なことは否めず艦隊行動は行えず、カタパルトも装備していなかったために主力艦上機の運用が不可能で、航空機輸送用にしか向かなかった。日本海軍は特設空母以外にも[[輸送艦|給油艦]]を改造し発艦能力のみを持たせた[[CAMシップ]]類似の[[速吸 (給油艦)|速吸]]を完成させ、後継として同様の形態を持つ[[鷹野型給油艦]]も計画しているが、これらの艦艇も飽くまでも船団護送ではなく艦隊随行の給油艦兼正規の航空母艦の補助戦力として位置づけられていたものであった。
日本海軍は米英に習って特設空母を船団護衛に用いたが、特設空母の随伴や船団を直接護衛する[[駆逐艦]]・[[海防艦]]等の護衛艦艇の不足、[[レーダー]]や[[ソナー]]の不備、搭載機の対潜能力や練度の不十分さなどの問題が多かった<ref name="戦史46-309"/>。海上護衛船団司令部に配備された特設空母4隻はそれぞれ数度にわたって重要な輸送船団の護衛に従事し、護衛艦艇と協力して幾度か敵潜水艦撃沈を報告したが、アメリカ海軍側の資料では該当するものはいずれも存在していない。逆に潜水艦の雷撃を受け3隻が沈没し、終戦まで残存していたのは海鷹1隻のみであった<ref name="戦史46-378">[[#戦史叢書46]]『海上護衛戦の本格化 護衛空母による護衛』 378-383頁</ref>。
* [[冲鷹 (空母)|冲鷹]] - 海上護衛船団司令部への移管前に戦没。▼
* [[大鷹 (空母)|大鷹]] - 海上護衛船団司令部へ移管され船団護衛に参加。[[ヒ71船団]]を護衛中、潜水艦[[ラッシャー (潜水艦)|ラッシャー]]の攻撃を受け戦没。
* [[雲鷹 (空母)|雲鷹]] - 海上護衛船団司令部へ移管され船団護衛に参加。ヒ74船団を護衛中、潜水艦[[バーブ (潜水艦)|バーブ]]の攻撃を受け戦没。
* [[海鷹 (空母)|海鷹]] - 海上護衛船団司令部へ移管され船団護衛に参加。その後訓練目標艦として行動し、艦載機の攻撃を受け大破擱座。
* [[神鷹 (空母)|神鷹]] - 海上護衛船団司令部へ移管され船団護衛に参加。[[ヒ81船団]]を護衛中、潜水艦[[スペードフィッシュ (潜水艦)|スペードフィッシュ]]の攻撃を受け戦没。
海軍以外の所属として、以下のものも整備された。
* [[あきつ丸]] - [[陸軍特殊船]]([[揚陸艦]])に空母としての機能を追加したもの。ヒ81船団に輸送船として参加中、潜水艦[[クイーンフィッシュ (潜水艦)|クイーンフィッシュ]]の攻撃を受け戦没。
* [[熊野丸]] - 同上。
**([[特TL型]])- 商船を改装し空母としたものであるが、徴用船ではなくMACシップ同様に民間人運用である。海軍は[[しまね丸 (タンカー)|しまね丸]]、陸軍は[[山汐丸]]の配当を受けたが、いずれも本来任務に就く事の無いまま空襲で喪われた。
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