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{{出典の明記|date=2011年1月}}
[[ファイル:Mayan priests dancing around fire.jpg|right|thumb|275px|火の周りで踊るマヤの祭司]][[ファイル:Rhumsiki crab sorceror.jpg|thumb|right|200px|[[ソコト・カリフ国]]が西アフリカに拡大するにつれ、イスラム教を信じるフラニ族は近隣の非イスラム教徒、たとえばこの写真の[[カプシキ]]の占者のような者を、[[キルディ]]([[:en:Kirdi|Kirdi]])すなわち"'''pagan'''" と呼んだ。]]
 
'''ペイガニズム'''({{lang-en-short|Paganism}}、{{lang-fr-short|Paganisme}}:パガニスム、{{lang-la-short|Paganismus}})は、[[自然崇拝]]や[[多神教]]の信仰を広く包括して指し示す、[[印欧語]]圏における言葉であり、[[アブラハムの宗教]]([[アブラハム]]の[[一神教]])の視点から用いられている言葉である。[[侮蔑語]]や[[差別用語]]として使われることが多い。
 
一方、アメリカ合衆国では1960年代以降、ペイガンと自己規定する人々のさまざまな折衷主義的で個人主義的な無数の宗教運動が各地で発生しており、ペイガニズムという言葉を従来とは異なった価値観をもって使用する自称ペイガンないし[[ネオペイガニズム|ネオペイガン]]が今日では数千人以上の規模で存在する<ref>マーゴット・アドラー 『月神降臨』 江口之隆訳、国書刊行会、2003年、1頁、21頁。</ref><ref>ペイガニズムの一派である[[ウイッカ]]のメンバーは、1990年代始め頃のアメリカで1万人いるとも30万人いるとも推測された(島薗進 『精神世界のゆくえ』 p.27)。</ref>。
 
==侮蔑語==
[[民族学]]者が自然崇拝や多神教の信仰を示すのに"ペイガニズム"という語を用いることはない。自然崇拝と多神教は同じものを指してはいないし、ペイガニズムの語以外にもっと適切なカテゴリ名、例えば[[シャーマニズム]]、[[多神教]]、[[アニミズム]]といった名称、があるからである。この「ペイガニズム」という語にはしばしば[[侮蔑]]の響きがあり、[[英語]]の「heathen」(野蛮人、異教徒)、「infidel」(不信心者)、[[イスラム]]圏での「كافر [[:en:kafir|カーフィル]]」という語に相当する。
 
また、''Pagan''は[[イスラム]]の用語「[[:en:mushrik|ムシュリク]]」つまり「[[アラー]]以外を崇拝する者」を英語へ翻訳する時に通常用いられる語でもある。
 
:<span style="font-size:90%;">(訳注: paganismを「異教主義」、neo-paganismを「復興異教主義」と訳す場合があるが、本項目でも述べられているように、「異」なった、「異」常な宗教であるというのはあくまでも[[アブラハムの宗教]]からみたものにすぎない。ユダヤ教やキリスト教イスラム教といった[[アブラハムの宗教]]は、文化史的にはむしろ特殊な例である。そこで、本稿では英語読みカタカナを項目名とすることとする。また、音写"ペイガニズム"であれ漢語訳であれ、元の原語がすでに[[侮蔑語]]なので、この語の使用に当たっては注意が必要である。)</span>
 
==語源==
===Pagan===
英語''Pagan''の語源は、ラテン語の形容詞'''paganus'''(「田舎の」)である。名詞'''paganus'''(形容詞と同形) は「田舎の住民」「村人」を意味した。口語的には、誰かをbumpkin(無骨者)とか、山地住民を[[侮蔑]]してhillbilly(山猿)などと呼ぶようなものであったと思われる。''Paganus''はほとんど例外なく[[侮蔑語]]として用いられた。因みに、英語の '''villain'''(悪党) もPagan同様に"villager"(むらびと)という語から派生した語である。(膨張するキリスト教信者らが[[北ヨーロッパ|北欧]]や[[スカンジナビア]]の異教徒をvillainと呼んだ)。キリスト教信仰は極めて初期の時代から、田舎よりも都会において浸透が遥かに早かった(例えば[[アンティオキア]]、[[アレキサンドリア]]、[[コリント]]、[[ローマ]]など。実際、初期のキリスト[[教会]]はほとんど全て都会にある)。その結果じきに「田舎の住人」は「非キリスト教徒」を意味するようになり、"pagan" が現在の意味を持つ起こりとなった。このような浸透速度の差は主に、田舎の人々が保守的な性格で都市部に住む人々よりもキリスト教という新しい思想に対して抵抗したことに関係があったのかも知れないし、あるいは初期の[[宣教]]活動が、人口が拡散している田舎よりも集中している街中に力点を置いていた為かも知れない。
 
ラテン語 '''paganus''' の古典期以降の「非キリスト教、不信心者」としての意味論的な発展ははっきりしない。この意味がいつ発生したかは論争がある。だが、4世紀が最もそれらしいと思われる。初期の使用例は[[テルトゥリアヌス]]の<span style="text-decoration:underline;">De Corona Militis xi</span>にある: ''"Apud hunc [sc. Christum] tam miles est paganus fidelis quam paganus est miles infidelis"''。だが、この ''paganus'' は「不信心者」より「市民」という意味で解釈すべきであろう。
 
この意味の発展については、主な説は3つある。
#古典ラテン語 ''pāgānus'' は古くは「田舎風の」(名詞としても)という意味であった。[[ローマ帝国]]の都市部でキリスト教が受容された後も、田舎の村では[[偶像崇拝]]が引き続き行われていたため、意味の変容が起きたのだと考える。Orosius <span style="text-decoration:underline;">Histories 1. Prol.</span> ''"Ex locorum agrestium compitis et pagis pagani vocantur."'' 参照のこと。
#古典ラテン語 ''pāgānus'' のより一般的な意味は「(軍人ではない)一般市民」(形容詞、名詞)であった。キリスト教徒はローマカトリック教会の ''mīlitēs'' (応召兵)を自称していたため、自分たち以外を「(教会の)軍に参加していない」一般市民と呼んだ。
#「野蛮な異教徒」という意味は、''paganus'' の解釈の一つから生まれた。''paganus'' は共同体やグループから外れたアウトサイダーを指すことがあった。そのため、「街の者ではない」すなわち「田舎者」となったのである。Orosius <span style="text-decoration:underline;">Histories 1. Prol.</span> ''"ui alieni a civitate dei..pagani vocantur."'' C. Mohrmann, <span style="text-decoration:underline;">Vigiliae Christianae</span> 6 (1952) 9ff. を参照<ref>[http://dictionary.oed.com Oxford English Dictionary, (online) 2nd Edition (1989)]</ref>。
 
フランス語"paysan"(小作農、小規模な農家)は、英語"Pagan"と同じラテン語を起源としており、[[古フランス語]] '''paisent''' を経由したものである<ref>[http://www.perseus.tufts.edu/cgi-bin/ptext?doc=Perseus%3atext%3a1999%2e04%2e0062&query=id%3dpagus#id,pagus Harry Thurston Peck, ''Harper's Dictionary of Classical Antiquity'', 1897; "pagus"]</ref>。
 
そもそも、ラテン語'''paganus'''(パガヌス)は、「田舎、地方」を意味するラテン語'''pagus'''(パグス) から派生したものであり、この'''pagus'''は、[[ギリシャ語]]の '''{{lang|grc|πάγος}}'''(パゴス=岩だらけの丘の意)と同系であり、更に遡ればランドマークとして「地面に打たれた何か」に行き当たる: [[インド・ヨーロッパ祖語|印欧祖語]]の語幹 '''pag-''' は「固定された」という意味で、"page"(ページ)、"pale"(柵)、"pole" (ポール)、"pact" (契約)、"peace"(平和)などの語源になっている。
 
比喩的な用法を通して、後に ''paganus'' は「田舎の地方、村」、「地方在住者」を意味するようになった。[[ローマ帝国]]が軍事独裁の傾向を強めていく中で、4世紀から5世紀にそれは「市民」を意味するようになった(英語でいう「地元住民」と類似した意味合いで)。この言葉に負のイメージが付き始めたのは、後期帝国が農奴制を導入し、農業従事者が法的に土地に縛り付けられるようになってからのことである([[農奴]]参照)。同時にこの単語は[[ウェルギリウス]]が[[農耕詩]]で尊敬の念とともに触れたような、地方に住む人たちの素朴な古くからの信仰を暗示するようになった。似た意味を持つ ''heathen''(下記)と同様に、[[中英語]]を話すキリスト教信者によって、あまりに素朴であるためキリスト教を信仰しない人々を罵る言葉として採用された。加えて、ヨーロッパの田舎はキリスト教の押しつけに対して最も抵抗した土地柄であって、ヨーロッパのキリスト教世界に対し武力で抵抗し、頑固に自然信仰を守ったため、中世においてこの言葉の意味合いは再度強調されることになった。
 
前述のように、'''pagan'''は保守的な信条を抱く田舎の人々に対する侮蔑語となり、口語化の進展とともに、主に「都会」の新興勢力であったキリスト教化されたローマ社会に対して前キリスト教/非キリスト教的な信条を指すようになっていった。
現代<!--ourの意訳-->という信仰の大きな変革期に、西洋文化圏に属する田舎の人々は、保守的な「伝統的な」価値基準を持ち続けているのであるが([[バイブル・ベルト|聖書地帯]]、[[:en:red state]]にみられるように)、これら地方の保守主義者たちは現在、世俗化されたアメリカ合衆国の都市部と対決している。''pagan'' は今では「保守的な信条と価値を保つ田舎の人々」というより、前キリスト教的[[シャーマニズム]]を概念化した用語として確立している。21世紀の地方在住保守的キリスト教信者層は文化的に見て、第一及び第二千年紀における pagan の鏡像のような存在だということもできよう。
 
初期キリスト教会の[[ネオプラトニズム|新プラトン主義者]]たちは、洗練された pagen ら(例えば[[プラトン]]、[[ウェルギリウス]])の価値をキリスト教化しようと熱心に試みた。このような努力はインテリ層に対しては多少の影響があったが、paganによって示されるもっと一般的な[[偏見]]を取り除くことには、ほとんど力がなかった。
 
''pagan'' という言葉は14世紀から英語に確認できるが、''paganism''という言葉が17世紀より前に用いられた証拠はない。[[OED]]は[[エドワード・ギボン]]の『[[ローマ帝国衰亡史]]』(1776)にある "The divisions of Christianity suspended the ruin of paganism." を例示している。これはしかし新しい造語ではなく、[[アウグスティヌス]]が既に ''paganismus'' という言葉を用いている。
 
キリスト教の都会性はアウグスティヌスの著作から例示することができる。''De Civitate Dei contra Paganos'' (paganに対抗する神の市)でアウグスティヌスは、ローマ滅亡に直面して困窮する都市生活キリスト教徒を励ましている。大いなる「人の都市」は滅びようと、キリスト教徒は「神の都市」における究極の市民であると指摘した。
 
[[スラヴ人]]、特に[[東スラヴ人]]は、pagan を侮蔑語として取り入れた。大略「陰険な野獣」と訳される。語源に関するこの説は、スラヴ人が西のキリスト教を押し付けられて以降、自分たちの中に残った非キリスト教について否定的であったという事実に因る。
 
Adam Gorightly の ''The Prankster and the Conspiracy'' によると、自然宗教の崇拝者を pagan と呼んだのは、[[:en:Discordianism]]の提唱者のひとり、[[:en:Kerry Thornley]] (Omar Khayyam Ravenhurst) であった。
 
===Heathen===
''Heathen''は[[古英語]] ''hæðen''(キリスト教徒ではない、またはユダヤ人。[[古ノルド語]]の ''heiðinn'' と比較されたい)から来ている。歴史的に、この単語はおそらく[[ゴート語]]の ''haiþi''(荒野に住むもの)の影響をうけている。''haiþi''は[[:en:Ulfilas]]の聖書(ギリシャ語からゴート語に翻訳された)の中に、''haiþno''(優しい女性、マルコ 7:26)として現れる。この翻訳はおそらくラテン語の ''paganus''(田舎の住民)に影響されたか、ギリシャ語の
''ethne''([[民族]]、異教徒、異邦人)との類似性から選ばれたものだろう。ゴート語の ''haiþi'' は heath (荒地)とは関係なく、[[アルメニア語]]の ''hethanos'' (これ自体はギリシャ語の ''ethnos'' による)によるのではないかとも長らく示唆されてきた。
 
== 用語法 ==
=== 一般的な使用法 ===
[[ファイル:Perchten4.jpg|thumb|220px|オーストリア、[[クラーゲンフルト]]の[[w:Perchten|Perchten]]]]
歴史的に "pagan" 及び "heathen" は[[ユダヤ教]]、[[キリスト教]]、[[イスラム教]]といった[[一神教]]の信者によって自分たちの宗教を信じない者を指す[[軽蔑語]]として用いられてきた。スコットランド及びアイルランドでは、heathen が今もなおカトリック教徒によって非カトリックに対する軽蔑語として用いられている。Paganism もまた時として(受容されている一神教に対する)信仰の「欠如」として用いられ、よって時として[[無神論]]と本質的に同じものを意味することがある。Paganism はしばしば歴史的な古典時代の宗教、その中でも特記すべきは[[ギリシア神話]]と[[古代ローマの信仰]]であるが、を指し、中立的な用語あるいは賞賛を秘めた用語として、これらの信仰を指す用途に用いることもできる。だが、[[西洋社会]]の中に[[ロマン主義]]と[[信仰の自由]]が興るまでは、ほとんど常にpaganism はキリスト教会が確立した政治的な枠組みから取りこぼされた[[異端]]を罵るために用いられた。一神教信者をむしろ特殊な存在として、あるいは色眼鏡をかけずに扱うべきだと信じる人々によって、この言葉が賞賛を込めて用いられるようになったのは、ようやく19世紀に入ってからのことである。Pagan はまた、ヘブライ語の paganini (森の住人)にも由来する。
 
Pagan は、俗な、キリスト教的な意味での[[快楽主義]]者と同一視されるようになり、感覚的な、物質主義の、独りよがりの、将来に目を向けず洗練された宗教に関心を持たない人物だとレッテルを貼るために用いられるようになった。paganism の限界について注意を喚起したい人々は、通常この言葉を以上のような俗な意味合いで用いる。例えば[[ギルバート・ケイス・チェスタートン|G.K.チェスタトン]]は、次のように書いた:
 
「pagan は、良く言えば、自分を楽しもうと試みた。だが、文明化された時、彼は発見したのである。自分を楽しむ者は、他の何も楽しめなくなると。」
 
===Heathenry===
{{main|Heathenry}}
"Heathen" ([[古英語]]で ''hæðen'')は ''paganus'' の訳である。この言葉は特にドイツの paganism ないしドイツの neopaganism について用いられる。[[:en:Jastorf culture]]に源流を持つ[[ゲルマン民族]]は5世紀までに東欧および中欧に分布した。その時から、ゲルマン語の各方言は互いに意味が通じなくなっていった。ゲルマン人のキリスト教化は4世紀([[ゴート族]])から6世紀([[アングロサクソン]]、[[:en:Alamanni]])にかけて、ないしは大陸では8世紀([[サクソン]])にかけて起こり、9から12世紀にはアイスランドとスカンジナビアもキリスト教化された。
 
=== Pagan の分類 ===
[[:en:Isaac Bonewits]] [http://www.neopagan.net/PaganDefs.html]は、paganを次のように分類した:
 
*古Paganism (Paleo-Paganism) : ネオペイガニズムと対照して用いる[[レトロニム]]である。他の文化によって断絶されなかった paganism を指す。[[ヒンドゥー教]]、[[神道]]、[[タキトゥス]]描く所の民族大移動前の[[:en:Germanic paganism]]、[[カエサル (称号)|カエサル]]描く[[ケルト人|ケルト]]の多神教、[[古代ギリシア]]及び[[古代ローマ]]の宗教がこれに属する。
*中Paganism (Meso-Paganism) : 一神教、二神教、無神的世界観の影響を受けたが独立した宗教的実践を維持している一群である。ネイティブ・アメリカン、オーストラジアのアボリジニ、[[ヴァイキング時代]]、[[ノルウェーのPaganism]]が属する。影響としては[[フリーメイソン]]、[[薔薇十字団]]、[[神智学]]、[[心霊主義]]、[[シーク教]]、多くのアフリカの少数宗教([[ハイチ]]の[[ヴードゥー教]]や[[サンテリア]]など)を含む。
*[[ネオペイガニズム]] ([[:en:Neo-Paganism]]): 近現代人による、キリスト教以前の自然宗教ないし、自然を基盤にもつ[[精神世界]]を再び取り戻そうという試み。[[:en:Ásatrú]]、[[新ドルイド教]]や[[ウィッカ]]など、[[ニューエイジ]]時代の再構成や半ば再構成によるものを含む。
 
==Pagan 信仰==
(英語版へのリンク)
*[[:en:Ancient Greek religion]] 古代ギリシアの宗教
*[[:en:Ancient Near East Paganism]] 古代中近東の宗教
*[[:en:Ancient Paganism]] 古代のペイガニズム
*[[:en:Celtic polytheism]] ケルトの多神教
*[[:en:Discordianism]]
*[[:en:Estonian paganism]] エストニアのペイガニズム
*[[:en:Finnish paganism]] フィンランドのペイガニズム
*[[:en:Germanic paganism]] ゲルマンのペイガニズム
:*[[:en:Asatru]]
:*[[:en:Norse paganism]](日本語版では[[北欧神話]]を見られたい)
:*[[:en:Paganism in the Eastern Alps]]
:*[[:en:Heathenry]]
 
==ネオペイガン==
===ネオペイガニズム===
{{main|ネオペイガニズム}}
別の用法として、現代の実践家は paganism を[[不信心]]に限らず、[[多神教]]や[[汎神論|汎神教]]の意味で、しばしば、自然を基盤にした宗教行為を指して用いることがある。それらには復興主義者たちの [[:en:Hellenic polytheism]] や [[:en:Ásatrú]]、さらにはもっと近年になって(およそ1940年頃)成立した[[ウィッカ]]が含まれ、これらは通常[[ネオペイガニズム]](neopaganism)と呼ばれる。ネオペイガニズムの信者 (neopagan) たちはしばしば自らを単に pagan と呼ぶが、本項目では pagan といった場合主に古代の宗教を指すことにする。
 
ネオペイガニズムに含まれる宗教はほかにも、 [[Forn Sed]]、ケルトのネオドルイド教([[:en:Neo-druidism]])、ランゴバルドのオディン崇拝、リトアニアの [[:en:Romuva]]、スラブの [[:en:Rodoverie]]があり、近年になって再構成されたものではなく、古代宗教の復活であると信者たちは主張しているが、その違いははっきりしない。これらリバイバル的宗教は、特にウィッカ、Ásatrú、ネオドルイド教において顕著だが、その起源を19世紀の[[ロマン主義]]運動に負っており、当時流行していた[[神秘学]]ないしは[[神智学]]の名残を明瞭にとどめている。その点、歴史的な田舎 (paganus) で信じられていた民間宗教とは異なっている。[[:en:Íslenska Ásatrúarfélagið]]は注目すべき例外であり、これは多かれ少なかれ直接的に、生き残った田舎の民話から導かれたものである。
 
それでもなお、ある実践家たちは、統合を指向する場合であってすら、自分たちの信仰がネオペイガニズムという用語で呼ばれることに抵抗する傾向がある。というのも、彼らは自分たちのしていることが決して新しいことではないと考えているからである。また次の点も指摘しておきたい。現在のところ少数派ではあるが、1990年代以降、復興主義者の間でロマン主義的なあるいはオカルト的な要素を、キリスト教以前の要素とを分離しようと努力する動きが強まっているのである。
 
===近現代の自然崇拝===
工業化された社会に住む現代の pagan は、自分たちの信条と実践の基盤を、大自然および生きとし生けるもの全てに宿る神性に結びつけている。だが、過去から現在に至る全ての paganism がそうだとはいえないだろう。数多くの神がいると信じる場合も、全ての生物に存在する意識下の精神(あるいは霊)が全宇宙的に統合してひと柱の神となると信じる場合もありうる。先史時代にさかのぼる paganism の起源はもはや歴史の彼方に失われてしまったが、近代的な[[一神教]]よりも古い。古代のpaganismは[[アテナイ]]の[[アテナ]]のように土地土地の神を崇拝する傾向が強かったが、古典時代を通してまた[[アレクサンドロス3世|アレキサンダー大王]]の統治に従い神々が統合された後にはそれぞれの神はオリュンポスの神の様々な面が発露したものだと見られるようになり、[[:en:Roma (mythology)|女神ローマ]]が都市[[ローマ]]の人格化であったように、「クニの神々」が各地方に浸透していった。[[アンシャンレジーム]]の面々は自分たちはこれらの神々の地上での代理人であると主張し、それは大なり小なり、国家を支える宗教者たちの官僚機構によって支えられたものであったと思われる。これは paganism と「主流派」の[[:en:revealed religion]]がある程度共通に持っていた特徴で、カトリック及び英国国教会の歴史や、過去及び現在のイスラム教にも見いだされるものである。
 
一つの確立した用法として、paganism には一神教以外の何らかの宗教を信じることという意味がある。となると、古代ギリシアの[[ピタゴラス教]]信者は pagan ではないことになる。なんとなれば、彼らは[[アブラハムの宗教]]の伝統とは異なる一神教を信じていたからである。否定的に極論すれば、宗教的に[[正統]]とされない一切の信条、儀式、楽しみ等は、それに手を染めると反対派から pagan と呼ばれうるものだということになる。例えば[[バーニングマン]]、[[ハロウィーン]]、果ては[[クリスマス]]に至るまで。
 
<!--(訳注: 英語版にはこの後、ペイガニズムを支持する側と反対する側からの大量の引用がありますが、本稿では省略させていただきます。) -->
 
==脚注==
<references />
 
== 関連項目==
* [[アブラハムの宗教]]
* [[一神教]]
* [[多神教]]
* [[:en:Gentile|Gentile]]
* [[ヘイトクライム]]
* [[外道]] - [[六師外道]] (仏教用語)
* [[伝統宗教]]
* [[ペイガンメタル]] - ペイガニズム思想を主題とした音楽ジャンルの一つ。
 
==外部リンク==
*James J. O'Donnell, "[http://ccat.sas.upenn.edu/jod/texts/demise.html The Demise of Paganism]," ''Traditio'' 35(1979), 45-88
 
{{DEFAULTSORT:へいかにすむ}}
[[Category:各種の宗教]]
[[Category:思想]]
[[Category:宗教学]]
[[Category:差別]]
[[Category:ラテン語起源の言葉]]
[[Category:ペイガニズム|*]]
[[Category:侮蔑]]
 
[[vi:Pogány]]