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外国に公開された大規模演習でBTが存分に機動力を発揮する様を見た[[イギリス軍]]武官の報告は、以後のイギリスの[[巡航戦車]]の設計に影響を与えている。
 
== 各型及び派生型 ==
; BT-1
: アメリカから参考用に輸入した2輌の「M1940」もしくは「M1930」に、ソ連が与えた形式名。
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; BT-3
: BT-2の設計図をアメリカ式のインチ-フィート記法からセンチメートル記法に変換したものとし、車体構造に部分的に溶接を取り入れ、サスペンションの改良、45mm砲を搭載するため砲塔の設計を変更するなどの改修を施し加え改良型。BT-2の最終ロットのうち僅かな車体部分がこの仕様に基づいて生産されたのみで、本格量産はされなかったが、BT-5およびBT-7開発の基礎となった。
 
; BT-4
: キエフ工場で製作された、BT-23の車体に1人用砲塔を左右並列に2基搭載した多砲塔型。砲塔は「37mm砲及び7.62mm機関銃各1基」「37mm砲2基」「7.62mm機関銃2基」のバリエーションがある。3両の試作のみで量産はなされなかった。
:* なお、生産されたものは砲塔を外したBTの車体のターレットリングを簡易的に塞ぎ、検討用に砲塔を搭載したモックアップモデルに等しいもので、本格的な実用車両は製作されていない。「BT-4」の名称で実用車両として使用されている写真が存在しているが、これらは画像をコラージュして製作された想像図である。
 
; [[BT-5]]
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{{main|BT-5}}
;; BT-5TU
:: 無線機が搭載された指揮戦車型。砲塔上のハチマキ状フレームアンテナで識別できる。しかしこれ無線機上級部隊との連絡用で、個々の車両同士で無線で通信することはできない。[[無線]]を持たない僚車には[[手旗信号]]により指示が送られたが、実戦では上手くいか指示を伝達することができず、目立つアンテナはノモンハン事件では指揮戦車が最初に攻撃される原因となった。
;; RBT-5
:: 1935年に試作された、砲塔の両脇に大型[[ロケット弾]]の発射装置を装備した試作火力支援車両。この他にも[[RS-82_(ロケット弾)|RS-132]]航空ロケット弾の発射レールを砲塔側面に装備した車両が試作されている。
;; BT-5PKh
:: 防水構造とし[[シュノーケル]]装置を備えた潜水戦車型。試作のみ。
;; PT-1
:: BT-5を基に、車体を艇体構造とし、車体後面に水上推進用のスクリュープロペラと舵を備える水陸両用戦車型。
:: 1934年には試作車が完成してテストが行われ、結果は順調であったが、非常に高価な車両になることから量産は見送られた。
 
; BT-6
: 車体構造を全溶接とした試作型。各部の接合が溶接となっている他はBT-5と同型だが、操縦手用の視察用展望塔部分が半円形となっていることが異なる。量産はなされなかった。
 
; [[BT-7]]
:[[BT-5]]を改良したもので、車体が[[リベット]]式から[[溶接]]式になり、新型のM-17Tエンジンが採用された他、燃料の搭載可能量も増加した。砲塔は基本的にはBT-5のものと同じだが、溶接式となり、ハッチが横に2つ並ぶ方式となっている
:後述の新砲塔型と区別するため、BT-5と同系の砲塔を搭載したものは「'''BT-7-1'''」、もしくは「'''BT-7 1935年型'''」とも呼ばれる。
{{main|BT-7}}
;; BT-7 1937年型7TU
:: 無線機が搭載された指揮戦車型。BT-5TUと同じハチマキ状フレームアンテナを装備している。同様に目立つアンテナは指揮戦車が最初に攻撃される原因となった。
:: 砲塔を新型の傾斜装甲型砲塔へと変更した型。
;; BT-7-2
:: 砲塔を新型の傾斜装甲型砲塔へと変更した型。砲塔の形式により「'''BT-7 1937年型'''」「'''BT-7 1938年型'''」及び「'''BT-7 1939年型'''」の3種類の分類がなされている。
;; BT-7A
:: 16.5口径76.2mm戦車砲 KT-28を搭載する火力支援型。新たに開発されたKT-28戦車砲搭載の2名用砲塔が搭載されている。1936年から翌年にかけて155両が生産された。
;; BT-7M
:: [[ディーゼルエンジン]]を搭載するなどの改良が施された改修型。
:: 資料や文献によっては「'''BT-8'''」の呼称が用いられている。
;; OT-7
:: 車体前部にKS-63[[火炎放射器]]を搭載し、車体上部両脇に発火剤のタンクを備えた[[火炎放射戦車]]型。
:: 試作車両は1935年型をベースとし車体前部左側に火炎放射装置を装備しているが、生産型は1937年型をベースに車体前面上部右側に火炎放射装置を装備している。
;;; ChBT-7
::: OT-7の試作型。車体ではなく主砲の代わりに火炎放射装置を搭載した砲塔を装備している。
 
; BT-SV
: BT-7 新砲塔型を元に、車体を傾斜装甲の組み合わせた新型車体とした試作車両。
: 1936年から1938年にかけて試作と研究が行われたが、量産はなされなかった。試験では高い対弾性を示し、T-34開発の参考とされた。
;; BT-SV-2
:: BT-SVの装甲厚を倍増させた発展型。総重量が大きくなりすぎて走行装置への負担が大きく、また馬力不足とされ、開発計画は中止された。
 
; KBT-7
: BT-7の車体に前/左右にボールマウント式機銃架を備えた固定式戦闘室を設置した指揮戦車型。試作のみ。
; BT-BTR
: BT-7の車体を基に、エンジンを前部に移してフロントエンジンとし、乗員2名(車長兼機銃手、操縦手)の他後部に兵員8名を収容できる兵員室を設けた[[装甲兵員輸送車]]型。1943年から1944年にかけて[[GAZ|ゴーリキー自動車工場(GAZ)]]で設計作業が行われ、幾つかの設計案が提出されたが、ペーパープランのみに終わった。
 
== ソビエト以外での派生型 ==
; BT-42
: [[フィンランド]]が開発した[[自走砲]]([[突撃砲]])型。ソ連から鹵獲したBT-7の砲塔を拡大して容積を広げ、イギリス製の[[QF 4.5インチ榴弾砲]](フィンランド名称 114H18)を搭載した。
: 1942年から1943年にかけて18両が改装され、フィンランド軍内では「クリスティ突撃砲」と呼ばれた。
{{main|BT-42}}
;; BT-43
:: 捕獲したBT-7を改造して製作された兵員輸送/多目的装甲車。砲塔を外したBT-7の車体上に木製のデッキを増設している。試作車1両のみが1943年11月に完成しテストが行われたが量産はなされず、試作車は1945年5月に廃棄された。
 
== 脚注 ==