「ザイデル収差」の版間の差分

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:光軸外の1点を光源とする光が、レンズに対して同心円方向と直径方向で焦点距離がずれる収差。{{main|非点収差}}
;像面湾曲
:レンズの前側と後側で、レンズに平行な焦点面が平面から平面に対応しない、という収差。{{main|像面湾曲}}
:レンズの前側と後側で、レンズに平行な焦点面が平面から平面に対応しない、という収差。たとえば被写体側を平面とすると、像面側ではレンズに対して凹な曲面に結像する(あるいは凸な曲面に結像する)。書類の複製や航空写真や風景など、平面(あるいは全体が無限遠)を撮影する場合には特に問題となる。中心部と周辺部で焦点がずれるため、中央にピントを合わせると周辺部にピンボケが起き、周辺部にピントを合わせると中央がピンボケという状態になり、全体にピントを合わせることができない。絞り込むことによって被写界深度を利用して小さくすることができる。フィルムなどの感光材料や感光センサーを湾曲させるという対処法もある。VFCロッコールのように意図的に制御可能としたレンズもある。いわゆる「解像度チャート」のたぐいは平面であるため(あるいは光学的に無限遠で評価するため)、古いレンズなどで像面湾曲をあまり抑えていないが非点収差は良く補正されたレンズなどで「雑誌等での評点はあまり高くなかったけども、実際に写真を撮影しての評判は良い」といったようなこともあるという。
;歪曲収差
[[ファイル:Mustache distortion.svg|thumb|歪曲の形状例。陣笠型]]
:正しい方眼の物体を光学系により投影した時、像が正しい方眼にならない収差。{{main|歪曲収差}}
;歪曲(ディストーション)
:方形の物体が方形の像を結ばないというもので、中心から離れるにつれ倍率が拡縮するために起きる。中心部が膨らむようなゆがみにより方形が樽型になるもの、逆に中心部が収縮するようなゆがみにより方形が糸巻き型になるもの、以上の2つを組み合わせた陣笠型(図を参照)がある。書類の撮影や、モダン様式のビルディングの撮影などの際に不自然さとして気になる。絞り込んでも基本的に改善されない。[[魚眼レンズ]]は樽型の歪曲を積極的に利用したレンズである。光学的には、像を作る主光線が(仮想的な)レンズの中央部を通らず、周辺部を通っているために起きるものなので、絞りの位置が適切であれば絞ることで解消されるが、意図的に正しくない位置に絞りを置くと、むしろ絞ることで発生させることもできる。前群と後群が対称なレンズでは起こりにくいのに対し、片方を凹とし反対を強く凸にした、望遠型や[[レトロフォーカス]]型のレンズでは起きやすい。ズームレンズでは、広角側で樽型・望遠側で糸巻き型、といったように発生する。
 
通常はこれらのすべての収差が複合して発生する。また、M像とS像での像面湾曲の度合いの違いが非点収差としてあらわれる、といったように、相互に関係している要素もある。これらはレンズ面に対する[[光線]]の入射角 <math>\alpha</math> に関して、[[スネルの法則]]を用いて光線の軌道を求める際に、[[正弦関数|sin]] &alpha; を[[テイラー展開]]した3次の項の係数としてそれぞれ表される。このため'''3次収差'''とも呼ばれる。
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*[[色収差]]
 
{{Physics-stub}}
{{デフォルトソート:さいてるしゆうさ}}
[[category:幾何光学]]