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== 定理の内容といくつかの事実 ==
''x'' や ''y'' が[[実数|実]]または[[複素数|複素]][[内積空間]] (''X'', &
シュワルツの不等式は次のように述べられる:
:<math>|\langle x,y\rangle|^2 \leq \langle x,x\rangle \cdot \langle y,y\rangle.</math>
左辺は内積 &
: <math>|\langle x, y \rangle| \leq \Vert x\Vert\cdot\Vert y\Vert</math>
とも表せる。
コーシー・シュワルツの不等式の重要な帰結には、内積が2変数の関数と見て[[連続関数|連続]]であるということ、従って特にひとつのベクトル ''x'' を決めるごとに内積が一つの連続汎関数 &
また、この定理の系として[[内積空間|内積ノルム]]に関する[[三角不等式]]
== 証明に関する話題 ==
シュワルツの不等式の特徴的な証明の一つに、二次式とその判別式を用いるものがある。実際、&
: <math>0 \le \langle x +
は(内積の性質により)''t'' の如何にかかわらず成立する ''t'' の二次の絶対不等式となる。ゆえに、二次の絶対不等式に関してよく知られた事実により、この ''t'' に関する二次式の判別式
: <math> (
は半負定値(非正)でなければならない。こ
同じように二次式の判別式を用いる少し異なった証明がある:この証明では実数 ''t'' と絶対値 1 の複素数 λ について
: &
に対して同様の議論を行い、(Re&
別の観点に立った証明として、直交射影の概念を用いる以下のものがある:||''y''|| = 0 のときは、''x'' と ''y'' との内積が 0 になり、問題の不等式は自明な形で等号として成立する。 ||''y''|| > 0 のときは、
: <math>t=\frac{\langle
に対して ''t y'' を ''x'' の ''y'' 方向への直交射影と見なすことができる。実際、この ''t'' について ''z'' := ''x'' - ''t y'' は ''y'' に直交している。
: <math> \|z\|^2 = \frac{\|x\|^2\|y\|^2-|\langle x,y \rangle|^2}{\|y\|^2}</math>
が非負であることよりコーシー=シュワルツの不等式が従う。さらに、''x'' と ''y'' とが線型従属のときかつそのときに限り ''z'' =
* [[ヘルダーの不等式]]
==脚注==
{{DEFAULTSORT:こししゆわるつのふとうしき}}▼
{{reflist}}
==参考文献==
* {{Cite book
| 和書
| last1 = 齋藤
| first1 = 正彦
| year = 1966
| title = 線型代数入門
| url = http://www.utp.or.jp/bd/4-13-062001-0.html
| series = 基礎数学1
| edition = 初版
| publisher = 東京大学出版会
| isbn = 978-4-13-062001-7
| ref = harv
}}
* {{Cite book
| 和書
| last = 黒田
| first = 成俊
| title = 関数解析
| series = 共立数学講座 15
| publisher = 共立出版株式会社
| year = 1980
| isbn = 978-4-320-01106-9
| ref = harv
}}
▲{{DEFAULTSORT:こおしいしゆわるつのふとうしき}}
[[Category:不等式]]
[[Category:線型代数学]]
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