「ハビアン」の版間の差分

'''ハビアン'''<ref>当時の標準的発音ではファビアンである。</ref>（Fucan Fabian、[[1565年]]（[[永禄]]8年） - [[1621年]]（[[元和 (日本)|元和]]7年[[1月 (旧暦)|1月]]））は、[[安土桃山時代]]から[[江戸時代]]初期にかけての日本人の物。本名不詳。禅僧を経て[[イエズス会]]の門をたたき、[[修道士]]（イルマン）。本名不詳。として活動したが、後に[[棄教]]し[[てキリスト教]]徒弾圧に協力した。またキリスト教と他の宗教を比較した著作を残したことでも知られる。<ref>『不干斎ハビアン―神も仏も棄てた宗教者』（[[釈徹宗]]、新潮選書、2009年）</ref>'''不干斎 巴鼻庵'''（ふかんさい はびあん）と号した。

1565年（永禄8年）、[[加賀国]]または[[越中国]]にて誕生。母のジョアンナは[[高台院|北政所（おね、高台院）]]の侍女となった。始めは[[大徳寺]]の禅[[僧]]となり、恵俊または恵春と称したとされる。

[[1583年]]（[[天正]]11年）、京都で母とともに[[受洗]]。[[高槻市|高槻]]、大坂の[[セミナリヨ]]で学び、[[1586年]]（天正14年）に修道士となってイエズス会に入会して修道士となった。[[豊臣秀吉]]の[[バテレン追放令]]を逃れて[[山口市|山口]]、[[長崎市|長崎]]、加津佐などを経て、[[天草]]の[[コレジオ]]で日本語を教える傍ら、同地で『[[キリシタン版|天草本]][[平家物語]]』を編纂した。また自身の経験により『仏法』を著し、これより後はキリスト教を擁護し[[、仏教]]を批判する論陣を張った。[[1603年]]（[[慶長]]8年）に京都に戻ると、[[1605年]]（慶長10年）、護教論書『妙貞問答』を著す。本書は、2人の尼の対話形式で記され、キリシタンである幽貞が神道・儒教・仏教を批判し、キリスト教の教理を説いて妙秀を入信に導くという内容<ref>[https://kotobank.jp/word/%E5%A6%99%E8%B2%9E%E5%95%8F%E7%AD%94-139786　妙貞問答]コトバンク</ref>。[[1606年]]（慶長11年）には[[林羅山]]と論争し、当時支持されつつあった[[地球球体説]]と[[地動説]]を主張した。