「列車愛称」の版間の差分

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日本における列車愛称の由来はさまざまであるが、大体下記のように分類できる。沿線にちなんだものが用いられるのが主流である。
: ※「」内は現存する愛称名、『』内は過去にあった愛称名。
* [[鳥類]]や鳥に関する名前:「[[つばめ (列車)|つばめ]]」・「[[はやぶさ (列車)|はやぶさ]]」・「[[とき (列車)|とき]]」・「[[かもめ (列車)|かもめ]]」・「[[しらさぎ (列車)|しらさぎ]]」・『[[サンダーバード (列車)|雷鳥]]』・「[[つばさこうのとり (列車)|つばさこうのとり]]」・[[東北本線優等つばさ (列車沿革)|かりばさ]]・『[[東北本線優等列車沿革|はくつる]]』など。かつて、特急列車の愛称は鳥類又は日本を象徴するもの(「[[さくら (列車)|さくら]]」・『[[富士 (列車)|富士]]』・『[[へいわ (列車)|へいわ]]』など)に限られていた時代があった。このためか、鳥類を用いた愛称名は過去に使われていたものを含め多数ある。
* 鳥類を除く[[動物]]の名前‐『[[かもしか (列車)|かもしか]]』・「[[はくと (列車)|スーパーはくと|はくと]]」など。例は少ない。
* [[植物]]の名前:「[[さくら (列車新幹線)|さくら]]」・『[[べにばなあやめ (列車)|べにばなあやめ]]』・「[[はまなす (列車)|はまなす]]」・「[[いなほ (列車)|いなほ]]」など。例は多数あり。
* [[人間|人]]の名前:「[[かいおう (列車)|かいおう]]」・「[[こまち (列車)|こまち]]」・[[肥薩線#運行形態|「いさぶろう」・「しんぺい」]]・「[[みすゞ潮彩]]」。JRで人名に由来する愛称名は、1999年から2003年の間運行された[[大村線]]特急『[[シーサイドライナー (列車)|シーボルト]]』を含め、2012年時点ではこの6例のみ。このうち命名時に存命中の人物の名をつけたのは「かいおう」のみである。なお、実際には[[河童]]とされるため人名とは言い難いが「[[肥薩線|九千坊]]」を含めると7例となる。また、臨時列車であるが、「[[きらめき (列車)|きらめき]]」が[[中津駅 (大分県)|中津駅]] - [[博多駅]]で運行されるときは[[黒田孝高|黒田官兵衛]]にちなんだ「官兵衛きらめき」として運転。旧国鉄時代には、人名に由来する愛称名は存在しなかった。<!--尚、「あさしお」「あけぼの」等は抽象的な自然現象に依る命名。「きりしま」は山の名前による命名。四股名は「かいおう」のみである。-->
* [[神話]]などから:「[[スーパーカムイ]]」・「[[やくも (列車)|やくも]]」・「[[海幸山幸 (列車)|海幸山幸]]」あるいは「[[リゾトしらかみ|海彦山彦パーはくと]]」・『[[まつかぜ (列車)|くにびき]]』など。少数。
* 物語・文学から:「[[踊り子 (列車)|踊り子]]」([[伊豆の踊子]])・「[[指宿のたまて箱]]」([[浦島太郎]])。こちらも少数。
* 地名
** [[山]]の名前:「[[あさま]]」・「[[つるぎ (列車)|つるぎ]]」・「[[たにがわ (列車)|たにがわ]]」・『[[富士 (列車)|富士]]』・「[[あかぎ (列車)|あかぎ]]」・「[[踊り子 (列車)|あまぎ]]」・「[[いしづち (列車)|いしづち]]」・[[ばんだいきりしま (列車)|ばんだいきりしま]]』・『[[だいせん (列車)|だいせん]]』など。例は多い。
** [[海]]関連の名前:[[日本海 (列車)|日本海]]・「[[あしずり (列車)|あしずり]]」・「[[さざなみ (列車)|さざなみ]]」・「[[はまかぜ (列車)|はまかぜ]]」・「[[有明 (列車)|有明]]」など。多数あり。
** [[川]]の名前:「[[ふじかわ (列車)|ふじかわ]]」・「[[くまがわ (列車)|くまがわ]]」・「[[あずさ (列車)|あずさ]]」・「[[ホリデー快速]]あきがわ」など。多数あり。
** [[湖]]の名前:『[[ホリデー快速富士山|かわぐち]]』・『[[こまち (列車)|たざわ]]』・『[[只見線|いなわしろ]]』など。比較的少数。
** [[島]]の名前:「[[おき (列車)|おき]]」・『[[利尻 (列車)|利尻]]』・『[[山陽本線優等列車沿革|やしろ]]』など。比較的少数。
** 景勝地・[[史跡]]・[[旧跡]]・[[公園]]名など‐「[[はしだて (列車)|はしだて]]」・「[[なすの (列車)|なすの]]」(山の意味合いもある)・『[[かすが (列車)|かすが]]』・『[[はしだて (列車)|大社]]』・『[[おおぞら (列車)|ぬさまい]]』([[釧路市]]の[[幣舞橋]]から)・『[[やまびこ (列車)|あおば]]』([[青葉山]]に位置する[[仙台城]]から)・『[[ちくま (列車)|くろよん]]』([[黒部ダム|黒部川第四発電所]]の通称)など。
** [[都道府県]]名:「[[みえ (列車)|みえ]]」・[[おはようとちぎ・ホームタウンとちぎ|おはようとちぎホームタウンとちぎ]]・「[[とっとりライナー]]」・『[[あおもり (列車)|あおもり]]』・『[[いわて (列車)|いわて]]』・『[[しおかぜ (列車)|えひめ]]』など。比較的新しい愛称傾向。
** [[都市]]名:「[[まいづる (列車)|まいづる]]」・『[[なは (列車)|なは]]』など。比較的新しい愛称傾向。
** 著名な[[テーマパーク|観光施設]]:「[[ハウステンボス (列車)|ハウステンボス]]」(後述の「列車の目的」ともいえる)
** 地域名:[[きたぐに (列車)|きたぐに]]・『[[ちくま (列車)|ちくま]]』([[信濃川|川の名]]でもあるが、列車名の由来は地域名)『[[北陸 (列車)|北陸]]』・『[[東海 (列車)|東海]]』など。急行列車の愛称名には地域名や景勝地名をつけたものが多かった。
** [[令制国]]名([[旧国名]]):「[[ひだ (列車)|ひだ]]」・「[[しなの (列車)|しなの]]」・「[[ひたち (列車)|ひたち]]」・「[[つがる (列車)|つがる]]」<ref>地域名で正式な令制国名ではない。ただし日本書紀にも記載がある歴史を有する。また明治後の一時期、陸奥国の異称に用いられたことがある。</ref>・[[あいづ]]<ref>正式には令制国名ではなく郡名。ただし、古事記にも記載がある歴史を有する。</ref>など。『[[紀伊 (列車)|紀伊]]』、『[[南紀 (列車)|紀州]]』、『[[きのくに (列車)|きのくに]]』のように異称別称含め全部が、それも同時期に別個の列車愛称となった例もある。
** 都市名・地域名・令制国名などの合成:『[[北越 (列車)|北越]]』・『[[しらさぎ (列車)|加越]]』・「[[かいじ (列車)|はまかいじ]]」など。
* [[空]]・[[天体]]名:「[[おおぞら (列車)|おおぞら]]」・[[北斗星 (列車)|北斗星]]・「[[カシオペア (列車)|カシオペア]]」・『[[東北本線優等彗星 (列車沿革)|星]]』・『[[銀河 (列車)|銀河]]』など。天体名は性格上、古くから[[夜行列車]]に多く使われている。ただし、「[[北斗 (列車)|北斗]]」・「[[にちりん (列車)|にちりん]]」・『[[ひので (列車)|ひので]]』など例外もある。
* 物体・[[現象]]名:「[[ひかり (列車)|ひかり]]」・「[[こだま (列車)|こだま]]」・「[[やまびこ (列車)|やまびこ]]」・「[[南風 (列車)|南風]]」など。
* 列車の目的を示したもの:「[[成田エクスプレス]]」・「[[湘南ライナー]]」など(後者は広域地名ともいえる)。
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*** 逆に[[サンダーバード (列車)|『雷鳥』→「サンダーバード」]]のように新しい愛称へ移行させるパターンもある。
* 使用車両の愛称:「[[ソニック]]」など
 
=== 選定に際して ===
基本的には、運行会社の裁量に任せられることから関係者以外では伺い知ることが出来ない。しかし、[[日本国有鉄道|旧国鉄]]が命名した列車名では「かつて国鉄では列車名の命名には鉄道管理局を2局以上跨って走行する列車と基本的に支社・管理局内のみの走行する列車とで、命名基準・命名者が決められていた。但し規定は存在しないが暗黙の決めごとであった。」とされ、1.読み易く発音し易い事、2.文字にして書き易く短くて簡単な事、3.覚え易く他の愛称と紛らわしくない事の三点に留意する事としていた。ただし、[[新幹線]]では日本の代表的な名称・交通の王者を象徴する斬新な物を、[[特別急行列車]]では[[鳥]]や[[花]]ないしは自然現象に由来するもの、[[夜行列車]]・[[寝台列車]]では[[天体]]に依拠するもの、[[急行列車]]では運転区間に関係する有名な山・川・海・地名・史跡や地方の特色ある自然現象が用いられ、おおむね[[東京]]から見て下り方向の目的地に関連した物があてがわれる事例が多かった。この点については、[[#日本の沿革|下記]]も参照されたい。
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[[私鉄]]の場合、沿線の代表する景観などや主に下り方向の目的地に関連した物が使用される。
 
また列車の新設に際して一般公募で名称を募集する事例があるが、この場合必ずしも得票数が1位の候補が採用されるわけではない。たとえば、[[北斗星_(列車)|北斗星]]の公募第1位は『北海』であったとされる。東海道新幹線の列車愛称も「ひかり」は1位であったが、「こだま」は10位であった。東北新幹線開通以前に常磐線を経由して上野と青森を結んでいた特急に使用されていた『みちのく』は、同新幹線開業及びその延伸前に何度か行われた愛称公募で常に得票数第1位になっているが、20122016年現在に至るもどこにも使用されていない。
 
なお、一般公募で高い応募数を得ながら採用されない愛称として『いなづま』という名前がある。東海道本線特急に使われていた『ひびき』は[[東海道新幹線]]の第三の愛称候補に挙げられることもあったが後に[[騒音]]・[[振動]]問題が取りざたされるようになってからは沙汰やみとなり、東海道線夜行急行に使われていた『すばる』は特定ブランドのイメージが一般に定着するようになってからは使われていない。また、[[雪]]に関連する名前も応募者の多くが豪雪地帯に暮らす人々のつらさが理解出来ないと解釈され運行地域での理解が得られないため、余り採用されないとされる。ただし、それでも定期列車として[[しらゆき (列車)|しらゆきぐに]]・『[[北越とき (列車)|しらゆきぐに]]』という事例があり、またいわゆる[[スキー]][[臨時列車]]では、『[[水上 (列車)|新雪]]』・『[[あさま|信州銀嶺]]』や『[[シュプール号|シュプール]]』など広く採用された。
 
ちなみに「[[はやて (列車)|はやて]]」も「はやて(疾風)」が農作物に被害をもたらす風や[[疫病]]の異名でもあるためといわれこの例に近かったが、[[2002年]]の[[東北新幹線]][[八戸駅|八戸]]延伸に際して[[東京駅]] - 八戸駅間直通列車の名称で使用されることとなった。
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=== 列車愛称の重複・復活 ===
逆に[[#列車愛称の由来|列車愛称の由来]]によっては複数の地域で用いられる事例もある。たとえば、「[[くろしお_(列車)|くろしお]]」は<!--その略歴を見れば判るとおり、-->戦前より南紀連絡列車として知られた「[[黒潮号]]」の流れを汲む[[紀勢本線]]特急列車の愛称として固定するは[[くろしお_(列車)#列車名について|こちら]]を見れば判るように[[四国]]・[[房総半島]]・紀勢本線の3箇所で用いられたとされる。
 
しかし、[[#戦後の展開|後述]]するが[[1968年]]実施の[[ヨンサントオ|国鉄ダイヤ改正]]により、[[座席指定席]]管理[[システム]]である[[マルス_(システム)|マルスシステム]]の拡充の障害となることからこういった事例は解消された。
 
:ただし、由来の事由は異なるが「[[あさぎり (列車)|あさぎり]]」は[[御殿場線]]直通[[小田急ロマンスカー|小田急連絡急行]]と[[日田彦山線]][[急行列車]]とで長らく使用されていた事例があった。これは後者に座席指定席が設定されておらず<!--する予定もなく 根拠は?-->マルスシステム運営上何ら阻害要因にならなかったのと、前者の走行域が関東 - 東海地区、後者のそれが九州島内と離れており、旅客の案内上特に不都合を生じることもなく、利用者を混乱させる可能性もまずないと考えられたためと思われる。
 
また、「[[しおかぜ_(列車)|しおかぜ]]」や『[[いそかぜ (列車)|いそかぜ]]』の様に当初は海水浴臨時列車として使用され、定期列車の初例として[[山陽本線優等列車沿革|山陽本線特急列車]]から前者は[[予讃線|予讃(本)線]]特急列車→瀬戸大橋線直通予讃線エル特急、後者は[[いそかぜ_(列車)|山陰対九州連絡特急列車]]となった事例もある。
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JR化以降でこの事例は「[[きらめき (列車)|きらめき]]」が著名である。この列車の場合、当初は[[しらさぎ (列車)|米原駅 - 金沢駅間特急列車]]として使用されたが、同列車が廃止された後[[鹿児島本線]][[門司港駅]]・[[小倉駅 (福岡県)|小倉駅]] - [[博多駅]]間を運行した[[ホームライナー]]などを格上げ統合したいわゆる通勤特急列車群の愛称で使用している。
 
また、公募による列車愛称選定の結果として全く運行路線区にゆかりがないものの、著名であった列車名が復活する形になる場合もある。この例での近例として「[[白鳥_(列車)|白鳥]]」が[[津軽海峡線]]直通[[東北新幹線スーパー白鳥|新幹線]]接続特急列車の愛称]]となった例がある。この場合、以前著名な列車としては、[[日本海縦貫線]]特急列車であり、この列車の場合では運行区間で重複する部分が[[新青森駅]]〜[[青森駅]]のみとなる。また。九州方面の寝台特急列車で使用されていた「[[はやぶさ (列車)|はやぶさ]]」が東北新幹線[[新青森駅]]乗り入れ時の[[新幹線E5系電車|E5系車両]]使用の[[はやぶさ (新幹線)|最速達列車の愛称]]として復活した。
 
=== 非公式の愛称 ===
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=== 貨物列車の愛称 ===
列車愛称は主に旅客列車に対して付けられるが、貨物列車にも存在する。
* 貨物列車に列車愛称が付与された最初の例は[[1959年]] (昭和34年) 11月に運転を開始した[[コンテナ]]貨物列車[[たから (列車)|たから]]([[汐留駅 (国鉄)|汐留駅]] - [[梅田駅]]間) である。たからの愛称は顧客(流通事業者)への鉄道貨物輸送のイメージアップのために採用され、最後尾の[[車掌車]]には電照式のテールマークが取り付けられた。その後、コンテナ取扱列車の運転拡大に伴い西たから(梅田駅 - [[吉塚駅]]間)やほっかい([[隅田川駅]] - [[東札幌駅 (国鉄)|東札幌駅]]間)、こがね(隅田川駅 - [[万代駅]]間) 等の愛称が登場<ref>後に[[東北新幹線]]の列車愛称となる「はやて」はこの時梅田駅 - [[広島駅]]・[[福岡港駅]]間の列車名として採用されている。</ref> 、更に[[鮮魚貨物列車]]としてとびうお([[幡生駅]] - [[東京市場駅]]間)、ぎんりん([[博多港駅]] - [[大阪市場駅]]間)等も登場した。
* その後、コンテナ取扱列車の増加や鮮魚貨物列車の全廃などがあり、貨物列車への愛称付与は途絶えていたが、[[1982年11月15日国鉄ダイヤ改正]]に伴い、事業者向けへの営業上の観点から高速貨物・拠点間直行貨物列車に愛称付与を再開する事となり、事業者から列車愛称を公募した。この時たから」「』『こがね等が復活した他、かつて特急・急行の愛称だったいしかり」「』『みやぎの」「』『玄海、旧国名・地名由来の仙台」「』『駿河」「』『坂東」「』『南九州ノースライナー」「』『神戸ライナー等の「〇〇ライナー」、地方色を反映した丹頂」「』『おばこ」「』『しゃちほこなどが登場した。
 
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