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{{画像提供依頼|人中黄|date=2016年1月|cat=料理|cat2=日本}}
'''人中黄'''(じんちゅうおう)は、{{要出典範囲|date=2015-01-24|[[日本]]で飲まれていたとされる[[人糞]]を使った[[薬]]。<br />}}
 
出典は『日華子諸家本草』とされており、別名として「甘草黄」の名がある。[[甘草]]の粉末を人糞に混ぜて(或いは竹筒に入れた甘草の粉末を肥溜めに漬けて)作成する。解熱や解毒作用があるとされ、応用例では[[丹毒]](細菌性皮膚疾患)や傷寒熱病(チフスの類)、吐痰などに用いられた。人中黄を含む漢方処方としては、化斑解毒湯(知母、黄連、連翹、人中黄、升麻、石膏、甘草、牛蒡子、玄参)が知られている<ref>[http://www.naoru.com/syohouka.html 丸美屋和漢薬研究所 /ドクトルアウンの漢方処方 「か」]</ref>。<br />
 
江戸時代の医学書「[[用薬須知]]」の6巻(人ノ部)では「'''大便ノ汁ナリ'''」と説明されている。
 
{{要出典範囲|date=2016-01-24|テレビ番組[[トリビアの泉]]No.117で「'''漢方薬には人間のウンコから出来たものがある'''」と'''人中黄'''が紹介された。}}
 
== 製法 ==
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== 日本における人糞の薬 ==
[[漢方薬]]では人や動物の'''大便・小便'''が薬または薬の原料として一般的に用いられるが、中国から[[漢方医学]]が伝わった日本でも、人糞を使った薬を用いていた。<br />
「人屎(ひとくそ)」の名で『新修本草』や『本草綱目』に収載されており、『和名抄』では「久曽(くそ)」、『多識編』には「比登乃久曽(ひとのくそ)」の名で記載されている。解毒作用が知られており、臨床応用では産後陰脱(産後の[[子宮脱]])のほか、蛇咬(蛇に咬まれた時)、痘瘡(天然痘)、鼻血に用いられた。<br />
*「[[破棺湯]]」別名「[[黄竜湯]](おうりゅうとう)」は[[人糞]]を乾燥させ粉末にし、煎じて飲み薬とした。<ref>937年「[[倭名類聚抄]]」「疾病部」</ref>
 
*「[[破棺湯本草和名]]」別名「[[黄竜湯]]では'''人屎'''おうりゅうひとくそ))」は[[項で人糞]]の様々な効能乾燥させ粉末に紹介、煎じ飲み薬としたいる。<ref>937年「[[本草和類聚抄]]」「疾病部」』深根輔仁撰</ref><br />
*[[水戸光圀]]の命により編纂された「[[窮民妙薬]]」では'''蚕の糞、鼠の糞、黄牛の糞、猫の糞、馬糞、竹の虫糞、兎の糞、牛の糞、童子の大便'''と材料は多彩で、「河豚の毒を解す妙薬」の項には人糞を用いる方法が記されている。「胸虫の薬」の項では「'''童子の大便干し、粉にして丸じ、生姜汁にて用い吉'''」とある。<ref>「窮民妙薬(1693年)」穂積甫庵</ref><br />
 
*「[[和方一萬方]]」に「指腫たるを治る方」として「'''人の糞を器に入れ その上を厚き紙にて張り痛指の入程穴をあけて その内に指をさし入あたたむべし'''」とある<ref>「[https://books.google.co.jp/books/about/%E6%B0%91%E9%96%93%E6%B2%BB%E7%99%82.html?id=f5koNwAACAAJ&redir_esc=y 和方一萬方]」村井琴山 ISBN 4760302034</ref><br />
*「[[本草和名]]」では'''人屎'''(ひとくそ)という項で人糞の様々な効能を紹介している。<ref>『[[本草和名]]』深根輔仁撰</ref><br />
 
*[[水戸光圀]]の命により編纂された「[[窮民妙薬]]」では'''蚕の糞、鼠の糞、黄牛の糞、猫の糞、馬糞、竹の虫糞、兎の糞、牛の糞、童子の大便'''と材料は多彩で、「河豚の毒を解す妙薬」の項には人糞を用いる方法が記されている。「胸虫の薬」の項では「'''童子の大便干し、粉にして丸じ、生姜汁にて用い吉'''」とある。<ref>「窮民妙薬(1693年)」穂積甫庵</ref><br />
 
*「[[和方一萬方]]」に「指腫たるを治る方」として「'''人の糞を器に入れ その上を厚き紙にて張り痛指の入程穴をあけて その内に指をさし入あたたむべし'''」とある<ref>「[https://books.google.co.jp/books/about/%E6%B0%91%E9%96%93%E6%B2%BB%E7%99%82.html?id=f5koNwAACAAJ&redir_esc=y 和方一萬方]」村井琴山 ISBN 4760302034</ref><br />
 
*「[[用薬須知続編]]」の二巻には人糞を利用したさまざまな薬が記されている。「'''男子屎尖'''」(男性の糞の、とがった端の部分)<ref>[http://edb.kulib.kyoto-u.ac.jp/exhibit/fx9/image/02/fx9s0063.html 京都大学附属図書館所蔵 富士川文庫セレクト 『用薬須知続編』 [v.2, pp. 52-53<nowiki>]</nowiki>]</ref>「'''熱糞堆'''」(人の糞が重なり熱くなったもの)<ref>[http://edb.kulib.kyoto-u.ac.jp/exhibit/fx9/image/02/fx9s0063.html 京都大学附属図書館所蔵 富士川文庫セレクト 『用薬須知続編』 [v.2, pp. 52-53<nowiki>]</nowiki>]</ref>「'''焼人糞'''」(人の糞を焼いたもの)<ref>京都大学附属図書館所蔵 富士川文庫セレクト 『用薬須知続編』 [v.2, pp. 54-55]</ref><ref>[http://edb.kulib.kyoto-u.ac.jp/exhibit/fx9/image/02/fx9s0038.html 京都大学附属図書館所蔵 富士川文庫セレクト 『用薬須知続編』]</ref>
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== 昭和の民間療法 ==
*岩手県では、歯痛が起こるとオガワ(おまる)の内側にこびりついているカスを削り取って虫歯の穴に詰めた。(昭和55年)<ref>「落し紙以前」p243 斎藤たま 論創社 (2005/03)ISBN 978-4846001698</ref>
*秋田県では、便所の溜の中に竹コを入れておくと節から節までの間にきれいな水が溜まるので、それを悪い物を食べたりきのこにあたったりした時に飲むという。<ref>「落し紙以前」斎藤たま 論創社 (2005/03)ISBN 978-4846001698</ref><br />
*静岡県ではミミンダレ(耳だれ)の時、便所つぼ(溜桶)の縁の汁をつけるとよく利くという。<ref>「落し紙以前」p245 斎藤たま 論創社 (2005/03)ISBN 978-4846001698</ref>
 
== 朝鮮半島の薬との共通点 ==
{{要出典|date=2016-01-24|朝鮮半島にも人中黄と製法が似ている薬「[[トンスル]]」がある。竹筒内にしみでた液体を酒に入れて飲むという方法は基本的には人中黄と同じ成分を採取していると言える。<br />}}
 
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昭和40年代の取材で日本の秋田県阿仁村にもトンスルと似た薬があり、便所の糞の溜まりに笹竹を刺しておき竹の節と節の間に溜まった液体を食あたりのときに飲むという薬が存在する。{{要検証|date=2016-01-24|この製法はトンスルとほぼ同じである。}}<ref>「落し紙以前」斎藤たま 論創社 (2005/03)ISBN 978-4846001698</ref>
 
== 脚注 ==