「ボールインプレイ」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
m編集の要約なし
2行目:
 
== 概要 ==
野球の試合時間は、ボールインプレイと[[ボールデッド]]の2つに明確に区分されている。この区分は野球特有のものであり、[[野球盤]]には無い概念である。球審が「プレイ」を宣告すればボールインプレイとなり、[[審判員 (野球)|審判員]]が「タイム」を宣告するか、もしくはルールにより宣告がなくもタイム宣告と同じ状態となるまでボールインプレイが継の状態はされる<ref>公認野球規則5.02</ref>。
 
ボールインプレイであれば、走者は何時でも進塁を試みて構わない。その一方、塁を離れている間に走者の身体に野手が[[触球]]するとその走者は[[アウト (野球)|アウト]]になる(幾つか例外はある)。また、走者の走塁速度と[[送球]]されたボールの速度とを比較すると、後者の方が速い。従って、[[内野手]](ここでは投手と捕手を含める)がボールを所持している時に進塁を試み塁を離れると、容易に触球されてアウトになる可能性が高く危険である。
18行目:
 
=== 例 ===
無死一塁の場面で打者は[[中堅手]]の前方に落下しそうな[[飛球]]を打った。その打球を地面スレスレの位置で中堅手が処理[[捕球]]した、かのように見えたが実際は中堅手のすぐ手前でバウンドしていた。しかし、正規の[[捕球]]との誤った判断をもって、打者アウトを審判員は宣告した。その判定に応じて、一塁走者は[[リタッチ]]を果たした。
 
もし、ここで誤審が明らかになり判定が覆ったとすると、両チームが納得できるような形で試合再開する方法は無い。仮に、無死一・二塁から再開と定める。すると、守備側は「誤審が無ければ、中堅手から二塁へ、続いて一塁へ送球し、[[併殺]]が取れたはずである。よって、二死無走者から再開すべき」と主張し、攻撃側は「誤審が無ければ、一塁走者は三塁まで進み、かつ三塁手への送球を利して打者は二塁へ到達できたはずであるから、無死二・三塁から再開すべき」と反論するであろう。
 
=== 実例 ===
2004年10月16日に[[ナゴヤドーム]]で開催された[[2004年の日本シリーズ]]第1戦、[[中日ドラゴンズ]]対[[埼玉西武ライオンズ|西武ライオンズ]]戦の5回裏、中日の攻撃。一死一塁の場面で打者の[[谷繁元信]]は捕手の前にゴロを打った。捕手の[[野田浩輔]]は谷繁にタッグしようとするも届かなかったため二塁へ送球、二塁塁審・[[杉永政信]]は一塁走者の[[フォースプレイ|フォースアウト]]を宣告、ついで一塁へ送球され打者走者もアウト、[[併殺]]成立、かと思われた。
 
しかし、球審の[[橘高淳]]は、野田が谷繁にタッグしてタッグアウトになったと宣告していた。そのため中日の監督・[[落合博満]]は谷繁が先にタッグアウトになったならば二塁はフォースプレイでなく、一塁走者は二塁でアウトになっていないと抗議した。審判団がこの抗議を認めると、次に西武の監督・[[伊東勤]]が、二塁塁審がアウトを宣告したのだから二塁はアウトであると抗議した。試合は49分間中断したが、結局二死二塁で再開された。
 
この例は実際に起きた出来事ながら先に挙げた架空の例よりも複雑である。考えうる見解としては次のようなものがあるだろう。