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'''エノラート''' (enolate) は、[[炭素]]-炭素[[二重結合]]上の炭素に直接[[ヒドロキシ基]]が結合した化合物であるエノールのヒドロキシ基の水素原子が[[水素イオン|プロトン]]として解離することによって生成する[[陰イオン]]のことである。
[[Image:Formation of Enolate.PNG|center]]
エノラートの[[酸素]]原子上の[[負電荷]]は二重結合上に非局在化している。▼
== 概要 ==
▲エノラートの[[酸素]]原子上の[[負電荷]]は二重結合上に[[非局在化]]している。すなわち、エノラートの化学構造は[[共鳴混成体]]として
:<math>\rm R_2C=C(-O^-)R \leftrightarrow R_2C^--C(=O)R</math>
のように表すことができる。
共鳴構造から分かるように、エノラートは[[カルボニル基]]の[[α
ケトンのように
一方、比較的高温(通常 0 ℃以上)で[[水酸化ナトリウム]]などの弱い塩基によりエノラートを調製した場合にはカルボニル化合物とエノラートの間に平衡が成立するために、熱力学的に安定な置換基の数が多い方の炭素から水素が引き抜かれたエノラートが有利に生成する。これを「熱力学支配のエノラート」という。
このようにして調製されたエノラートは共鳴式の通り負電荷が炭素上と酸素上に存在する[[アンビデント]]求核剤である。エノラートの酸素原子は硬い塩基([[求核剤]])、炭素原子は軟らかい塩基として振る舞う。そのため[[HSAB則]]に従い、軟らかい酸(求電子剤)と反応するときは炭素上で結合が生成し、硬い求電子剤と反応するときは酸素上で結合が生成する。[[ハロゲン化アルキル]]や α,β-カルボニル化合物と反応するときは炭素上で結合し、トリアルキルクロロシランと反応するときは酸素上で結合してシリルエノールエーテルを生成するのはこのためである。
== 関連項目 ==
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