「甲状腺癌」の版間の差分

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髄様癌についてはRET遺伝子の変異が原因となることがある。それらは家族性に発症する(常染色体優性遺伝)。しかしそれ以外の癌の原因については、ほとんどわかっていない。
 
また、[[広島]]や[[長崎]]の原爆被爆地<ref>[http://dx.doi.org/10.3919/ringe1963.44.1127 広島の原爆被爆者から発生した甲状腺癌-1958年~1979年] 日本臨床外科医学会雑誌 Vol.44 (1983) No.9 P1127-1137</ref>や[[チェルノブイリ原子力発電所]]の事故で周辺の住人に甲状腺癌の患者が多発したことから、放射性ヨウ素(主に、ヨウ素131 , <sup>131</sup>I)に誘発されることが判明している。特に低年齢の5歳から10歳未満では顕著で、この時期の被曝を回避すべきであるとされている<ref>[http://dx.doi.org/10.2169/naika.99.786 放射線被曝と甲状腺発癌] 日本内科学会雑誌 Vol.99 (2010) No.4 p.786-791</ref>。また一方、2011年に起きた[[福島第一原子力発電所事故]]後にでは、今のところ、ほとんど影響がみられない。福島県の子供(当時18歳以下、受診者数29万5,511人)を検査したところ、穿刺吸引細胞診を行った437人中90人が、悪性ないし悪性疑いの判定となり、手術を行った51人中50人の[[甲状腺]]に[[癌]]が見つかっている(術後の病理検査で低分化癌疑い1人・乳頭癌49人。1人は良性結節)が、検査を行った福島県立医科大学では「罹患率の増加はスクリーニング効果等によるものであり原発事故による放射線の影響によるものとは考えにくいが、断言はできないため今後も検査を継続する」としている<ref>[http://fukushima-mimamori.jp/thyroid-examination/result/index2.html 県民健康調査 第15回検討委員会(平成26年5月19日開催)結果報告要旨] 福島県立医科大学 ふくしま国際医療科学センター 放射線医学県民健康管理センター/福島県</ref>。なお、罹患率は上昇しているものの、死亡率は変わっていない
 
発癌メカニズムとしては、[[がん幹細胞]]仮説を発展させた、芽細胞発癌説(fetal cell carcinogenesis)<ref>Fetal cell carcinogenesis: A new hypothesis for better understanding of thyroid carcinoma (review) Thyroid 15: 432-438, 2005</ref>が提唱されている。ただこれは従来の乳頭癌や濾胞癌のようないわゆる分化癌が、未分化癌に変異するという従来の学説を真っ向から否定するものであり、必ずしも広く受け入れられているとは言えない。今後の研究が待たれるところである。